第10話 悪党への恨み
第10話
そんなある日の事。
「天川神。天の国に行ってみる?」
「行ってみたい」
「じゃあ、行こうか」
「うん」
天川神は天海神と手を繋ぎ、初めて天の国へ行った。行ってみると、沢山の神がいた。2人が辺りを見渡していると、
「こんにちは」
と声をかけられた。声をかけたのは天の国の王、天様だ。天様は天川神の前に座り、目を合わせて笑顔で言う。
「こんにちは」
「その人は王様だよ」
「王様?強い?」
「強いよ」
「お母さん。僕もあのカッコ良い王様みたいに強くなりたい!!」
「天の国で修行すると、どんどん強くなって行くんだよ」
「凄い!!僕、頑張る」
「頑張って」
それから天川神は、天の国の色々な事を他の神に教わりながら、毎日修行に励む。その4年後、天金神が天の国へやって来た。天川神は、天金神に修行のやり方を教える。そして2人のレベルもグンと上がる。12歳になるまでずっと、天の国に住み込んでいた。天川神久しぶりに母に会いに行こうと、家に向かう。
「え・・・」
天川神は立ち止まる。目の前に、体のあちこちから血を流した天海神が家の入り口に倒れていた。
「お母さん」
天川神は急いで駆け寄る。そして、天海神の体をそっと揺さぶる。
「うっ・・・」
息がある。天川神は自分の足の裏から感じる、冷たい雪の中で母を背負い、天院に向かう。
※天院とは病院の事。
(何でお母さんが?・・・誰にやられたんだ?)
天川神は、人生で初めて悲しい思いをした。天院に到着。
「しばらくの間、入院です」
院長は、天海神を病室のベッドに寝かせる。天川神は眠る天海神をじっと見つめていた。それから4年間、ずっと天海神に会えていない。
(寂しいな)
でも今は天空神がいる。これ以上、寂しい思いはしたくない。だから守る。
#「お母さんを襲った悪党のデイバーは、調べた結果、神を操り、敵に命令して襲う」
「って事は、今の敵は皆んなデイバーに操られて、命令で天の国に来ているんですね?」
「うん」
「絶対に私達で倒しましょう」
「うん」
次の日。
「天川神様。デイバーの屋敷を見つけました」
「行ってみよう」
「はい」
2人は屋敷に向かう。
「ここが屋敷?」
一瞬、何かの気配を感じた。
「はい。静かに」
天空神は天川神の前で横に腕を伸ばす。目の前に、デイバーの手下、デスがうろついていた。
「これ、被って下さい」
天空神は小声で天星神から借りた、透明マントを渡す。
「うん」
天川神もマントを被る。天空神と天川神は壁の隅に隠れ、壁から見えない様にそっと覗く。
「そこに居るんだろう?隠れても無駄だ」
デスは足音を立てながら、こっちに近づきて来た。デスは壁の目の前で突然ぴたりと止まり、マントを勢い良く剥がす。
(見抜かれた)
その瞬間、70人の神が煙の様な所から出て来た。その煙の様な物は、天星神の魔法の力だ。
「そこまでだ」
天米神が声を上げる。
「デス、もうやめよう」
デスは天米神を見る。
「何で俺の事知ってるの?」
「それは、僕の大切な弟だからだよ」
「弟?何の事?」
「えっ」
デスと天米神は兄弟だった。
「俺には人間の頃の記憶がない。お前もそうだろ?」
デスは天米神を睨む。
「・・・僕はあるよ。人間の頃の記憶がね」
「・・・」
その時だった。デスは近くに居た天空神を見て飛びかかり、襲おうとした。
「誰か弟を止めてくれ」
「オッケー」
70人の神は、一斉にデスに攻撃を仕掛ける。
「倒せる物ならやってみろ」
「消えた」
デスのパワーは、透明化だ。いくら探しても、デスは見つからない。
「誰か何かデスの攻撃が見える様になる方法はないか?」
「デスの攻撃を止めるしかない」
「言ったはずだ。俺は絶対に倒せないと」
引き続き、デスの攻撃が続く。天星神が口を開いた。
「力を合わせよう。皆んな手を繋いで円になって呪文を唱えて」
「はい」
皆んなは手を繋ぎ、円になる。そして一斉に呪文を唱える。その瞬間、皆んなの目の前に大きな白い光が現れ、デスに向ける。デスは大量の光を浴び、眩しくなって目を閉じる。
(消えた?)
デスは辺りを見渡す。
続く




