79 モンテマニーの紋章と盾
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62 支え合える組織にあるもの
モンテ領の領主モンテフルーツ様が管理していて、150年前から管理はされているが、誰も貸してもらえないという話だった。
屋敷の執事
「旦那様から、あなたたちが来たら、あの家の鍵を貸すように言われています」
今回は、この背景事情が分かる話です。
◇
モンテフルーツ大公爵と呼ぶと怒る白丸は、考えていた。
『最近、領内に外部からのもめごとや犯罪が増えてきたような気がする...』
約150年前に月夜様といっしょに紅丸たちが戦ったときは、他の領地からの侵略戦争だった。しかし、今は、個人の悪党をよそおった形なので、敵の規模が分からない。
などと悩みながら、机の上に置いている【モンテマニー大公爵のころから使われている通信機の記念盾】を眺めていた。
すると、盾から声が聞こえてきた。
「もし、もーし、モンテマニー大公爵の子孫の方、聞こえますか?
ルナです。監察官ルナ、月の夜と書いて、月夜です」
白丸は驚いたと同時に、うれしくなった。
『壊れていたわけでも、ただの飾りだった訳でもなかった。
伝説は本当だった』
「お声が聞けて嬉しく思います。モンテマニー大公爵の子孫の白丸、いいえ、モンテフルーツ大公爵と名乗るべきですね」
※盾の後ろにあるボタンを押さないと、こちらの声が伝わらないと白丸は知らない。
「あれ? おかしいな。 確かに人の気配がするんだけどな」
「ええ、ここにいます。月夜様の声が聞こえています。」
※盾の後ろにあるボタンを押さないと、こちらの声が伝わらないと白丸は知らない。(2回目)
「ルウナ、もしかしたら、今の当主は無口か寡黙か、必要最低限のことしか話さないのかもしれないわ」
「イウラがそう言うなら...じゃあ、続けますね。
モンテマニー大公爵の子孫の方へお願いがあります」
「どうぞ、おっしゃってください。できることなら、協力します。」
※盾の後ろにあるボタンを押さないと、こちらの声が伝わらないと白丸は知らない。(3回目)
「わたしの仲間が応援しているミエルさんたちに、わたしたち4人、いや5人かな。月夜、紅丸、黄庵、青兵衛、理香が住んでいた家を貸してあげて欲しいんだ。お願いできますか?」
「あの伝説の家ですね。誰にも貸さずに大事にしています。鍵さえ渡せばすぐに住めます。問題ありません」
※盾の後ろにあるボタンを押さないと、こちらの声が伝わらないと白丸は知らない。(4回目)
「返事がないから、不安になるけれど。ちゃんと伝わっていますように」
「ルウナは通信機の使い方を知らないの?」
「こっちの小さい盾の使い方しか知らないよお。イウラなら分かるのかな?」
「わたしも分からないわ。じゃあ、どうしようもないわね」
「ご安心ください。ちゃんと伝わっています。了解しました」
※盾の後ろにあるボタンを押さないと、こちらの声が伝わらないと白丸は知らない。(5回目)
「またね」
約150年ぶりの通信が終わった。
白丸は、すぐに、ミエルたちに月夜たちが使っていた家を貸し出す手続きをした。
『姫子を助けてもらった御礼として、ちょうどいいな。
御礼が足りない分は、また考えよう』
白丸は、姫子がモンテマニーの紋章を掲げる姿をもとに、月夜がモンテマニーの紋章を掲げる姿を想像して、嬉しくなっていた。
おとぎ話ではなく、実話だと思ってはいたが、こうして、通信機の盾越しに声を聴けたことで、現実としての感覚が確かになったからだった。
79 モンテマニーの紋章と盾 おわり




