5人の勇者と2人の最強と爆発
「しょうがねぇから来てやったぞクソジジイ!…ってオイ!5人しか居ねぇじゃあねぇか!後の5人はどうした?!俺を釣るために5人水増ししたとかだったらボコすぞコラァ!」
「えー、一人は自滅、4人はお前が吹っ飛ばしてそこに倒れてる。」
「オイオイマジかよ?弱そうだなオイ!」
「でもまぁ5人はお前の火球を避けたんだ、だったらまあまあ…後ろ。」
「言われなくても知ってんだよアホ!」
と言ってムツキは右手を後ろに出した。
ガキン!!と鈍い音がした。ムツキの後ろでは剣が折れて呆然としている一人の勇者が立っている。
「剣が効かない…?!魔法で強化もしたのに…」
どうやらこいつは物を強化する魔法が使えるらしい。だがムツキには効かない。ムツキの右手はどんな物質よりも硬い。その代わり魔法にはめっぽう弱いが。
さっきの音は、ムツキの右手の掌に思い切り振り下ろされた剣が当たった音だ。で、あいつの剣は折れた。
「これならどうだ!『ブルーファイア』」
次はムツキの左から声と同時に青い火球が飛んできた。
ムツキは左手をかざした。
パシュン
左手に火球が近づくと火球はあっさり反発するように逆方向に向きを変えた。
・・・そう、逆方向である。
ドォォォォン
そしてこの青い火球の術者は自分の魔法によって爆発した。
あいつの左手について解説すると、この左手は、右手とは逆に、物理に弱い代わりにあらゆる魔力を磁石の同じ極同士のように反発させるのだ。
まぁその結果があの爆発だ。
残り3人か…。
あれ?どこいった?
「動くな。動いたらおまえの首が飛ぶぞ。」
後ろか。今俺の首には短剣が添えられている。
なめられたもんだ。
「やってみろ。」
「チッ」
そして俺から飛び退いた。賢明な判断だ。
「オイオイ、そっちの方が危ねぇんじゃねぇのか?」
今更だけどさ、ムツキいい加減うるさい。まぁ機嫌損ねたら不味いから言わないけど。
「俺はお前の親だ。こんくらいでヤバイって言うようじゃ、この先やっていけねぇぜ?」
「チッ、こいつら3人気配を完全に消してやがる。本当に強ぇやつはこいつらであの2人は囮か!戦いがいがありそうだぜ!」
話を聞け。お願いだから。
まぁムツキの推理は十中八九合っているだろう。
だが、気配を消すとなると相当高レベルな魔法が………ん?
………まさか………そんなことは……いやでもな……
これだと辻褄が合うんだよな………。
まぁ考えてもしょうがないか。
ただこの仮定だと気配を消してるのはあの短剣の奴だろうな。俺の背後に回るなんて芸当そんな魔法でも使わないと無理だし。忍者装束だったし。
あ、そういえばあの重装備も見てないな。
あいつリーダー格っぽかったからな、強くて普通か。………あれ、やられたやつはどこいった?
うーん、いねぇってことは自分で隠れたか、隠されたんだろうけど、たぶん前者だな。倒れてるやつを隠すなんてリスクが大きい。
つーことはヒーラーが3人のなかにいるのか。
まぁ一回やられたやつはもう向かっては来ねぇだろうし大丈夫か。
………それにしても静かだな、不気味になってきたぞ。いや、冷静になれ、焦ったら相手の思うツボだ。
「さっさと出てこいやコノヤロウ!!」
やべ、あいつが短気なの忘れてた。
「ウオオォォォ!それでも男かァァァァァ!」
「お、おい、落ち着けって…………後ろだ!」
「な?!」
バシュッ
一瞬だった。消えた。ムツキの右腕が。いや、切断されたと言うべきか。
そしてムツキの前にはあの短剣を持った忍者装束が立っていた。
「ぬるいぞ。あと一つ言っておくが私は女だ。」
こいつ女だったのか、と驚いている場合ではない。ムツキがやばい。腕じゃなくて感情が。
「くそがァァァァァァァァァァぁぁ!!」
「そっちばかりに気をとられていて大丈夫なのか?」
「何ィ?!」
俺の背後には重装備がいた。
「お前なんぞ俺の魔法には耐えられまい『ビッグフレイム』」
・・・・・・え?何故だ、なぜ発動しない?
「お前は今なぜ発動しない?と考えているだろう。教えてやろうか。俺のもう一人の仲間がお前の魔力を吸い取っていたからだよ、お前に気づかれないよう、少しずつなァ?」
「性格変わったな。」
「俺は二重人格でな、戦闘になるとこっちの俺が出てくるんだよ。今から死ぬお前には関係ないだろうけどなぁ!」
ドシャ!!
危なっ!あいつ化け物か?!斧振り下ろしただけで振動が半端じゃねぇ。避けてなかったら確実に死んでただろあれ!
「ようやく王座からおりたか。こっからはもう余裕じゃねぇぜぇ?!!」
くっそ!狂ってやがる。ようやく確信に変わったぞ。こいつらは全員が90Lvな訳じゃない。7人はもっと低いレベルで、残りの3人がずば抜けてレベルが高いんだ。結果平均レベルが90Lvになったんだ。
「ウオオォォォ!!お前ら全員皆殺しにしてやるぞォォォォォォォ!!!」
あ、もう一人いたわ。狂ってるやつ。
………待ってあれやばくない?発光してるよ?大爆発とかしないよね?勇者どもとこの部屋はともかく、魔力が吸い取られて回復しきってない俺とそもそも魔法が使えないシンゲツがヤバイぞ。
忍者装束が斬りかかっているが間に合わない。
ドシャ!!
だから斧はやめろって!怖いから!せめてあと3秒だけ待ってくれよ!肉体強化するだけの魔力を回復させてくれよお願いだから!!!
「シンゲツ!来い!!」
了解!了解!
そして俺はシンゲツを包み込むようにして丸まった。
シュゥゥゥゥン
空気がおもいっきり吸い込まれた音だ。
・・・
ドォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!
この瞬間全てが吹き飛んだ。
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キャラ紹介
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名前:シンゲツ
職業:魔王の助手
種族:自立思考型飛行ロボット
魔王、マンゲツが10番目の部下、カンナに土下座して作らせたロボット。それもあってそれなりに性能もよく、ちょっとやそっとじゃびくともしず、逆に反撃して返り討ちする程度の性能を持つ。
マンゲツはこのロボットをとても大切にしている。
色は銀色で形は丸型、横には楕円型の羽が付いており、飛行中は基本的に高速で振動している。前方に某機動戦士アニメのザ○のような赤色の一つ目がついていて、ドラゴン○ールのスカウ○ーのようなことができる。魔界製なので動力源は魔力である。因みに羽は畳むことができる。
ただ、魔王の戦闘中は流れ弾などで誤射が多く、しかもとても五月蝿かったため基本的に魔法が届かない天井近くで待機している。
形は、某機動戦士アニメのハ○のサイズでそのハ○に銀色を塗り、顔の代わりにザ○の黒色の部分を含めた一つ目を丸型に切り取って貼り付け、あの羽のような所が真横に付いた感じのものを想像してもらえれば分かりやすいと思う。
喋り方はハ○に似たような喋り方である。
宜シク!宜シク!