第16話 人類最強の神
第16話
「実は私は人間で、デイバーが私の力を奪おうとしているんです」
「それ程、君が強いんだね」
「はい」
「確かに、君がデイバーに狙われているのは“人類最強の神”だからってのもあるね」
「私が、人類最強の神?」
天空神は人生で一番驚いた。
「君は見るからに、強い神だからね」
敵はとても羨ましそうに天空神を見る。すると、デイバーが現れた。
「人類最強はこの私だ」
「聞いていたか」
デイバーはニヤリと笑うと、片目からこちらをチラリと見て、大きく頷く。するとデイバーは、天空神の前に行くと、右手を掴んだ。
「天空神、今度は逃さないからな」
デイバーは天空神を強く睨みつけながら、腕を強引に引っ張り、屋敷へ連れて行こうとした。
「天空神ちゃんから手を離せ」
デイバーは立ち止まると、天川神をゆっくり見て、口を開く。
「今回は絶対に、天川神を返さないからな」
そう言うとデイバーは、水晶から出て来た大きな鏡に天空神を連れ込んだ。体が半分鏡の中に入る。
「天川神様」
天空神は手を伸ばす。
「天空神ちゃん」
天川神は全力で走って、手を伸ばした。だが、2人の伸ばした手は指1本すら掴めず、天空神は完全に鏡の中へ入ってしまった。
「天空神ちゃん・・・」
天川神は俯いた。
#「先程の話だが、人類最強なのは君では無く、この私だからな」
(何でデイバーが人類最強なの?)
「また、君が“人類最強の神“だと言いたいなら、その前にこの敵を倒してからだ」
デイバーは天井よりも少し下の方を見る。視線の先には、かなり強そうな敵が待ち構えていた。
「やれ」
「はい」
敵はとても嬉しそうな笑みを浮かべる。驚いて、天空神は後ろを振り返ると、デイバーはもう、部屋にはいなかった。耳を良く済ませると、奥の方で鍵を閉める音が聞こえた。
(閉じ込められた)
天空神は背後にある扉の方を見ていると、敵がゆっくりと歩いて来た。
「久しぶりに神と出会ったな。デイバー様に神と戦うって聞いた時、物凄くワクワクしたぜ」
「そんなに久しぶりなんですか?」
「ああ。神と出会って戦ったのは、12年ぶりだな」
敵は満面の笑みを浮かべるが、真剣な目つきで天空神を見つめ、戦う体制になる。
「まずは俺様からだ」
敵は、天空神にビーム攻撃をする。天空神は敵の攻撃を素早く防御する。
「防御か」
「いでよ召喚獣、最強魔法」
「それ、強いな。だがそんな物は、俺様には効かぬぞ」
(召喚獣の魔法が使えないなら、あれを使うしかない)
「いでよ召喚獣、高温火」
「また同じ攻撃か。何度も見ているし、それ位楽勝さ」
敵はケラケラと笑い、呆れる様に言う。天空神は自分の周りに、マグマの様な温度の沢山の赤い炎をフワフワと浮かせて、敵に近づく。敵は動きを止め、赤い炎をじっと見つめる。赤い炎が、敵に降りかかった。
「熱い、熱いー」
敵は後退りしながら、自分の目を両眼で覆い、大声で叫びながら鋭い目で天空神を見る。
「貴様、良くもやったな」
敵は怒りに満ち、都とも狭い部屋の中を猛スピードで走りながら、天空神に襲いかかった。瞬間、敵の体がバラバラになり、砕ける。
「覚えておけよ、天空神」
敵は最後まで、悲鳴を上げる様に怒鳴りながら灰となって消えていった。
「見事だったな」
天空神は後ろを振り返ると、デイバーがニヤリと笑いながら立っていた
。デイバーは扉を閉め、腕を後ろで組み、お願いをする様な笑顔を見せて、天空神に近づいた。
「その召喚玉、私に見せてくれないか?」
天空神は急いで、召喚玉を自分の背中の後ろに隠す。
「嫌です」
「そんなに私を恐れているのかい?」
天空神は迷う事なく、はっきりと頷いた。
「そうか」
するとデイバーは、天空神に息がかりそうな程の距離で、歩いてやって来た。
「見せてくれたら、命だけは助けてやるぞ」
「それでも嫌です」
天空神はキッパリと答える。
「そうか、せっかく助けてやると言ったのに。まあ良い。なら、これでも食らえ」
デイバーは天空神に攻撃する。
「無駄ですよ。私は、人類最強と呼ばれた神ですから」
続く




