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みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。  作者: サアロフィア
第6章 黒色騎士団 ざまあ

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41 黒色騎士団との闘い

ギルドの警備員たちが緊張した様子で、黒色騎士団と名乗る4人組を取り囲んでいた。

ギルドマスターは涼しい顔をしているように見えたが、うっすらと冷や汗をかいているようだった。

これらの観察結果から、黒色騎士団と名乗る4人組はかなり強そうだ、とギルド内にいる多くの人たちは判断できた。


ラージャー公爵

「まともな話し合いをするためには聞く耳を持ってもらわないとな。 そのためには、こちらの実力を見せつける必要が有るな。 知世、全体を見て指揮を頼む。 美花、なみだを拭いて前を見ろ。泣くのは、身の潔白を証明した後にしてくれ。 武神(ぶしん)は強そうな奴を相手にして、こちらの武威を見せつけてやってくれ。 わたしは、ギルドの警備員たちの隙をついて、ケガさせないように無力化させる。 みんな、油断するな。」


知世、美花

「「はい。」」


武神

「おう。」


ギルドの警備員たちは、慎重に間合いを詰めて黒色騎士団の動きを封じようとした。

しかし、彼らの方が上手だった。 ラージャー公爵は宣言通り、ギルドの警備員たちを無力化した。

実力差を見せつけるためか、ギルドの警備員たちはきれいな顔をしていた。 言い換えるなら、腹部への打撃やカタナの峰打ちだけで意識を刈り取った。


ギルドマスター こころの声

『やるな! 騎士団を名乗るだけのことはある。

 知世の指示で、全員が目を閉じたときに、美花の光る円盤でめくらましを浴びせてきた。 その隙に、ラージャー公爵が警備員たちを倒した。 そして、ワタシを一番強いと評価されて喜ぶべきかもしれないが、武神がワタシを足止めしようとして、成功させた。

 見事な連携だと認めるしかない。』


ラージャー公爵

「どうかな? ギルドマスター殿。 まともな話し合いをする気になったかな?」


ギルドマスター

「まとまな話し合いなら最初からしています。 ただし、あなたが望む答えはお返しできませんね。」


武神

「この実力差を見ても、まだ言うか?」


ラージャー公爵

「やめろ、武神。 あなたが黒色太刀を抜いたら、ギルドマスター殿を殺してしまうからな。」


武神

「ですが。」


ラージャー公爵

「さて、どうしたものか?」


ギルドマスター

「聞く耳を持たないのは、あなたたちの方ですね。」


ギルドマスターは、受付嬢の方を向いて指示をだした。


ギルドマスター

「すまないが、ひとっ走りしてほしい。 この4名様を接客した店員と店長たちをギルドまで連れてきてくれないか? 当事者がいた方が、黒色騎士団の方々も思い出しやすいだろう。」


受付嬢

「行ってきます。」


すると、知世と美花が受付嬢の行方を遮ろうとした。


ギルドマスター

「おや、どうしました。 当事者をお呼びしたら、なにか不都合でもあるのですか?」


知世と美花

「「・・・」」


ふたりは黙ったままだ。


ラージャー公爵

「行かせてやれ。」


知世と美花

「「はい。」」


道をあけた二人だが、切れが悪い返事だった。


ギルドマスター

「さて、警備員たちが倒されて、わたし一人になってしまいました。 4対1は分が悪いので、わたしも秘密兵器の助っ人を呼ぶことにします。」


ラージャー公爵

「まあ、いいだろう。 気が済むようにすればいい。」


なんと、ギルドマスターはミエルとみやびの方を向いたのだった。


ミエル こころの声

『あー、長引きそうだなあ。 【渡日橋】も【三連アーチ大橋】と名前が変わったなあ。元々の名前は忘れられてしまうんだなあ。 本に書いてあった【黒色の3神器】はイラストしか残っていない。

