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メリー、ギルドに行く



フラムフィが作った魔法陣に入った後、メリーは光に包まれた。目を開くと、戦場のような場所に立っていた。辺りは真っ黒に焼けていて、息も吸うのが嫌になるような匂いがする。

後ろから音がして、恐る恐る振り向く。

「貴方が精霊さん?」

「フフフッ、そうかも?契約してくれたら貴方の為になぁんでもするわ。」

そう言って笑っているのは、黒く少し赤っぽい、影が覆っている存在。この空間には精霊とメリーしかいない。精霊は話し方は女性のようで、凛とした声に似合わないドロっとした気味の悪い雰囲気を感じる。

「メリー=リナーヴ、私と契約しましょう。」

「え…」

「だって契約をしに、ここにきたのでしょう?」

今まで向けられたことのない、冷徹な眼差しからメリーは自分に向けられている感情があまり良くないものである事に気づいた。

「フ、フラムフィ…早く終わりたい…」

口から言葉が漏れ出たようだった。恐怖から手が震え、目に溜められている涙は今にもこぼれ落ちそうだった。

その影は、少し声を柔らかくする。その厳しい眼差しを変えずに。

「ねぇ、メリー。貴方はログに不信感を持っているでしょう?」

「…?」

メリーは首を傾げる。

「信じれない!って言う気持ちのことよ。貴方は賢いわ。ログが何かを1人で抱え込んでいる事に気づいている。」

「!」

それはメリーが今まで考えないようにしていた事だった。

「メリー。私はなんだってやるわ。ログに貴方の実力を見せてあげましょう。とっても強い貴方を見たらログもメリーに話してあげたくなるわよ。」

「…」

メリーは手を強く握る。

「大丈夫だわ、心配しないで。1年でも良いの。1年間だけ契約しない?」

メリーは俯いて考えた。

コクリと首が縦に振られる。その様子をみた、精霊は笑みを浮かべる。

「フフフッ、アハッ!契約成立ね。私を呼ぶ時には◾︎◾︎◾︎◾︎って言うのよ。」

メリーと契約をした精霊は、高笑いをしながら地面の影へと消えて行った。





「ッ!」

「メリー、どうかしたのか?」

周りを見回すが、何ら変わりのない私のベットだった。窓から見える景色はまだ暗い。

「何か悪い夢でも見ていたのか?」

首を汗がゆっくりとつたる。魔導師さんが言うみたいに怖い夢をみてたと思う。いまだに整わない息が不安を駆らせていた。

「多分。あまり思い出せない…」

「そっか。まだ外も暗いし早く寝た方がいい。明日の鍛錬もあるんだ。」

「うん…魔導師さん。また、怖い夢みたらどうしよう。」

「僕が近くに居るから大丈夫さ。もし、眠れないならすぐ眠れる魔法をかけてあげようか?」

「そんな魔法あるの!」

「パタリと眠れる魔法なんだけど…かかると息も忘れるくらい寝れるんだ。」

「それはちょっと、やめとこうかな…」

残念。と言いながら魔導師さんが本を開く。

横に散乱している本からみて、何か調べ物をしていたようだった。

「魔導師さん何か、私に手伝えることある?」

「…メリーの鍛錬が手伝いなんだ。だから大丈夫だよ。」

モヤっとした感覚が胸をおおう。落ち着いてきた心臓の音がまた聞こえてくる。

私、怖い夢見てまだドキドキしてるのかな。

「…。じゃあ寝るね。」

「うん。おやすみ。」

メリーは付いているライトを背にして横になった。


頭がぼんやりしてきた時、耳元で囁く声が聞こえた。

「ねぇメリー。冒険者ギルドに行くと良いわ。」

「冒険者、ギルド?」

「冒険…者ギルドよ…ログに…良いところを……きっと良い事が…あるわ…」

「冒険者ギルドに…行く…」

耐えきれなくなった瞼がゆっくりと閉じていった。








「私、冒険者ギルドに行きたい。」

 朝からメリーはずっと冒険者ギルドに行きたいと言っている。昨日まで冒険者ギルドなんて話にも出ていなかったのに。夢で何か見たのだろうか?

「ギルドに行って何するんだ?」

「クエストを受けるの。えっと、騎士になる為には幾つかクエストを達成しなくちゃいけなくて、クエストを受けるのは何歳からでもできるから。」

メリーの話では騎士団の入団試験の一つに、中難易度の冒険者ギルドのクエスト達成があるらしい。

「練習ってことか?」

メリーは大げさに首を振る。

「そう!簡単なクエストをやってみたい。」

「まぁ、そう言う事なら…でもいつ行くのかい?」

 メリーは大きなバックパックに防具やお菓子など色々なものを詰め込んでいる。

「明日!」


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