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Dragon Sword Saga1『旅の仲間(前編)』   作者: かがみ透
第Ⅶ話 因縁の対決
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真犯人

 空には、半透明の若い男の顔が浮かんでいる。

 本体ではなく、どこからか映し出されているのだと、ケインたちには解っていた。


 そばかすのある色白の、神経質そうな顔立ち、栗色の巻き毛ーーそれは、間違いなく、クリミアム王国王子、クリストフのものだった。


「まったく、チンケな計画を立ててくれたもんだよ。真相が解った時は、思わず呆れたぜ」


 物怖じした様子もなく、ケインが肩をすくめてみせた。


「ほう、では、どこまで当たってるか、君の推理を聞かせてもらおうじゃないか。それが、遺言にならなきゃいいけどね」


 王子の笑い声が、辺りに響き渡る。


 ケインは、淡々と、語り始めた。


「今回、魔道士を伴って入国してきたのは、マスカーナ王国とデロス王国の二国だが、実は、あなたも魔道士を連れてきていたんだ。同行した特使にすら内密に、あなたは、ヤミの魔道士を雇っていた。クリミアムには、魔道士は、あまりいないらしいからな。


 そのヤミ魔道士は、どこからか、よからぬ連中をかき集め、アトレ・シティーで剣を集めさせた。クリミアムよりも、アストーレの方が、物資は豊かだし、腕のいい鍛冶屋もいることで、武器が充実しているからだ。


 だが、アストーレの騎士たちだって、同じ物を使っているし、腕だって、訓練を積んでいる騎士の方が有利に決まってる。それに勝つには、剣に魔力を注いで強化し、他国の魔道士たちの攻撃も、簡単に防げるようにしておく必要があったんだ」


 空に映る王子は、ふふんと鼻で笑った。


「その時、偶然手にしたのがカイルの魔法剣だが、この計画では使えないことがわかり、持ち主のカイルが城にいることを知ると、さりげなく参謀の部屋に置いて、ダミアスさんがうさん臭くなるようもっていった。


 幸い、彼を良く思っていない人物が、何も言わなくても後押ししてくれたもんな。カイルまで、すっかりダミアスさんを疑ってたし。


 最初から計画のうちだったかまではわからないが、あなたたちは、参謀のダミアスさんに、皆の注意がいくように仕向けた。魔道に(うと)いアストーレのことだ。魔道といえば、すぐにダミアスさんと結びつけると踏んだんだろう」


「へえ、よくわかったじゃないか!」


 王子は、感心して、手を叩いてみせた。


「確かに、始めは盗賊団の仕業にしておく計画だったが、それだと、いろいろとまどろっこしかったからね。ちょうど、アストーレの公爵たちが、参謀のことをよく思っていないみたいだったし、そっちに罪をなすりつけた方が、こちらのヤミ魔道士も動きやすくなるだろうと思って、計画を少し変更したのさ」


 王子の顔は、くすくす笑っている。


「だけど、僕の目的は、アストーレの内紛なんかじゃないよ。君の推理は、まさか、そこで終わりだなんて、言うんじゃないだろうね?」


「もちろんだ」


 ケインは、再び、話し始めた。


「俺は、王女誘拐未遂事件は、外国人の仕業だと、ずっと疑いをかけていた。参謀のことも、疑わなかったわけじゃなかったが、極めつけになったのは、犯行の日にちだった。


 誘拐未遂のあった翌日に脅迫状ーーこんなに立て続けに誘拐しようとするなんて、よっぽど自分たちが捕まらない自信があるとも考えられるけど、ひとつは、滞在時間にあったんだ。あなたたちは、アストーレにいる五日間で、勝負を決めなければならなかった。そう考えれば、参謀よりも、外国人の方が、しっくりくる」


 ケインの隣ではマリスが、後ろでは、クレアが、静かに耳を傾けている。


「いずれかの国が、姫を誘拐して莫大な身代金を請求するか、アストーレに自国の傘下に入れと要求するものと思っていた。だけど、今日、神殿からの帰り道で、どの国のヤツが、どんな目的で、というのが、俺には一遍(いっぺん)にわかったんだ……!」


 そこで、ケインは、一旦、言葉を区切った。

 空の王子は、目を細めた。


「どうしたんだい? 続けないのかい?」


「あなたの名誉のために、言わないでやることもできるが、ここには俺たちしかいないから、構わないか……」


 ケインは、再び空を見上げた。


「賊たちを捕まえている時、奴らの一人が『話が違う』と、こぼしていた。無意識だっただろうそいつの視線をたどってみると、その先にあったものは、物凄(ものすご)い殺気を漂わせて、俺をにらむ、あなたのその顔だった!