 監察官ルナと仲間たちが砕いたり、ボロ布にしたり、粉々にしたそうだから、黒色騎士団の神器は偽物だよなあ。 あー、早く帰って、みやびと仲良くしたい。」


ミエルは、みやびにわき腹をツンツンされて、飛び上がった。


ミエル

「みやび、くすぐったいよ。」


みやび

「ミエル、さっきからギルドマスターさんが熱い視線をミエルに送っているさ。」


ミエル

「えっ、なんでだろう?」


やっと、ミエルと視線を合わせることができたギルドマスターは安堵のためいきをついた。


ギルドマスター

「当ギルドの秘密兵器、ミエルさんとみやびさん。 さあ、こちらへ。 助っ人をお願いします。」


ミエル

「ボクは、この間のこころの傷が残ってて痛いんだけどなあ。」


みやび

「助けてあげたらいいさ。 貸し3つだぞと言えばいいさ。」


ミエル

「なんでさ、黒色騎士団は4人だろ。 貸しは4つじゃないないか?」


みやび

「4つの貸しのうち、1つはワタシがもらうさ。」


ミエル

「なるほどね。 半分こにしなくていいのかい。」


みやび

「たぶん、わたしの出番はあったとしても、1回だけさ。」


みやびに背中を押されて、ミエルは仕方なく、黒色騎士団の前に出た。


ギルドマスター

「ミエルさん、みやびさん。 助けてください。 お願いします。」


ミエル

「彼らはとても強そうだから、お役に立てそうにありません。」(棒読み)


