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入替青春日記  作者: 水玉そら
夏祭り編
15/17

善意

今日から二学期、登校中。俺(早川)は特に夏休みの思い出は作れなかった。新島にいっぱい話されるだろうから話す隙がないだろう。というか相手が…


後ろから肩を叩かれた。


林「よっ!」


早川「お、おう。」


林咲。夏祭りで急に接触してきた女子。何が目的かわからないが夏休み中ずっとギターを持った宇宙人のスタンプを送り続けてきた。セリフは「ぼっち」。


林「友だち増えた?」


早川「おかげさまで隣に。」


林「やった。友だち判定。」


会話はそこで止まり、教室まで二人で向かった。


新島「おんや?夏休み中に付き合っちゃった?」


早川「付き合ってない!」


林は前の扉から入ろうとしたが後ろから入ることにした。


—————


女子に適応できてる自分(翔太)が怖い。高校生活のほとんどを女子で過ごして誰にもバレてないのはちょっと傷つく。


金田「ねぇねぇひかりちゃん!私、奈良公園行ってきたんだ!」


スマホの画像を見せてきた。


翔太「鹿だね。」


金田「しか〜。」

  「はいこれ。」


翔太「何これ?」


金田「なんかよくわからん饅頭と、鹿のつのカチューシャ。」


翔太「あ、ありがと。」


—————


俺(健太)はずっと疑問だった。他人に対して何も見返りを求めず、善意だけで行動できるやつなんてこの世にいるのだろうか?


小学生時代、いじめも何も知らない時。俺はなんとなく行かされている学校が不思議だった。身長順に並ばされ、遠足では行動が制限されっぱなし。自由などない。集団生活を強いられるのは別に嫌じゃないが何か自分はただ一部の子どもにすぎない、僕がいなくなったところで悲しむのは家族のみ、社会にとっては米粒にも満たない存在だと思い知らされるのがなんとなくプレッシャーだった。


ある日、俺は給食当番で食器を運んでいた。ペアの子とカゴの端と端を持って教室まで運ぶ。単純な作業…


ガシャン!


ペアの子が手を離したので食器がほとんど割れた。


健太「あ。あぁあ。」


他の当番の子が自慢げに先生に報告しに行った。


「先生!健太のペアが食器割った!」


間違いではない。しかし、やらかしたのはこいつだ。

先生が走ってきた。


先生「大丈夫?怪我してない?」


先生は俺の方を見て言った。


先生「ちゃんと掴んどかないと。」


先生は俺を見ているようで見ていない。だって俺は先生が来た今もカゴを持っている。


先生「なんで私がこんなのやらないといけないわけ?」


小声で何か言った。子どもの前で言っちゃいけないことだ。さっきかけた優しい声は演技?教師としての言葉?やりたくないならやらなければいいのに。俺のせい?いやあいつが手を話した。あいつのせい。


初めて集団生活が嫌いになった。自分のせいでクラスの食器がなくなった。


はあ?


給食自体学校に全振りすぎるんだよ。食器から食糧まで衛生面に気をつけながら大量生産。残したら全部廃棄、先生からは叱られる。ふざけんしゃねぇ!俺は母親のご飯がいい。晩ごはんは全ておいしい。嫌いな物はない。分量も自分にあわせているから残らない。


俺は謝罪の気持ちを少しも持たず、教室の前で謝った。


その日の最後の授業。俺は何も考えていなかった。考えたら負けな気がしてきたからだ。言われたまま黒板に書かれた文章をノートに書いていると、消しゴムを落としてしまった。


健太「ちっ、だるっ。」


拾おうとしたが誰かが自分の消しゴムをとった。そいつは偉そうに渡してきた。黙って受け取ると大人が口を挟んできた。


先生「拾ってもらったらなんて言うの?」


授業が止まった。全員が自分を見ている。拾ったやつは俺が何か言うのを期待している。


待ってんじゃねえよ。


健太「ありがとう。」


大人は何も言わずに授業を再開した。


とりあえずカゴを落とした奴と消しゴムを勝手に拾った奴のノートを水浸しにした。その時の感情はない。ばれないように期間を開けて実行した。そんでもって教室にあるチョークを粉々にした。大人にはばれないように早朝に学校に来てやった。


どうやらこれがいじめらしい。ばれたくないので他の奴にやらせることにした。誰がいいだろう。


?「なぁお前いつも何考えてんの?無表情で。」


健太「ねぇ。これ(ハサミ)であいつの教科書切ってきて。」


?「あいつ?おもしろそうじゃね?」

?「やってみる?」


健太「あと…。」

  「名前健太な?」


?「お、おう。」


―――――


1-3のチャイムが鳴り全員席についた。

俺(早川)はずっと新島に問い詰められていた。もう答えが付き合ってる以外受け付けないくらいにずっと。


新島「先生!席替えしたい!」


ガキかよ。


教師「そうだな。二学期だしするか。」


男子「んじゃんじゃ、俺あっこがいい!」

男子「いや、あっこは俺の席だ!」


教師「はいはい。今日の最後にあみだくじやるから。」


男子「えー。」


教師「この紙に横にずらーっと名前書いといて。」


朝のホームルームが終わると大人数が一斉に教卓のところに行った。俺はあんなところには混ざりたくないので後で書くことにした。

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