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BELIEVE STORY   作者: ずのり。
5/6

時を経て

え!またかきはじめるんですか!?

お待たせ、伝。魅陽。

 〈信じる〉と言葉にすることは容易く、その姿を見せることもまた困難ではないが、証明することは一朝一夕ではできない。それどころか、千朝千夕だろうが俺はまだできていない。そもそも誠さんを最後に、あれから一人も会えていない。


過去を振り返ってみると、雪は降らなくなり、消えた人間の代わりに様々な生き物が芽吹き、その愛しい命も灼熱で殺され、それを追うように木々も落ち込み、葉は落ちてゆく。やがて世をリセットするが如く白で染め上げる。この光景を幾度と繰り返した。果たして他の人間と会えるのだろうか、そもそも存在しているのか・・・。心を熟成させるにはもう充分時を経たし、終わらせなければならないと思う。


 そんなことを思いながら進むと、レンガが積まれてできた小屋を見つけ、今夜の宿にしようと近づく。・・・何か、遠くの方で動いたような気がする。動物だろうか。猪や熊など獰猛な奴らでないといいが。視界の悪い日は特に気を付けなければならない。忘れかけていたが、候補者の自分が意思を見せる前にこんなところでゲームオーバーになってはあまりに滑稽だ。今日は雨だ。思い返してみると、俺は傘をさすことがなくなった。手に入れようと思えばどこでも拾えるが、そうしなかった。周りの目が無くなり、案外自分は雨が好きなのだと知った。「ふぁっふぅぁっぶぁっしょい!!」そう、この気持ちが悪いくしゃみが出るまでは。自分に引いていた伝だったが、先ほどの影が近づいてきていることに気が付く。急いで生い茂る葉に身を隠す。物音が迫ると緊迫した気持ちは少しずつ溶けていく。それは、「ひ、ひとがいますか?」と小さく震えながらも透き通る声が聞こえたためだ。そう、久しぶりの人類である。恐怖や不安はあれど、まるでウォータースライダーに座った瞬間のように口は止まらず、「おーい!ここにいます!!」と声が滑り出す。


こちらを向き、どうやら同年代の女性かと感じた瞬間、目が合う。瞳が少しずつ大きくなる。きれいなショートヘアーだなぁなんて思っていると、首を傾けながらこう答える。そう、他人の発する声など、当に忘れていたのだ。本当に。一人ではないその感覚が温かく、いや、それだけではない様々な感情がめぐると涙も声も出てこないのだ。やがてその女性からの声が届く。「・・・伝?」と。

読者のあなたがいるからまた書き始めたよ。この十年間、みんななにしてきた!?

そんなことも思い出しながらもう一度読んでみて。その間誰にも会えなかった伝を思うと応援したくなるね。感想あればコメント待ってます♪

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