 賊も、あなたには簡単にやられるよう、事前に申し合わせておき、王女誘拐を勇ましく阻止するという筋書きだった。あなたは、どいつも歯が立たない、豪腕なデロス王子でさえかなわなかった賊に、ひとりで立ち向かい、脅迫状によって怯えきった王女の前で、……いいカッコしようとしたんだろう!」


 王子の顔は、もう薄笑いを浮かべてはいない。


「盗賊たちの手から姫を救い、そのことでアストーレ王に恩を売り、姫との婚約を決定的にする。つまり、この事件は、あなたの仕組んだ『狂言』ということだ!」


 ケインは、空の王子の顔を、キッと見上げた。

 王子の恨めしそうな顔が、見下ろしている。


「あの、ケイン、あたしは、その事件とやらのいきさつが、よくわかんないけど……真相って、それだけなの?」


 遠慮がちに、マリスがケインに尋ねる。


「俺だって、何度も違うと思いたかったが、どうしても、それが一番つじつまが合うんだ」


 ケインが、空をにらむ。

 王子の顔は、いくらか青ざめていた。


「よく、そこまでわかったじゃないか。褒めてやるぞ、ケイン・ランドール」


「えっ……」


 マリスとクレアが、げんなりした顔を、王子に向けた。

 青ざめた王子の顔は、意気消沈していた。


「僕は、ずっと前に、アイリス王女の肖像画をもらった時から、僕の妃に迎えたいと思っていたんだ。今回の訪問では、あちこちの国から、王子たちが来ることも知った。


 ライミアは、どこの国から見ても有益だ。王子も頭脳明晰(ずのうめいせき)と言われている。ガストー公子は非常な美男子で、ダンスも上手いと聞くし、マスカーナ王子は気持ちも優しく、詩を歌う才能に秀でていて、デロスの王子は武道に長けている。


 でも、僕には何もない。このままでは、残りの四カ国と、差がついてしまう。そう思って、この計画を立てたんだ」


 王子の声は、呟くようだった。


「やはりな。最初の事件の時、姫をさらった賊が、ウマで逃走したが、あいつは、自分たちのアジトへ行くでもなく、原っぱへ逃げていった。後になって、冷静に考えてみると、そもそも、あそこでウマが二頭用意されていたのは不自然だったんだ。あれは、あなたが乗るためのウマだったんだな?」


 その時の様子を知らないマリスとクレアは、お互い顔を見合わせる。


 王子は、低いトーンの声で、再び語り始めた。


「いかにも、お前の言う通り、一頭は姫をさらった犯人用で、もう一頭は、追いかけるように僕が乗る予定だったのだ。それなのに、お前が乗っていってしまった。


 二回目の誘拐は、警備の者の中に、お前の姿がないのを確認しておいたにもかかわらず、小姓なんかに化けていたとは……。またしても、王女を助けるという重要な僕の役どころを奪ってしまった!


 あの後、夕食会でも、姫は、お前の話ばかりしていた。二度も助けてくれただの、小姓が実はお前だと知って感動しただの、戦う姿に思わず見蕩(みと)れただの……」


「へぇ、そうだったのか」


 ケインは、頭をかきながら、にやにや笑った。


「照れるんじゃない!」


 王子が、イライラした声で喚いた。


「本当は、そうなるのは、僕のはずだったのに! お前が、僕の計画を潰したんだ!」


 空に映った大きな顔は、地団駄(じだんだ)でも踏んでいるように、小刻みに上下している。


 天を見上げて、マリスが一歩進み出た。


「王子たちの中で、自分が一番見劣りするからって、イジケてないで、堂々としていればいいじゃないの。中身さえ良ければ、下手に小細工しなくたって、女心はゲット出来るものよ」


 それで慰めているつもりなのか、王子に向かって、彼女はつけつけと言っていた。


「それが出来ないから、小細工してるんじゃないか」

「あ、そっか」


 ケインとマリスのやりとりを見て、王子は、ますます地団駄を踏んだ。


「うるさい! 黙れ黙れ! 僕は、貴様らの三バカトリオを見に来たんじゃないや!」


「三バカって……! 私は、何も言ってないじゃないの!」


 クレアが怒り出した。


「うるさい! そいつの仲間は、みんなバカだ!」


「なんですって!?」


「おいおい、変なことでケンカすんなよー」


 ケインが呆れ顔になる。


「まあ、幸い、誰にも怪我はなく、賊も捕えたことだし、そいつらのせいにして、事件の真相は黙っててやってもいい。だから、これからは、正当な方法で、姫の心をつかんでみな。じゃあ」


