08 賢者になりたいひとが増えてきた
ボクは、苦労人 ミエルだった。
なぜ過去形かというと、賢者になったからだ。
ボクのパーティメンバー みやびも、喜んでくれている。
賢者 ミエル
「これからは、魔法使いと僧侶の呪文が使えるようになると考えると、嬉しくて眠れない気がするよ。」
武闘家 みやび
「大丈夫さ、わたしがグッスリと眠れるように手伝うさ。」
ボクとみやびは、毎日なかよく暮らしている。
◇
ギルドのテーブル
冒険者A
「中級ダンジョンのボスを二人で倒すと、賢者になれるらしい。」
冒険者B
「職業が苦労人しか賢者になれないらしい。」
冒険者C
「苦労人なんて、損するだけの人生だと思っていたのに、予想外だよなあ。」
冒険者D
「いまの職業で、レベル20になったら、苦労人に転職しようかな。」
冒険者E
「賢者になれば、魔法使いと僧侶の呪文が両方つかえて、チートだよなあ。」
多くの人が、賢者ミエルを、うらやましがっていた。
◇
ギルドマスターの部屋
ギルドマスター
「それで、賢者となったミエルは、魔法使いと僧侶の呪文が両方つかえるのか?」
受付
「まだ、わかりません。
ミエルさんは、賢者になってすぐに、ギルドに報告に来られましたから。」
ギルドマスター
「つまり、まだ、賢者としては戦ったことがないのか?」
受付
「その通りです。」
ギルドマスター
「賢者 ミエル の戦闘内容が分かったら、教えてくれ。」
受付
「かしこまりました。」
◇
賢者 ミエル
「みやび、初級者ダンジョンにつきあってくれますか?」
武闘家 みやび
「ミエルは、賢者として、武闘家のわたしと息が合うかを知りたいのさ。」
ミエル
「その通りだよ。
みやびは、やっぱり、頭がいいんじゃないか?」
みやび
「バカのわたしをアタマがいいって言うひとは、ミエルだけさ。」
ミエル
「多くのひとは、初級者ダンジョンなんて面倒くさいって、嫌がるんだよ。」
みやび
「わたしも、いまさらって思うけれど、ミエルが行きたいと思うなら、行った方が良いと思うさ。」
ミエル
「ありがとう、みやび。」
みやび
「どういたしまして。」
◇
ボクとみやびは、初級者ダンジョンに入った。
ミエル
「うん、初級者ダンジョンのモンスターと武器を持って戦う分には、いい感じだね。」
みやび
「それは、良かったさ。
わたしは、ぼーっと立っているだけで、楽だわさ。」
ボクは、銅の剣で、簡単にモンスターを倒していた。
しかし、硬いモンスターには、銅の剣ではダメージをあたえられなかった。
みやび
「おっ、ミエル。 魔法使いの呪文をつかうチャンスさ。」
ミエル
「うん、そうだね。
じゃあ、見ててね。
魔法使いの呪文 火球 小。」
しかし、なにも起こらなかった・・・
ミエル
「あれ、おかしいな?
魔法使いの呪文 火球 小。」
モンスターのツメが、せまってくる。
みやび
「ミエル、どうしたのさ。」
みやびが走ってきて、モンスターを倒してくれた。
しかし、ギリギリのタイミングになったから、みやびはケガをしてしまった。
いつもなら、ボクが簡単に倒していた相手だからだ。
ミエル
「みやび、ありがとう。
僧侶の呪文 回復 小。」
しかし、みやびのケガを治せなかった。
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