第7話 レベルアップ
第7話
「そうか」
天空神は空を飛び、天の国へと帰って行った。数時間後、天川神は目を覚ました。
(此処は・・・?)
気がつくと、天空神の部屋のベッドで寝ていた。見慣れない場所だった。ゆっくり起き上がると、怪我をした天空神が外を眺めて座っていた。
「天空神ちゃん・・・」
「天川神様」
「腕、大丈夫?本当にごめんね。家族があんな事するなんて、思いもしなかった」
「天川神様は悪くない。悪いのは、私達を裏切った天金神です」
天空神は再び外を眺め始める。すると天川神は天空神に近づき、抱きついた。天空神は、そんな天川神を優しく抱きしめる。
「天川神様は良く家へ帰られるんですか?」
天空神は、天川神を見る。
「3、4年に1回くらいかな」
「天川神様にお任せしますが、天金神がいる以上家に帰らないって言うのはどうですか?」
「・・・そうするよ。それに天金神の事で怒らせて本当にごめんね」
「全然良いですよ」
そこでやっと、天空神の怒りに満ちていた表情が、一気にいつもの様に和らいだ。それから2人は天金神に会っても、必要なこと以外は全く話さず、まるで兄弟喧嘩をした様だった。天金神はいつも、家か部屋のどちらかにしかいない。あまり、こっちに来ていない様だ。
(天金神、本当に家に帰ったんだ。まあ、その方が天川神様が困らないし)
天空神は天川神と手を繋ぎながら、視線でキョロキョロと辺りを見渡す。その時だった。
「天川神、天空神」
天様に呼び止められた。2人は一斉に後ろを振り返る。
「はい」
振り返ると、天様が険しい顔をし、天空神と天川神をじっと見つめる。そして口を開く。
「2人とも、めっちゃ仲が良いね。それに、何かあった?」
天川神は俯きながら小さく頷く。
「はい、ありました。僕の家族の事でトラブルがあって」
※天様の前では僕と言います。
「そうか・・・。天空神、ちょっと来て」
「はい」
天空神は心と体でドキドキしながら、天様の後について行った。そして止まる。
「天空神、天川神の家族に攻撃したかい?」
「攻撃と言うか、武器にですね」
「そうか・・・」
少し間を開け、
「レベルは52だ。これからも頑張ってな」
「はい」
(バレなくて良かった)
その言葉を聞いた瞬間、突然の安心感に心犯された。ほっとし、力がむけそうになった。この時点で1つ気になったのは、天様は神の皆んながどこにいるかがわかる力がある。その力については、誰1人からも聞いた事がなかった。
(そもそも皆んな知らないのかな?そんな力があったんだ)
そんな事を考えながら、天空神 は天川神の元へ行く。聞いてみようかと思ったが、やめた。天様の"秘密の力”かもしれない。そして前を向く。其処には、天川神が待っていた。そして戻って来たと言う様な顔をして、こっちを見る。何かが分かった?とでも言いたそうな雰囲気だ。
「天空神ちゃん。話、何だった?」
天川神は天空神をじっと見つめる。
「レベルが上がった話です」
「レベル上がったの?」
「はい。52です」
天川神は|とても驚いた顔をする。
「レベル、どんどん上がってるね。気付いたら天空神ちゃんは俺を抜かすかもしれないね」
「その時にはもう天川神様は立派な王様になってるかもしれませんね」
と笑顔で言う。
「そうだね」
天川神も笑顔で返す。
「これからも全力で頑張ります」
「頑張って!」
「はい」
天空神は元気に言う。
「私、たくさん修行して強くなります」
「強くなってね」
「はい」
(実はね天空神ちゃん。俺はこれ以上、レベルが上がらないんだ。だから俺を抜かして。王様になれるのは、天空神ちゃんしかいない。天空神ちゃんの王様姿、見たいよ。頑張って)
レベルが上がらないのは理由がある。天川神はずっと笑みを浮かべていた。レベルも上がらない神は、他にもいるようだ。
続く