 ケインは、空に向かって手を振って、歩き出した。

 だが、王子は、それだけでは、気が済むはずもなかった。


「誰が貴様をこのまま返すと思うか? そこは、既に、僕の魔道士の結界の中だ! 貴様らの処分は、彼に任せてある。ケイン、貴様さえいなければ、姫は僕のものだからな!」


「どんな根拠があって、そんなことを言ってるんだか……。それなら、最初から堂々とすればいいだろ?」


 ケインが呆れ果てるが、王子は落ち着きを取り戻し、「それじゃあ、僕はもう眠るとするよ」と言うと、空に浮かんでいた彼の顔が消えていくのと入れ替わりに、黒いフードを被った魔道士の姿が現れた。


 フードの中は影になっていて、三人からはよく見えないが、王子の時とは違い、黒い全身が映し出されている。


 かなりの長身だが、横幅は、あまりない。

 干涸(ひから)びた手のような、茶色の木の杖を持ち、その手には、緑色の大きな宝石の指輪と、銀色のヘビの形をした指輪とが嵌められていた。


「ケイン、この人だわ! あの時、空間の中にいたのは!」


 クレアが叫ぶ。


「やっぱり、そうか! クリストフ王子の雇ったヤミ魔道士……!」


 魔道士は、彼ら三人をゆっくりと見回すと、ピタッと動きを止めた。


「ほほう、これはこれは、珍しいところで、お会いしましたな、ベアトリクス流星軍隊長にして、辺境警備隊長マリス殿」


 魔道士は、低い歓喜の声を上げた。


「た、隊長って、ほんとに……?」


 マリスは、そういうケインをちらっと見ると、微かに笑っただけで、すぐにキッと空を見上げた。


「残念ながら、今はもう隊長じゃないわ。亡命したのは、あなたも知ってるでしょ?」


「それはそれは、存じ上げませんで、失礼致しました。それにしても、よくお化けになられましたな。お若いのに、そのようなお姿とは。てっきり、商売女かと思いましたよ」


 魔道士は、クックッと笑い声を漏らす。


「あなたこそ、出世したじゃないの。王子サマなんかに雇われてさ。ヤミ魔道士グスタフ!」


 マリスが参謀だと思い込んでいた魔道士の名前に、ケインも、クレアも、気を引きしめて、空を見上げる。


「覚えて頂いて光栄です。時に、お連れの魔道士の方は、いかがされたんです?」


「あんたなんかを(あざむ)くために、今回は別行動を取ったのよ。思惑通り、まんまと出てきてくれたわね」


 マリスが勝ち誇ったように言った。

 魔道士は、ほほほと笑った。


「さすがに、勘の鋭いお方だ。この国に、私がいるかも知れないと、最初から踏んでいたというわけですか」


「何者かが呼び出したミドル・モンスターたちが、このエリアで最近増えたって聞くし、行くとこ行くとこに次元の穴が開いてて、モンスターばっかり吹き出してたら、あんたの仕業(しわざ)かも知れないって見当が付いて当然でしょ? あたしがヴァルと離れたら、案の定、こうして、あんたは姿を現したことだしね!」


 マリスが言い放つが、魔道士は一向に動じた様子はない。


「あなたがた二人を同時にお相手するのは、いくら私でも難しいでしょう。しかし、ここは既に私の結界の中。例え、彼のような一流魔道士でも、私に気付かれずに、ここに入ってくるのは難しいでしょうな。となると、私は、魔法を使えないあなたをお相手するだけでいのです。なかなか楽しませてご覧にいれますよ」


 魔道士グスタフは、ケインとクレアなど、まったく眼中にないような口ぶりだった。


「それは、どうも。でもね、あたしも、あんたを、少しは楽しませてあげられるかも知れないわよ」


「ほほう、それは、楽しみですな」


 魔道士は、面白そうな声を上げた。


「そうそう、実は、このような拾い物をしたのですが、見覚えはありませんかな?」


 彼が手のひらを上に向けると、そこに浮かび上がったのは、木でできた小さな(おり)のかごだった。

 かごの中では、ピンク色の小さな妖精が、檻につかまり「出してー! 出してー!」と、叫んでいた。


(ミュミュ……!)


