夏祭り②
翔太、金田班は無事焼きそばに辿り着き購入した。
翔太「うまそう〜!」
男子「なんか女子が焼きそばとかにがっついてんのかわいいな。」
男子「ギャップがいいよな。」
と、男子二人は呟いたが隣の金田を見てその意見は変わった。
男子「ただし、可愛い子に限るってやつだな。」
金田「てめぇらミンチにされてぇみてぇだなぁ。」
男子「何も言ってないし!」
翔太「ねぇね、これ食べたらあれ行こ!」
翔太が指差した先は金魚すくいの屋台だった。本人は気付いていないがこの四人の中で一番ヒエラルキーの高いところにいる。この声を聞いて断る人間はいない。
三人「かわいい…」
—————
早川、新島班は食べ物を探していた。
新島「男らしいやつ選びたいよな。」
早川「なんだよそれ。」
新島は指差しながら言った。
新島「たこせんとか。」
早川「一例目でそれなの?」
いろいろ言いながらもたこせんを購入した。
早川「人が多いな。」
人口密度が異様だったので二人は移動することにした。屋台の裏が空いていた。
新島「暗くね?」
早川「仕方ねぇだろ。あの中にいたらたこせん落とすぞ。」
新島「それはまずいな!」
早川「何を大声で…」
—————
翔太は金魚すくいがしたいがあまり、誰よりも早く完食した。
翔太「ごちそうさまでした!」
金田「はっや。」
翔太「じゃ金魚すくい行ってきまーす。」
こちらは飛んでいっても止める人がいないパターンだ。
男子「あ、俺も!」
金田「あ!男子のくせに女子と二人きりかよ!」
男子「しつけぇ!」
翔太は一緒に来た男子と勝負することになった。
翔太「僕が勝ったらベビーカステラ奢りね。」
男子「なぬっ!」(今すぐにでも奢りたい)
—————
早川はその様子を遠くから目撃してしまった。非常に混乱してたこせんを食べる手が止まり、呟いた。
早川「なんで楽しそうなんだよ。」
別に何でもいい。翔太が男といようがどうってことはない。いや男だし。別に女子になったからアリだとか思ってないし。
早川「新島。確かに暗いわ。そろそろ花火だし行こ。」
新島「お、おう。」
—————
後から金田ともう一人が翔太に追いついてきた。
金田「早いって。」
翔太「うわっ!びっくりした。あー!破れた!」
男子「よっしゃ俺の勝ち!奢りなし!」
翔太「えー!」
翔太は男子を睨んだが、男子には上目遣いに見えてしまった。頬を赤くして男子は言った。
男子「ま、まぁ。別に奢ってやってもいいけど?」
翔太「え!?マジで!?」
男子「かわいい…」
金田「え?何?付き合ってんの?」
翔太「はぁ!?ないない。」
金田「良かった〜。こいつらはやめとき。」
男子「チャンスが…」
翔太(何こいつ?今チャンスって言った?)
—————
ひかり、花岡班は人混みに揉まれていた。
ひかり「すごい人。」
花岡「ひかりちゃん…。」
花岡は今にも押しつぶされそうになっている。それを見つけたひかりはすぐに花岡の手を掴んだ。すぐに体を寄せ、偶然にも抱きしめる形になった。
ひかり「大丈夫?」
花岡「…。」
ひかり「花岡さん?」
花岡「だいじょうぶ…。」
ひかり「花火、遠くから見よっか。」
花岡「うん。」
何とか人混みを抜け出してベンチに座った。花岡は疲れているのもあったが恥ずかしそうに下を向いていた。
ひかり「水飲む?」
花岡「あ…!いや。翔太くんときすしちゃだめ…。」
ひかり「…ん?なんて?」
花岡はひかりに寄りかかった。
花岡「寄りかかるくらいはいいでしょ。」
すると急にドンと大きな音が鳴った。
ひかり「ほら!花火!」
花岡は寄りかかって顔を隠したまま呟いた。
花岡「近くで見たかったでしょ。」
ひかり「あ…いや、遠くからも綺麗だよ。」
花岡は顔を上げて花火を見た。絶対に近くで見たかっただろうと思うくらい綺麗だった。
花岡「私、音苦手だけどここだったら大丈夫。」
ひかり「そっか。」
—————
ひかりは人混みを避けようと花火が終わってすぐ立ち上がった。
ひかり「早く帰ろ。混むよ。」
花岡「うん。」
帰ろうと河川敷の上を歩いていると花岡は立ち止まった。
ひかり「うん?」
花岡は震えて呼吸が荒くなっていた。
ひかり「大丈夫!?やっぱり水飲んで。」
花岡「ち、中学…い、いじめ…蹴られ…」
ひかり「え?」
花岡が指を差してるように見えたのでひかりが見てみるとそこにはガタイのいい男がいた。
ひかり「蹴られたって、え?」
男「ん?あいつ花岡じゃね?」
?「お?おう、花岡っぽいね。罰金取ってきて。」
見ていると近づいてきたので咄嗟に逃げた。




