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入替青春日記  作者: 水玉そら
学校の友だち編
6/17

二組の友だち

家庭科の調理実習といえば、班で分かれてそれぞれの役割の仕事をして、最後には皆んなでいただくそれはそれは楽しい授業である。

しかし、料理が下手な奴が集まってしまうとその班は授業のギリギリで完成し、完成品をじっくり味わうことができなくなってしまう。むしろ処理する感覚になってしまう。

それだけは避けなければならない。僕はひかりなんだ。完璧な人気者を演じなければならない。(一応)


というわけで、明日の家庭科の授業を丸暗記した。完璧にやり遂げてみせる!


当日朝、頭の中ではすごくいい感じになっている。


「わぁ。ひかりちゃんすごーい!」

「この班が一番美味しい!」

「今度教えて!」


翔太「いいよ。」


ウハ、ウハハ。


女子「ひかりちゃん。」


ギクっ!


女子「ひかりちゃんは料理得意?」


ふー。焦るな。


翔太「ま、まぁ。得意。」


女子「良かった。うち普段から料理しないから。うちの班は大丈夫だね。」


こちらの女子は金田さんという。僕の前の席で班が同じ。

プリントを後ろに回す度に自分のエピソードトークをしてくるので愛想よくしていたらなぜか友だちになれた。


金田『ねぇね、こないだお父さんがマジウザくて!』

  『ねぇね、こないだコード踏んでスマホ落として壊れたんよ!(壊れてない)』

  『ねぇね、こないだの音楽番組で推しがめっちゃやばくて!』


翔太『あー。そのグループかっこいいよねー。(全くわかってない)』


チャイムが鳴る。


さ、さぁ、次は家庭科だぁ。移動しなきゃぁ。


金田「ひかりちゃん、逆だよ。」


翔太「そ、そういえばそうだったぁねぇ。」


僕の役割は包丁でネギを切る。ただそれだけ。落ち着いてやれば失敗なんてするはずもない。するわけない。するわけ…


金田「ひかりちゃん、ネギで包丁切ってる。」


だぁぁぁ!焦るな!落ち着け!


金田「こうするんだよ。」


手を握られた。やわらかい…じゃなくて!


翔太「だ、大丈夫!わかってるよ!」


金田「さすがひかりちゃん。」


翔太「あはは。」


手の震えが止まらない。

カタカタカタカタ…

包丁も一緒に震えて音が鳴る。


金田「ひかりちゃん。大丈夫?」


翔太「は?へ?大丈夫~だよ~。手汗すごいから手洗ってくるね。」


逃亡成功!いやいや逃げたところで状況は変わらないだろ!どうする?当番変わってもらうか?


無策で班の席に戻った。


翔太「あの…僕雑務を…」


金田さんが近寄ってきてまた手を握られた。


金田「ひかりちゃん、料理あんまりしないでしょ。」


翔太「い、いや!」


金田「わかってるよ。料理できる女の人っていいよね。そういう人がいっぱい男の人からモテるんだろうなぁ。頑張って、私が手持っててあげる。」


危惧していたことが起こった。自分のせいで班の作業時間が長くなった。何をやってるんだ僕は。


「いっそげ~!」

「強火で時短時短!」

「塩コショウは後で個人でかけてもらうからなし!」


金田「できたー!いただきまーす!」


みんながチャーハンを口に入れた瞬間、みんなの心は以心伝心した。


「微妙。」


金田「まぁまぁ、調理実習ってこんなもんでしょ。」


僕の遅延をすべてかばって肯定してくれた。

我ながらいい子を友だちにしたらしい。


ていうかめちゃくちゃ料理上手じゃね?


―――――


金田「ねぇこの後お昼一緒に食べよ。てか全部食べられるかなぁ。お腹いっぱいなんだけど。」


翔太「あー。うん、わかった。」


竜二に言わなきゃ。


翔太「えっと、その前にトイレいい?」


金田「あ、私も行く。」


は?


金田「行こ。」


これはもしや女子特有の連れションとやらか?

竜二に連絡するために時間とったつもりなのに。

とにかく、トイレ行くか。

竜二、ごめん。


僕は竜二に連絡せずに中庭でお昼を食べた。


金田「ねぇ、ひかりちゃんって好きな人いるの?」


ごはんが気管に入った。


翔太「ゲホっゲホ!何急に?!」


金田「料理作ってあげたい人がいるんでしょ。」


めんどくさいことになったな。


翔太「別にいないよ。」


金田「じゃあじゃあ!好みの男子は?」


翔太「あーえーっと…優しい人?」


金田「もうつまんない。あ、今週末遊びに行こ!」


翔太「急だなぁ。」


金田「あ、もしかして予定あった?ごめんね。」


翔太「いや、行くよ。どこ行くの?」


金田「秘密ー。」


翔太「えーー。」


調理実習の後はやっぱりお腹いっぱいだ。途中で食べるのをやめた。


―――――


俺(早川)は屋上に翔太が来なかったので探した。1-2に行ってみた。


早川「桜田さんいますか?」


「金田さんと中庭に行ったよ。」


早川「へぇ。ありがとう。」


邪魔しないほうがいいな。

ぼっちなのでお昼を食べた後教室の机で寝た。




??「いた!」


頬を触られた。


??「おーい。」


早川「いいよ。二組の奴と一緒にいろよ。」


翔太「知ってたの?ごめんね。言いに行こうと思ったんだけど。」


早川「目立つぞ。」


翔太「え?」


俺に他クラスの女子が話しかけているので1-3では目立つ。


早川「今は寝てるから。」


翔太「あー。邪魔してごめん。」


謝らせてしまった。もっと言い方あっただろ。

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