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魔導師、幼女の手に転生する  作者: りょう改
二章 学園編
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魔導師、学園に通う②

メリーと一緒に重い理事室の扉を開ける。

中を見回すが、ナルヤの姿が見当たらない。

代わりに、大きなとんがった帽子を被った女性が僕らに背を向けて本を読んでいた。

「失礼します…。ナルヤさんに呼ばれて来たんですけど…」

メリーが恐る恐る声をかけると、その女性は長い髪を揺らしてこちらを振り向いた。

「あら、こちらの方が噂の…」

彼女はメリーを見回した後、気だるげに話し始める。

「こんにちは。ご機嫌はいかが。私はリベレスター学園の図書館長を務める、魔導師メル・ポセルと言います。」


彼女が、禁書庫の管理も行なっているという図書館長だろう。

彼女は身長が高く180cm以上はありそうだ。黒紫の髪の毛は膝辺りまで伸びていて、髪の長さだけでもメリーの身長をゆうに越すだろう。目は切れ長だが、目つきが悪いと言う印象は一切なく、美しく見惚れてしまいそうになる。

「ナ、ナルヤさんはいないんですね。」

メリーが尋ねると、メルはため息をつく。

「丁度、騎士団の方で問題があったそうで。そこで私に代理を頼まれたの…」

「なるほど…」

メリーは申し訳なさそうに肩を丸める。

「良いのですよ。聞いた話によると、ライブラリアに入りたいとの事でしょう?ライブラリアに入ったら私とも多く合う事にはなりますからね。」

メリーは目を逸らしながら、頷く。


ナルヤとの話では、メリーは魔導書に興味があるという設定にしている。メルが話しているライブラリアとは図書館の管理員の1人として共に生徒が図書館内で働く事ができるというものだ。そこに入る事が出来れば、禁書庫に入るのだって楽になるだろう。

メルは長い髪を耳にかける。彼女の目が僕らを指すように見つめていた。なんだか僕らのことを、よく思われていないようにも感じる。


「本題に移りますが、リナーヴさんは希望として学びたい事がないとの事でしたので、今回の体験入学は魔法と剣術どちらも授業を受けて頂きます。4ヶ月という短い期間ですが、怠けずに鍛錬してくださいね。」

「はいっ!」

メルはメリーが元気よく答えたのをみて頷く。


「じゃあ次は、私がこの校舎について案内しますね…」

メルはため息をつきながら僕らのことを手招いた。



メルはリベレスター学園を一緒に歩きながら、細かく案内した。

 メルが四六時中居ると言っていた図書館。そこはとても大きい場所で魔導書、小説、絵本などほぼこの世の全ての本が集まっているらしい。

僕らがいつか盗みに行くであろう禁書庫の前は、多くの魔法の痕跡が残っており、簡単には入れないだろう。その上、僕らが禁書庫の近くに行くだけでメルはピリピリとしており、禁書庫に近い本棚に行こうするとライブラリアの人達に摘み出された。

 教室は何百人が入るか分からないほどの広さの部屋がいくつもあった。部屋はいつ魔法が飛んできても、剣が投げられても大丈夫なように全ての壁にガードが張ってあるらしい。

食堂、体育館、訓練場など様々な施設を教えていく中で、最後に寮の前に着いた。


「最後に学園の寮ですね。リナーヴさんはここに泊まる事になるんですよね。」

「はい…」

「荷物は部屋に届いている筈です。分からないことがあったら、先程紹介した学生本部へ連絡してください。では。」

メルは簡潔に説明を終え、帰ろうとする。

「ちょっと、だけ良いですか?」

「はい?」

メリーが引き留めると、歩みを止めた。

「今日は!ありがとうございました!」

メルはメリーの方を静かに見つめた。

「いえ、感謝されるほどでは。今日はナルヤに任されただけです。」

「案内してもらえて良かったです!あっ!そういえばナルヤさん大丈夫ですかね?」

「あぁ…ナルヤですか…なんだか最近モンスターの凶暴化が激しいらしく、その件で招集されているらしいですよ。」

メルは少し口角を上げる。

「それでは…」

メルは指をパチっと鳴らすと、霧のように姿が薄れていく。風が吹き、メルの形が風に溶けていった。

「ま、魔導師さん!あれも魔法なのかな!」

メリーが興奮しながら尋ねる。

「いや、僕は知らないな…500年前は生まれていなかった魔法だろう。」

内心僕もとても気になっていた。僕も彼女の使った魔法が知りたい。ここで魔法について勉強すれば、メルが使った魔法を学べるだろうか。





寮に入って、部屋の扉の前に来てすでに5分は経っている。

「だ、大丈夫かなぁ…」

メリーは、同室の子がいる部屋に入るのに緊張しているようだった。

「勇気が無いなら僕が開けるぞ。」

「うわあ!魔導師さん待って!」

僕はドアの方へ身を乗り出し、金属のドアノブをさわる。手首に力を入れ、開けようとした。


ガコンッ!

メリーは扉に頭をぶつける。扉がこちらに向かって自動的に開いたのだった。

「あ、やば。」

白い髪の少女が口を押さえる。

「ええ!どうしよ、師匠!」

白い髪の少女を師匠と呼ぶ少女が目を見開く。

中にいるメリーと同い年くらいの女の子2人が扉を開ける魔法を使った所だったようだ。

メリーがバタンと言う音を立て、倒れる。

そこで僕も気を失ってしまった。


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