09 賢者レベル1は役立たずなのか
ボクはミエル、賢者になったのに呪文がつかえなくて、あせっています。
武闘家 みやび
「ミエル、調子が悪い時もあるさ。
薬草を使えばいいさ。」
ボクは、なぜ、呪文が使えないのか訳が分からなかった。
ミエル こころの声
『性魔力のトゥート、トゥベルサ、ベルマイラ、テグトスは、使えるけれど・・・
いや、そうじゃなくて、
職業が苦労人だったときでさえ
魔法使いの呪文 火球 小 と
僧侶の呪文 回復 小 を
使えたのに!
賢者になったら使えなくなるなんて、おかしいだろう?』
賢者 ミエル
「みやび、来たばっかりだけど、ギルドにもどろう。」
武闘家 みやび
「それがいいさ。」
◇
ボクたちは、ギルドに入った。
受付
「ミエルさん、どうされましたか?」
ミエル
「ボクのステータスを見せてくれませんか?
苦労人のときに使えていた呪文が使えなくなったんです。」
受付
「そうですか?
水晶玉に手を置いてください。
冒険者証を出してください。
最新の情報を書き込みます。」
ボクは、ギルドプレートを受付の女性に渡した。
受付
「ミエルさん、息を吸って吐いてください。
いいですか? 気持ちを落ち着けてから、見てくださいね。」
ミエル
「言う通りにしました。
これでいいですか?」
ボクは、ギルドプレートを見て驚いた。
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名前: ミエル
職業: 賢者 レベル1
呪文: 魔法使い
N/A 火球 小
呪文: 僧侶
N/A 回復 小
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ミエル
「あのう、N/A という見たことがない文字は、どういう意味ですか?」
受付
「N/A は、Not Available 利用不可の略です。
これが、呪文が使えない理由だと思います。」
ミエル
「そんな・・・
賢者になれて、苦労が報われたと喜んでいたのに・・・」
受付
「お気の毒ですが、ギルドではなにもできません。
お帰りください。」
冒険者A
「おい、聞いたか? 賢者になっても意味ないぜ。」
冒険者B
「苦労人に転職しようって言ってたやつに教えてやれ。」
冒険者C
「ミエルは、やっぱり、ダメダメなのかあ。」
落ち込んだボクは、みやびに肩を抱かれて、宿屋に戻った。
◇
未来知見の女神 ミサキ
「わたしが守護する天祥のミエルは、成功への正しい道を歩いています。
それをバカにするとは、思い知るがいい。」