74 私たちは正義の味方ではないのだから
姫子と大地に背中を押されて、正義を名乗る仮面たちの前に立たされた。
白丸
「ど、どうだろうか?
正義を名乗るなら、10対1で戦うことは止めるべきじゃないだろうか?」
白丸の足はガクガクぶるぶると震えていた。
仮面の男たち
「その腰についたカタナは飾りなのか?
弱いのに出てくるお前が悪いんだよ!
おれたちがお前たちに授業をしてやるぜ!」
白丸
「ま、待ってくれ! 話し合おうじゃないか?」
仮面の男たち
「5分だけ待ってやる!
面白い芸でもしたら、見逃してやるぜ!
とは言え、お前たちが壊した車輪の代わりに馬車を支えて走ってもらうがな」
仮面の男たちは、姫子の顔を見ていた。
いや、正確には姫子の後ろを見ていた。
姫子の後ろからは、灯油が入ったコップと火が付いた縄を持った美しい娘が近づいて来ていた。
吉田油屋の娘 こころの声
『わたしよりも美しい女は存在してはならない。
燃えただれた顔を見て、私の前に来たことを後悔するがいい』
娘が後ろから姫子に近づいて、姫子の頭に灯油を掛けようとした。
しかし、姫子は、灯油が掛かる前に、横に避けた。
そして、娘の足を引っかけて転ばせた。
転んだときに手放した火が付いた縄は、大地が拾って、足で踏んで火を消した。
吉田油屋の娘
「うそ、なぜ、気づいたの?」
姫子
「日常茶飯事だからよ。
ああ、むずかしい言葉は知らないわよね。
毎日まいにち、よくあることだからね」
姫子は、娘の顔を平手ではたいた。
なんどもなんども腫れるまで、娘の顔を叩いた。
姫子
「わたしは優しいからね。この程度でゆるしてあげるわね。
大地、縛っておきなさい。
逃げられないように、足の親指をひっかけて置くように」
大地
「ああ、わかったよ」
姫子のニンマリとした笑顔に、大地は娘の末路が分かって、恐ろしくなった。
大地 こころの声
『姫子に手を出そうなんて、この娘もバカなことを。
せっかく見逃してもらえたんだから、静かに過ごせばよかったのに』
そのころ、白丸は、必死で相手を説得していた。
仮面の男たち
「さあ、始めようか?」
仮面の男たちは、縛られていた吉田油屋の娘が連れ出されたことを確認してから、カタナを抜いた。 性格が悪い笑顔を見せて、大勢でひとりをいたぶることに喜びを感じる下卑た笑顔だった。
大地
「姫子、良いのか?」
姫子
「ええ、私たちは正義の味方ではないのだから。
声を出せるようにしてあげたのに、助けを求めなかったバカ娘の自業自得だわ」
大地
「きっと、売られるぞ。あの娘」
姫子
「顔の腫れが引いたら、売り物になるように手加減をしたのだからね。
わたしの顔を焼こうとした敵にかける情けが必要かしら?」
大地
「いいや、地獄で苦しむべきだと思う」
姫子
「大地のことが大好きよ。これからも仲良くしましょうね」
大地
「よろこんで。
話を変えるけれど、白丸の方はもういいんじゃないかな?」
姫子
「ええ、すべての条件が整ったわね」
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