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09 賢者レベル1は役立たずなのか

 ボクはミエル、賢者けんじゃになったのに呪文じゅもんがつかえなくて、あせっています。


武闘家ぶとうか みやび

「ミエル、調子ちょうしわるい時もあるさ。

 薬草やくそうを使えばいいさ。」


 ボクは、なぜ、呪文が使えないのかわけが分からなかった。


ミエル こころの声

性魔力せいまりょくのトゥート、トゥベルサ、ベルマイラ、テグトスは、使えるけれど・・・


 いや、そうじゃなくて、


 職業が苦労人だったときでさえ

  魔法使いの呪文 火球かきゅう しょう と

  僧侶の呪文 回復かいふく しょう を

使えたのに!


 賢者になったら使えなくなるなんて、おかしいだろう?』


賢者 ミエル

「みやび、来たばっかりだけど、ギルドにもどろう。」


武闘家 みやび

「それがいいさ。」



 ボクたちは、ギルドに入った。


受付

「ミエルさん、どうされましたか?」


ミエル

「ボクのステータスを見せてくれませんか?

 苦労人のときに使えていた呪文が使えなくなったんです。」


受付

「そうですか?

 水晶玉に手を置いてください。


 冒険者証ギルドプレートを出してください。

 最新の情報を書き込みます。」


 ボクは、ギルドプレートを受付の女性に渡した。


受付

「ミエルさん、いきっていてください。

 いいですか? 気持ちを落ち着けてから、見てくださいね。」


ミエル

「言う通りにしました。

 これでいいですか?」


 ボクは、ギルドプレートを見ておどろいた。


=================


名前: ミエル

職業: 賢者 レベル1

呪文: 魔法使い

 N/A 火球かきゅう しょう

呪文: 僧侶

 N/A 回復かいふく しょう


=================


ミエル

「あのう、N/A という見たことがない文字は、どういう意味いみですか?」


受付

「N/A は、Not Available 利用不可りようふかりゃくです。

 これが、呪文が使えない理由だと思います。」


ミエル

「そんな・・・

 賢者になれて、苦労くろうむくわれたとよろこんでいたのに・・・」


受付

「お気の毒ですが、ギルドではなにもできません。

 お帰りください。」


冒険者ぼうけんしゃ

「おい、聞いたか? 賢者になっても意味ないぜ。」


冒険者B

「苦労人に転職てんしょくしようって言ってたやつにおしえてやれ。」


冒険者C

「ミエルは、やっぱり、ダメダメなのかあ。」



  んだボクは、みやびにかたかれて、宿屋やどやもどった。



未来知見みらいちけんの女神 ミサキ

「わたしが守護しゅごする天祥てんしょうのミエルは、成功せいこうへのただしいみちあるいています。


 それをバカにするとは、思い知るがいい。」


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