 三人は、声には出さなかった。

 マリスは、顔色も変えずに言った。


「別に、ただの妖精じゃない。珍しくも何ともないわ。あんたも趣味が悪いわねぇ。早く逃がしてあげなさいよ」


 それを聞いたミュミュが、魔道士に向かって叫ぶ。


「だから、ミュミュは知らないって言ったでしょ! あのおねえちゃんとは関係ないんだから、早く出してよおー!」


「そうか、知り合いではなかったか」


 魔道士が、ミュミュと、素知らぬ顔をしているマリスとを見比べた。


「そうだよー! そうだよー! だから、出してー!」


「では、お前には可哀相だが、私の魔獣どもの餌になってもらおう」


「なっ……!」


 三人の顔色が変わった。ミュミュも、ピタッと黙った。


 魔道士の足元に、ぽっかりと黒い穴が開き、そこには、魚を原形とした、様々な動物をかたどり、合成された黒いモンスターたちが、何十匹と口をパクパクさせて、餌を待っていたのだった。


 魔道士は、そこへ、ミュミュをとらえたかごを、近付けていく。


「いやーっ! 助けてー!」


 ミュミュが、わーっと泣き出すと同時に、いたたまれなくなったケインが、一歩踏み出した。


 マリスがケインを手で制してから、諦めたように言った。


「待って、グスタフ! 確かに、その子は、あたしの知っているニンフだわ。だから、こっちへ返して」


「やはり、お知り合いでしたか。いいでしょう。返してあげますよ」


 魔道士は、そこから、かごを放った。


「うわ~ん! 何すんのさ、バカー!」


 泣き叫ぶミュミュの入ったかごは、回転して、落ちていく。


 ケインが、ミュミュを受け止めようと飛び上がると、後ろから何かが追い越し、そのまま空に浮かぶ魔道士に突き刺さったかに見えたが、それは、魔道士の半透明の身体を突き抜けていき、落ちた。


 マリスが短剣を放ったのだった。


「ほっほっほっ、何もしやしませんよ」ヤミ魔道士が笑う。


 ケインが、かごを無事取り返し、着地する。


「危ないじゃないの、マリス! ケインやミュミュに当たったりしたら……!」

「ケインの援護をしただけよ」


 それだけ、マリスはクレアに言うと、すぐに空をにらみつけた。


「本体は、別のところにいるのはわかってるわ。そろそろ出てきたら? あたしと勝負するんじゃなかったの?」


 グスタフは、またクックッと笑った。


「まあまあ、そうお急ぎにならずとも。とりあえず、『彼ら』の(えさ)になっていただいてからにしましょう。おあずけを食らってしまって、『彼ら』も引っ込みがつかなくなってしまったんでね」


 途端に、魔道士の姿は消え、その足元でパクパクしていた黒いモンスターたちの影は本体を表し、そのまま口をパクパクさせながら、天からゆっくりと、なだれ込んだ。


 その口の中には、無数の牙が詰まっていた。


「うわ~ん! 早く出してー!」


 ミュミュが泣き叫ぶ。


「おっと、かごを剣で切ろうとしても、無駄ですよ。そのかごを、無理に破壊しようものなら、中にいる妖精の身は保証出来ません。それと、中にいる間は、妖精の特殊能力は使えませんよ。空間移動や回復の技などを使われては厄介ですからねえ」


 グスタフの声だけが、どこかから聞こえてきていた。


「しかたないわ。クレア、ミュミュをお願い!」


 マリスが、天を見据えたままで言う。

 クレアは、ケインからミュミュのかごを受け取ると、自分の足元に置き、精神を集中させた。


 ケインは、マスター・ソードを構え、マリスを後ろへ庇った。


「お気遣いは無用よ。あたしも戦うわ」


 マリスが、横に並ぶ。


「何言ってるんだ! あんな大量のモンスターたち相手に、素手でなんて、いくらなんでも無茶だ!」


 マリスは、ケインの方を向くと、にこっと笑った。


「剣ならあるわ。ここにね!」


 そう言うと、マリスは、いきなり自分のドレスをふわっと、まくり上げた。


「えっ! な、何する……!?」


 (あらわ)になったマリスの太腿(ふともも)に、思わず、ケインの目は釘付けになった。


 そこには、彼女のロング・ブレードが、細い革のバンドで(くく)りつけられていた。


 ずびっ!

 ずばっ!

 ずしゃあっ!

 どばっ!


 マリスは、とうに、モンスターたちに応戦していた。

 彼女にかっ(さば)かれた黒い肉片が、飛び散る。


 一足遅れたケインも、魔物たちを(さば)きにかかった。


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