66 あれ? 悪人だと思ったけれど・・・
白丸
「正義の味方とは?」
親分
「油の仕入れ値に9割の利益を乗せて売ることに反対する吉田油屋を
説得しようとしたら、正義の味方が邪魔しようとしたそうです。
彼らはなにもしていない。くちだけで、強く迫っただけなのにです。
なあ、おまえたち、そう言ったよな?」
3人の荒くれ者たちは、だまっていた。
白丸
「吉田油屋で暴れて、俺にカタナを抜いてきた連中だな。
相手をしたのは、俺だが、くちだけではなかったぞ」
親分は、3人の頭を順番に、はたいて言った。
親分
「おまえたち、また、自分に都合が悪いことは黙って済ますつもりだったのか?」
3人の荒くれ者たちは、だまっていた。
白丸
「初めて会う俺の言葉よりも、付き合いが長い3人の言葉を信じてやったらどうだろうか?」
親分は無表情になって、はーーーーっと、大きなため息をついた。
親分は、3人の荒くれ者たちに向かって言った。
親分
「このようなことは初めてではないな。
俺はな、お前たちを信じたいと思ったから、陰から見ていたんだ?
だれかをケガさせる前に、出て行って止めようとしたら、この剣士がお前たちをあおって、
ゴホン、ゴホン、
話し合いを始めたから、お前たちも冷静になるかと期待したが、カタナを抜いてしまったな。
止める間もなく、気絶させられて、逃げ帰ろうとしたから、走って先回りして待っていたんだ」
荒くれ者A
「おれたちを信じてくれなかったのですか?」
荒くれ者BとC
「そうだ、そうだ!」
親分
「信じたいから、後をつけて、陰から見守っていたんだろうが。
俺の信頼を裏切りやがって。
おまえたちは、普通に話すだけでも、相手は怖がるくらい強いんだ。
あばれたり、手を出す必要がある雑魚のような真似をするな。
それなのに、剣まで抜くとは、やりすぎだ。
反省しろ!」
荒くれ者AとBとC
「すみませんでした」×3
俺はめんどくさそうだから静かに立ち去ろうとしたのだが、
親分に見つかってしまった。
親分
「あなたほどの強さがあれば、3人を教育できます。
わたしたちの用心棒になってくださいませんか?」
白丸
「いや、おれも忙しくてな。 たまに来ることしかできない。
他を当たってくれないか」
親分
「それなら、ご都合が合うときだけ、時給で払います。
いかがでしょうか?」
白丸
「いや、お断りする」
親分
「そこをなんとか?
今日のように、こちらに来られた時だけで良いのです」
おれは、押し切られそうになった。
いや、まだ断る口実がある。
白丸
「俺は、あこぎな商売をする者に関わる気は無い。
9割の利益を乗せることは、やりすぎだ」
親分
「ご納得いただける理由があります。
ついてきてください。
なに、この屋敷のすぐ裏です。
おめえたちも、ついてこい!」
荒くれ者AとBとC
「へい」×3
おや?
どうしたことだろう?
さきほど、あばれた連中とは思えないほど、柔らかい表情になったな。
屋敷の裏に行くと、小さな子供たちが駆け寄ってきた。
子どもたち
「おじちゃん、おにいちゃんたち、来てくれたんだね。
今日のお仕事はまだ終わっていないよね」
荒くれ者AとBとC
「ああ、すぐに仕事に戻る。おまえたちの顔を少し見たくなってな」×3
子ども
「でも、おにいちゃんは、にらめっこが弱すぎるよ!」
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