ギルドマスター

「ミエルさんなら勝てます。 それと、わたしが気を失ったりしたら、後始末もミエルさんにお願いしますね。」


みやび

「ミエルなら、大丈夫さ。 がんばれさ。」


ミエルは、みやびに助けてもらったことを思い出して、引き受けることにした。


ミエル

「みやび、そばにいてね。」


みやび

「もちろんさ。」


ミエルは、黒色騎士団のリーダーであるラージャー公爵に話しかけた。


ミエル

「どうでしょう? 受付嬢さんが帰ってきて話を聞いてからにしませんか?」


ラージャー公爵

「話はもちろん聞くさ。

 待っている間に、こちらの武威をギルドの関係者全員に見せつけておきたい。

 さあ、準備はいいか?」


ミエル

「分かりました。 では、せめて、ひとりずつ掛かってきてくれませんか?」


ラージャー公爵

「ああ、そうしよう。 誰から始める。」


武神

「若様、拙者が武威を見せつければ、先方も納得すると思います。」


ラージャー公爵

「そうだな。頼むとしよう。 あなたのお名前は、ミエル殿だったな。」


ミエル

「そうです。 ミエルと申します。」


武神

「ミエル殿、構えられよ。 拙者が差しているカタナは、かまいたちを飛ばすと言われている。 手加減はするゆえ、顔を守ることをお薦めしよう。」


ミエル

「お心づかい、痛み入ります。」


ミエルは、両腕を横方向に並べて、顔を守る態勢をとった。


武神

「【黒色(ぶらっく)円月刀(さーべる)】」


武神が剣を抜くと宣言した通りに無数の風の刃がミエルに向かって飛んで行った。


ミエル

「【風の刃 中】」


ミエルは、【風の刃 中】で、【黒色(ぶらっく)円月刀(さーべる)】の風の刃を相殺して打ち消した。


武神

「お見事でござる。」


ミエル

「手加減していただいたおかげです。 武神殿が武士道精神あふれる正々堂々とした剣士だから、引き分けになったのです。」


武神

「有り難い言葉でござる。」


武神 こころの声

『ば、ばかな。 手加減するとは言ったが、こちらは全力だぞ。 それを団扇の風が来たくらいに余裕ではないか?』


戦いを見守っていたギルド内のひとたちは歓声を上げた。


ギルドの観客A

「すごい、さすがはミエルだぜ。 無傷で完全勝利だ。」


ギルドの観客B

「そうでもないぞ。 花瓶が割れているし、受付のカウンターも傷ついているぞ。」


ギルドの観客C

「おれたちが怪我して無ければ、上等じゃないか? そうだろう。」





ラージャー公爵

「両者とも天晴(あっぱれ)である。 次は、知世。 頼めるか?」


知世

「はい、若様。 お任せください。」


知世は、ラージャー公爵に一礼してから、ミエルの顔を見て話しだした。


知世

「ミエル殿、すずしい顔を出来るのも今のうちです。 【聖職者(せいしょくしゃ)帽子(ぼうし)】の使用者が呼ぶ天からのいかづちを食らったら、しばらく動けませんよ。 まあ、わたしは人間がギリギリ耐えられる限界の強さと、反応速度を熟知しています。 すこしの間だけ、しびれて動けなくなりますが、命があるように調整してあげます。 配慮をしてもらえることに感謝なさい。」


ミエル

「もちろん、感謝します。 お手柔らかにお願いします。」


知世

「では行きます。 覚悟しなさい。

 天罰よ下れ。 カミナリ落とし。」


ミエル

「天へ突きあげろ、土柱。」


知世が呼んだカミナリは、ミエルが作り上げた土柱が避雷針の役目をはたして、地面に流されていった。


知世

「天罰が落ちなかったということは、あなたはこころが清い良いひとなのでしょう。」


ミエル

「それは、うれしいですね。」


知世 こころの声

『まさか、カミナリを防げるなんて。 信じられない。 彼は神に愛されているとでも言うの?』


知世は冷静を装ってはいたが、不安で仕方なかった。


ミエル こころの声

『カミナリを呼べるなんて、すごいな。 監察官ルナもカミナリを呼べたと本に書かれていた。 あとで、カミナリの呼び方を教えてもらいたいな。』


戦いを見守っていたギルド内のひとたちは歓声を上げた。


ギルドの観客A

「すごい、さすがはミエルだぜ。 なにも起きなかったみたいだ。」


ギルドの観客B

「そうでもないぞ。 おれはなぜか、するどい痛みを感じたぞ。」


ギルドの観客C

「ドアを開けようとして、びっくりするときみたいだったな。」


ナレーション

「みなさんはご存じの【静電気】という知識がない世界みたいです。」





ラージャー公爵

「両者とも天晴(あっぱれ)である。 次は、美花。 気持ちは落ち着いたか?」


美花

「ええ、取り乱して申し訳ありません。 もう大丈夫です。」


美花は、ミエルを睨みつけた。


美花

「わたしの技を受けて見なさい。 もちろん、手加減はしてあげるわ。」


ミエル

「助かります。」


美花

「直接見たら、しばらく目が見えなくなってしまいます。

 出来る限り、目を薄目にするか、下を向いていなさい。」


ミエル

「教えて頂き、ありがとうございます。」


ミエルは、左腕を曲げて横方向にして目の前を隠して、薄目にして下を見ることにした。


美花

「【黒色円盤(ブラックディスク)光装飾(イルミネーション)】」


まばゆい光がミエルを包み込んだ。


ミエル

「【炎の大波 中】」


きらめく炎の大波が鏡のように、まばゆい光を天井に反射させた。


美花

流石(さすが)ね。 この技を返されたのは初めてよ。」


ミエル

「受け方を教えてくださったお陰です。」


美花 こころの声

『な、なんなの、このミエルってひとは、過去の文献に書かれていた監察官ルナ様でも苦戦した【黒色の3神器】を耐えるなんて。 とは言え、私たちの神器は偽物だけど。 それでも、3年がかりで再現した本物に極めて近い神器なのよ。』


ミエル

「この4人のうちの誰かが、文献を見て再現したみたいだなあ。それにしても、素晴らしい成果物だな。 ボクの分も作ってくれないかな? あとで、こっそり頼めないかなあ。」


戦いを見守っていたギルド内のひとたちは歓声を上げた。


ギルドの観客A

「すごい、さすがはミエルだぜ。 また上手くやったみたいだぜ。」


ギルドの観客B

「そうかもしれないが、まぶしい光が出たから、なにも見えなくなったぞ。」


ギルドの観客C

「目を閉じなかったのか? 太陽の光を直接見たら、しばらくなにも見えなくなるようなものだぞ。 しばらく、目を閉じて回復するまで待つしかないぞ。」





ラージャー公爵

「両者とも天晴(あっぱれ)である。 ラストは、私だな。 連戦でも構わないか?

