51 1番に決めるべきは「値段」
金、土、日で、合計12話分を公開します。
カクヨムの方で先行公開します。
ボクは大賢者ミエル、モンテ領での商売というか生活費を稼ぐための仕事として、飯屋を始めようとしている。武闘家みやび、表向き僧侶の賢者アラン、表向き魔法使いの賢者アリスがいるから、新鮮な魔物の肉料理を出せるということを看板にして、それなりに成功できると思う。
ミエル
「最初に決めたいことは、値段です。2,500バーシルにしたいと思います」
アリス
「おつりの500バーシルを用意することが大変です。だから、3,000バーシルにするべきです」
ミエル
「高すぎないかな?」
アラン
「値上げすることは大変です。それに、少し高いくらいの方が、品の良い客を選ぶことが出来ます」
ミエル
「そうだねえ、みやびはどう思う?」
みやび
「高いとは思うさ。それでも、【情報伝達師ワタセ】のようなひとを近寄らせないことが大事さ」
参考: 第5章 情報伝達師 ざまあ
ミエル
「ありがとう、みやび。あのときは、心配掛けたね。
じゃあ、一食の値段は、3,000バーシルにします。
そして、夜の営業はしません」
アリス
「どうしてかしら?」
ミエル
「夜となると、お酒を出す店に行く人が多いはずです。
健康上の理由で、お酒はお客様にお薦めできないです。
そして、お酒を出す店は、2~3種類のお酒を混ぜあわせる特技を持つ店でない限り、他の店との差はないから、みんな同じようなお酒になります」
アラン
「なるほど、そうですね。地元の方々のお店と競い合うことになると、地元のひとたちの雇用を奪ったといわれそうですね」
アリス
「ああ、そのハンデがあったわね。本当に、よそ者の私たちは不利ね」
みやび
「なんか、ずるいさ」
ミエル
「そうなんだけれど、地元の人が有る程度まで守られるルールは大事だと思う。そうでもないと、よそ者は地元の人に攻撃されてしまうからね」
マーサ こころの声
『地元、つまり生まれ育ったところで、有利な条件でなければ、えーっと、得するというかヒイキされることが無ければ、よそから来た人たちに、もともと住んでいた人たちは負けてしまうからね。
まあ、仕方ないわ。
たとえば、わたしたちが遠くに住んでいる魔物のお魚を、ここの池に放したら、どうなると思う?』
みやび こころの声
『ぜんぶ食べられてしまう』
マーサ こころの声
『だから、ここの領主さま、一番えらいひとは、そうさせないようにしているのよ』
みやび
「わかったさ」
賢者アラン こころの声
『みやび様は、うわさよりも賢いんじゃないだろうか?』
賢者アリス こころの声
『みやび様は、ミエル様の言うことを良く聞いているそうだから、うわさよりも賢くなったんじゃないかな?』
つづく
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