72 剣士としてやむを得ない戦いを覚悟した
明星油屋の親分は、白丸と姫子を温かく迎えてくれた。
親分
「お強い白丸様と、お美しい貴女はお似合いですね。
やはり、一流は一流を呼ぶのですね」
白丸
「そんな風に誉められると照れてしまうな。
こちらの気高く美しい女性は、俺の仲間だ。
ごあいさつを」
姫子
「はじめまして、姫子と申します。
すてきな親分さんに出会えて、うれしいですわ」
姫子を知る者からすれば、ぞーっとするような輝かしい笑顔だった。
白丸 こころの声
『いつもなら、
「他には? 容姿しか取り柄がない美人といっしょにしないで!」
と怒るのだが、
相手が社交辞令として言っているだけだから、聞き流しているのかな?』
親分
「白石白丸様、今回、来てくださった理由は用心棒の件だけではないとうことですか?」
白丸
「ああ、実は・・・」
子分があわてて駆け込んできた。
子分
「親分、てえへんだ!」
親分
「おお、どうした。なにがあった?」
子分
「正義の義賊を名乗る連中が10名ほど来て、店の油を盗もうとしている。
それも、堂々と奪うつもりだ」
親分
「白丸様、姫子様、おふたりの話は後回しにさせてください。
白丸様は、いっしょに来てください。
姫子様は危ないので、隠れていてください」
姫子
「まあ、おそろしい。でも、いっしょに行きます。
白丸様のそばが私にとって、一番安全な場所ですから。」
親分
「それでは、ごいっしょに来てください。
またせたな。いま行くぞ!」
親分は知らせに来た子分といっしょに先に駆けて行った。
白丸
「姫子、どういうことだと思う?」
姫子
「白丸? うれしそうな顔してるわよ。
もう少しなんだから、がまんしなさい」
白丸は、表情を整えた。
白丸
「これでいいか?」
姫子
「上出来よ。 大地も近くまで来ているわ。
だから、時間稼ぎをしなさいね。
名乗りから入りたいのでしょう?」
白丸
「姫子には、お見通しか?
満足できる相手なら良いのだが?」
姫子
「うふふ、そんな心配をする正義の味方はあなたくらいよ」
白丸
「おれは別に正義の味方ではないぞ。
ただ、相手を選ばないと、じいの説教をくらってしまうからな」
姫子
「過程は気にしないわ。 結果良ければすべて良しよ。
さあ、頃合いよ。表情を引き締めなさい」
白丸は、剣士としてやむを得ない戦いを覚悟した表情を作ったのだった。
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