 わたしはカタナで戦うつもりだったが、ミエル殿は丸腰だな。

 武神、わたしのカタナを持っていてくれ。」


武神はカタナを受け取った。


武神

「若様、まさか、殴り合いをするおつもりですか。」


ラージャー公爵

「ああ、そのつもりだ。 だが、安心して良いぞ、ミエル殿。

 首から上にケガはさせないからな。 ゆくぞ。」


ラージャー公爵は、ミエルの腹に中段突きを入れようとしたが、みやびに下段受けで叩き落された。


みやび

「ミエル、殴り合いなら、わたしに任せるさ。 さあ、ラージャー公爵。 わたしが相手さ。」


ラージャー公爵

「女性をなぐることは好きじゃない。 だから、一瞬で終わらせてやろう。」


ラージャー公爵は、慎重に威力を調整して、みやびの腹に一発入れて、気を失ってもらおうとした。

なぐりかかる若様の攻撃は、みやびが下段受け小手投げで撃退した。

そして、投げられたラージャー公爵の腹に、みやびは、止めの突きを決めた。


なお、この攻防は観客からすれば、一瞬の速さだった。


ラージャー公爵

「がはあ。」


ラージャー公爵は、腹を抱えて、うずくまった。


武神

「若様。」


ラージャー公爵は、右手を伸ばして、武神を止めた。


ラージャー公爵

「大事無い。 落ち着け。」


みやび

「女の子の顔をなぐろうとしない良い子さ。」


戦いを見守っていたギルド内のひとたちは歓声を上げた。


ギルドの観客A

「みやびちゃーん。」


ギルドの観客B

「かわいくて強いぞ。」


ギルドの観客C

「パーティを組めばよかった。」


ミエル

「みやび、ありがとう。 助かったよ。」


みやび

「ミエルは、わたしが守るさ。」


ミエル

「うれしいよ。 これからもよろしくね。」


みやび

「もちろんさ。 ミエルはワタシのものさ。」


ミエルとみやびが二人の世界に入ろうとしたところで、問題の店長と店員たちがギルドにやって来た。





黒色騎士団の4人は、店長と店員たちの言い分を聞いていた。


美花

「知世? 1個しか買わないのにオマケしてって、子供みたいなこと言ったの?」


知世

「そういう美花だって、お金が足りないので、また来ますって言えばよかったんじゃない。

 地元の店なら、いたずらで大目に見てくれるでしょうけれど、ここの人からすれば、わたしたちはよそ者なんだからね。」


武神

「二人とも、50歩100歩だぞ。 たいして変わらないぞ。」


知世

「そういう2人だって、似たようなものじゃない。 食べきれなかった分のお金を払いたくないなんて、勝手すぎるわ。」


美花

「そうよ、注文して作ってもらった料理を食べられないから残すなんて、なに考えてるのよ。」


知世

「食べきれない分を持って帰るだけでなく、わたしたちの分を持ち帰りするくらいしてもいいわよね。」


ラージャー公爵

「まあまあ、2人とも、武神を責めないでやってくれ。 わたしもいっしょだったんだから。」


美花

「多めにはらうように言われて、20バーシルだけ多めって恥ずかしいわ。 しかも、公爵なのに初回半額にしてくれってなによ。 2倍くらいにしてはらってやれよ。」


ラージャー公爵

「すみません。」


仲間同士で責め合っている黒色騎士団に、みやびが言い放った。


みやび

「あなたたち、謝る相手がちがうさ。 お店のひとたちに、ごめんなさい、するさ。」


ラージャー公爵、武神、知世、美花

「「「「ごめんなさい。」」」」


お店の人たちは、なんだか許してもいいかなという気持ちになってしまった。


ギルドマスター

「ミエルさん、黒色騎士団のひとたちは、どうしましょうか?」


黒色騎士団の4人は、不安そうな申し訳なさそうな顔で、ミエルを見つめた。


