53 仕事を教える気がないひと
ボクは大賢者ミエル、モンテ領で飯屋を始めるための場所を探している。
ボクは、武闘家みやび、賢者アラン、賢者アリスの4人で、町の食堂街を歩いていた。
中心地から遠ざかるにつれて、店の大きさも小さくなっていったし、外装にお金を賭ける余裕がないからなのか、素朴な見た目の店が目立ってきた。
ある店から怒鳴り声が聞こえてきた。
店員 男A
「まだやってんのか? おそい、遅い、オソイ!」
店員 男B
「ひい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
ぼくたちは、その現場から20メートルは離れているはずなのに、よく聞こえてきた。
ミエル
「あんまりだ。あんないい方しなくてもいいのに」
アラン
「あの後輩が嫌いなのでしょうね。」
アリス
「それか、よほど、とろいか? 慣れていないのか?」
みやび
「ミエル、止めたらダメかな?」
ミエル
「止めたいんだけれど、ここではボクたちはよそ者だ。
よそ者と言うだけで、地元の人ともめたら、悪者にされてしまうよ」
みやび
「そんな、あんなの蹴り1回で黙らせることができるのに」
アリス
「みやび様、それはおやめください。 ああいうひとは、周りが注意してこないという強い立場があるから、あのようにひどいことが許されているのでしょう」
ミエル
「ごめんね、ボクたちの店が上手く行って、地元の人たちを雇ってあげられるくらいになったら、なにかしてあげることが出来るかもしれないけれど、いまは無理だよ。
とりあえずできることは、ここから、離れたところの店を借りることしかないよ」
マーサ こころの声
『みやび、わたしに任せてくれる?』
みやび こころの声
『いい考えがあるのさ?』
マーサ こころの声
『まあね、でも、その前に、ミエルさんたちに、身を守って欲しいとお願いしてくれるかな?
いまからは、しゃべることだけするから、こうげきを避けられなくなるから、ソバで守ってって!』
みやび こころの声
『わかったさ?』
みやび
「ミエル、アラン、アリス、わたしに良い考えがあるさ。
だけど、しゃべることだけで大変だから、攻撃されても避けられないさ。
3人でワタシを守って欲しいさ」
ミエル
「なにか、考えがあるんだね。 話すことで頭がいっぱいだから、動けなくなるんだね」
みやび
「そのとおりさ」
アリス
「みやび様、ご安心ください。
アラン、油断しないでね」
アラン
「ああ、おたがいにな」
みやび
「ありがとうさ。
シフト、マーサ」
つづく
【読者様へ】
あなたの30秒で、この作品にパワーをください。
「ブックマーク」(2点)と、広告下(↓)の【見えない場所】にある「☆☆☆☆☆評価」(2~10点)を待っています。




