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みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。  作者: サアロフィア
第8章 モンテフルーツ大公爵の目的

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68 本当の悪と狙いについて

吉田油屋では、店主と娘が話し合っていた。


店主の父

「どうだ? お前の色気で、あの強い剣士様を、こちらに引き込めそうか?」


店主の娘

「安心してよ、問題なく引き込めるわ。

 ワタシの気を引こうとして、気のない振りをする男はそれなりに居たけれど、3回くらい声を掛けてやれば、めろめろになって言いなりになるわ」


店主の父

「それは、こころ強い。頼むぞ」


店主の娘

「ええ、まかせてよ。

 それよりも、この計画が上手く行って、モンテ領の連中が貧乏になったら、色々と買って欲しいものが有るのよ」


店主の父

「ああ、わかっているさ。

 あと3か月もすれば、やつらは油問屋から手を引くだろう。

 そうなって、競争相手がいなくなってから、仕入れ値の3倍の値段で、灯油を売ってやるさ」


店主の娘

「お父さんも悪だねえ」


店主の父

「他人事みたいに言っていないで、よく覚えておけ。

 商売というのはなあ、競合相手をつぶしてから儲けるもんだとな」


店主の娘

「あたしが店を継ぐまでに覚えれば良いでしょ。

 それまでは、遊ばせてよ」


店主の父

「ほどほどにしておけよ」


父は娘に小遣いを渡した。

10万バーシルも渡すなんて、どうやって儲けたんだろう・・・



場所が変わって、ある大物の屋敷


影の大物

「どうだ? 順調か?」


吉田油屋の店主

「ええ、やつらも、あせってますね。

 今日は、ちんぴらを送り込んできました」


影の大物

「ふむ、暴力で解決しようとは、現実的な考え方だな。

 モンテ領のボンボンが、そのような手段に出るとは、驚きだな」


吉田油屋の店主

「いえいえ、明星(みょうじょう)油屋を親玉とする油屋連合の差し金です」


影の大物

「お上がダメなら自衛するしかないか」


吉田油屋の店主

「おっしゃるとおりです。モンテ領のボンボンは城下町しか見ませんからね。

 自分の能力不足をごまかすために、外の町は自治を認めるとか言っています」


影の大物

「物は言いようだな。まあ、この調子で貧乏になって、結婚も出来ない子供も作れない状況が続けば、モンテ領民が滅びる日も近かろう。

 そして、我々の同胞をこの地に呼び寄せて、我らの故郷にしようぞ」


吉田油屋の店主

「この計画が成功した暁には、お約束通り・・・」


影の大物

「もちろんだ。お前をモンテ領の領主に据えてやるぞ」


吉田油屋の店主

「有り難き幸せ」


影の大物

「むっ? 誰だ?」


 影の大物は、天井を槍でついてから、声を出した。


吉田油屋の店主

「時代劇の見過ぎですよ」


影の大物

「かもしれんな。まあ、一度、やってみたかったんだ」


吉田油屋の店主

「気持ちは分かりますが、空いた穴はどうするのですか?」


影の大物

「べつに、どうもしない。

 あと、5回くらいは突いてから修理するかもしれんな」


吉田油屋の店主

「倹約家ですね。ご立派です」


影の大物

「金持ちこそ、ケチなのさ。

 お前も見習うがいい」


吉田油屋の店主

「ご教授ありがとうございます」


ふたりの高笑いする声が、屋敷中にコダマした。


その笑い声を後にして、隠密の大地は屋敷を後にした。


白石白丸の隠密 大地 こころの声

『ふう、モンテ、いや、白丸様の「曲者の気配がする」ごっこに付き合わされた甲斐があったな。

 槍で突かれても良い位置取りをして助かった。


 とにかく、これは、モンテ領の一大事。

 この企みを知ったら、白丸様はきっと・・・


 喜ぶだろうなあ。』


 大地は、白丸の元へと急いだ。


 お読みいただき、ありがとうございます。

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