ミエル

「そうですね。 まずは、町の見回りをしてもらいましょうか? そして、お店のひとをこまらせているひとを見つけたら注意してもらいましょう。」


ラージャー公爵

「もちろんだ。 われわれがまいた種だから、責任をもって刈り取らせてもらう。 それで良いな。」


武神、知世、美花

「「「はっ。」」」


ミエル

「それと、4人で迷惑を掛けたお店に行って、あやまって来てください。

 そして、正しい客としてやりなおしてください。」


ラージャー公爵

「というと、どういうことかな。」


ミエル

「知世さんがオマケを強請った店で、オマケを求めずに、4個のパンケーキを買って、ひとり1個ずつ食べてください。」


知世

「わかったわ。そうするわ。」


ミエル

「美花さんは、買いたかった服を正しい金額を払って、買ってください。」


美花

「もしも、まだ残っていて売ってもらえるなら、お願いしたいわ。」


ミエル

「店長さん、お二人にやり直しさせてくれませんか?」


店長たち

「「ああ、構わないよ。」」


ミエル

「ありがとうございます。 では、続けて、ラージャー公爵と武神さん。

 4人で食事をしに行ってください。 今度は食べきれる分だけ注文すること。

 値切ろうとせずに、メニューに書かれた金額を払うこと。」


ラージャー公爵

「わかった。心配しないでくれ。

 店長殿、もう一度、わたしたちを店に入れてくれるか?」


店長

「いいですよ。 でも、今度同じことをやったら、許しませんからね。」


ギルドマスター

「ミエルさん、すばらしいお裁きです。

 では、黒色騎士団の方々、見回りもお願いします。」


ラージャー公爵

「心得た。任せてくれ。」


ギルドマスター

「町全体を見回る依頼をギルドから出す予定でしたから、黒色騎士団に依頼します。

 ただし、ギルドの相場ですから、安くはないですが、高くもないので文句は無しでお願いしますよ。」


ラージャー公爵

「ああ、相場の金額をもらえるならば、感謝する。」


ギルドマスター

「それでは、みなさん、よろしくお願いします。」


みんな

「はい」


その様子を柱の陰から見守っていた人物がいた。


大親分 左近 こころの声

『ミエルは立ち直ったみたいだな。 みやびちゃんも元気で幸せそうだから良しとするか。』





その後、黒色騎士団の4名は言われた通りにした。

その結果、4名の悪い評判はなくなり、町の人たちに受け入れてもらえるようになった。

問題だった【ノワール不敬罪】という言葉を使おうとする【旧ワイダー公爵領】の領民はいなくなった。


しかし、すべて元通りになって、めでたしめでたしとは行かなかった。

上がった物価だけは元に戻らなかった。 【免罪額】という法律がなくなれば戻るかもしれない。





後日、黒色騎士団との闘いを賞賛されたミエルは、みんなに戦いの内容を説明した。


ミエル

「みんなはボクを特別みたいに言うけれど、練習回数が多いだけだよ。

 みんなは10回練習、ボクは100回練習しているだけさ。

 今回の戦いを見て、みんなもできると思ったでしょ。」


ギルドのみんなが反論しなかったので、ミエルは納得してもらえたと嬉しそうだった。


しかし、中威力の呪文を使える魔法使いはふたりにひとりだった。(存在確率 50%) また、地水火風の4元素を1つ使うことが、やっとだった。


ミエルは誰にでもできる御手本を実演したつもりだったが、それでも、多くの人にすれば実現不可能だった。 だから、ギルドの人たちは、嫌味を言われたと感じたのだった。


つづく


【読者様へ】


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