70 安売り禁止で多くの店が助かる
白丸は、大地に、青商売術を説明していた。
白丸
「ここだ。 読み上げるぞ」
白丸は、青商売術を読み上げた。
【販売価格を下げる安売り競争はさせてはいけません】
安売りをゆるしてしまうと、大きい店がひとり勝ちしてしまいます。
安く買えることを民衆は喜ぶでしょう。
浮いたお金で、多くのものを買える。
助かる、うれしいと喜ぶ気持ちは分かります。
しかし、裏を読み取るようにしてください。
今まで、1,000バーシルで売れていた物を、800バーシルで買えるとしたら、市場に回るお金が、200バーシルも減ったことになります。
安く買ったあなたは、200バーシル分だけ、多くの商品を買うことが出来ます。
しかし、商品を200バーシル分だけ安く売った方は、200バーシル分だけ出費を減らさなければなりません。じゃあ、差し引きゼロだから問題ないと思いたくなるでしょうが、そうは行かないのです。
大きな店は、その商品を800バーシルで売っても、利益を出すことができるでしょう。
しかし、小さな店は、1,000バーシルで売ってはじめて利益を出せるのかもしれません。
ということは、小さな店が800バーシルで売れば、赤字になるので損をします。
だから、小さな店は、その商売を辞めてしまいます。
そして、大きな店だけになったとき、その商品を3,000バーシルで売れば大儲けできます。
わたしは性分として、不幸な人が出る商いは嫌いです。
しかし、他の人の幸せまで考える余裕が無いひとが多いのです。
ですから、モンテマニー公爵(当時)にお願いしました。
「ぜったいに、安売り競争はさせないでください」と。
モンテマニー公爵(当時)が、ご理解下さり、わたしの考え方を支持してくださったことは、今でも感謝しています。
[発展問題]
同じ商品を安く売るのがダメでも、同じ値段で良いものを売れば、一人勝ちできるよね?
この考え方を、許しても良いですか?
その通りです。ダメですね。
事実上の安売りだからです。
分かりやすくするために、商品の品質を、上級、中級、下級の3つに分けるとします。
大きい商店は、中級商品を下級商品と同じ値段で売りました。
小さい商店は、中級商品を下級商品と同じ値段で売れば、赤字になって倒産するからです。
この例から分かるように、同じ品質の商品を同じ値段で売るように、権力で強制しなければなりません。
この仕組みがあれば、大きい商店は大きく儲けることができます。
小さい商店も少しは儲けることが出来ます。
少しでも収入があれば生活することができます。
しかし、安売り競争を一度でもゆるせば、儲けがゼロまたはマイナスになって、小さな店は倒産してしまいます。そして、無職になる人が増えます。収入が無くなれば生活できません。
だから、安売り競争は止めなければなりません。
それは、「幸せ半分こ」になっているだろうか?
と、少し立ち止まって考えてくだされば、誰かの幸せを奪っていることに気付いて頂けると信じています。
この領地を治めるモンテマニー公爵(当時)が、わたしのような小さい商人の言葉に耳を傾けてくださるだけでなく、理解してくださる頭の良さと広い度量をお持ちであることを、青兵衛は神に感謝します。
大地
「へえ、青兵衛様は、すごい方なのですね。
そして、この記述があったことを覚えていて、より正確に思い出すために、本を調べていたモンテフルーツ大公爵様の慈悲深さがあることを、神に感謝したくなりました」
白丸
「うむ、そうだな。 青商売術を修めて良かったと心から思っている」
大地 こころの声
『あれ? モンテフルーツ大公爵様と呼んでも怒らないぞ?
白丸様は、こころから、この記述を探したいと思っておられたのだな』
白丸と大地が余韻に浸っていると、姫子が部屋に入って来た。
姫子
「あら、どうしたの? ふたりとも、満ち足りた顔をしているわね」
姫子は、白丸と大地から、何があったのかを聞かされた。
姫子
「なるほどね。
それじゃあ、問題は解決したも、同然ね。
それよりも、その吉田油屋の娘さんは、そんなに美しかったの?
会ってみたいわ」
大地は、くすくすと、腹を抱えて笑った。
大地
「姫子の方が美しいから、誘惑されなかったんだって」
姫子
「ふうん、ねえ、白丸。 聞きたいんだけど?」
白丸
「なんだ? 答えられることなら答えるぞ」
姫子
「わたしを、100点としたら、その娘は何点くらいなの?」
白丸
「うーん、80点、いや、70点くらいだな」
姫子
「まあ、そんなに可愛い子なら、誘惑されたら良かったのに。
わたしを思ってくれるのはうれしいけれど、わたしには大地という相手がいるのだから」
白丸
「容姿が綺麗でも、人柄が信用できない気がしたんだ」
姫子
「人柄がダメならダメね。まあ、良いひとがいたら紹介してあげるから、あせらないでね」
白丸
「姫子のように、才色兼備、容姿端麗、眉目秀麗、頭脳明晰、性格温厚な女性がいたら、紹介してくれ」
姫子
「まかせてよ。 わたしを100点として、80点くらいの娘がいたら、一番最初に白丸に紹介するわ」
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