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みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。  作者: サアロフィア
第6章 黒色騎士団 ざまあ

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40 旧ワイダー公爵の領民に支援した結果

「本作はフィクションです。実在の人物、団体、出来事とは一切関係ありません。」 

「架空の文化、歴史を基に構築された設定であり、現実世界のいかなる事象とも関連性はありません」


大賢者ミエルと武闘家みやびは、ギルドの掲示板を見ていた。


昨日までは、貼り紙のない空白が目立っていた掲示板が、今日は新しい依頼用紙でびっしりと埋め尽くされている。重なりすぎて下の方の依頼が見えないほどだ。その周囲には冒険者たちが押し合い、掲示板の前で次々と依頼をチェックしていた。


みやび

「依頼が増えすぎさ。 ミエル、ほら、受付に並ぶひとたちの行列が長すぎるさ。」


ミエル

「お店の中を守って欲しいという依頼が増えすぎたからね。」


==================


依頼内容: 店内警備


【ノワール不敬罪】という言葉を使うひとたちからの護衛。


オマケを要求して、お店が断ると、さわぎ出す人。

小さい金額のお金の上に大きい金額のお金を重ねて、実際より多く支払ったように見せかける人。

飲食店で食べ残した分の代金を払いたくないと言う人。


などなど、お店に損をさせようとするひとを捕まえてください。


店員と店内を守る強さが必要とされる「難しい仕事」です。


注意事項: 自警団の支援は期待できません。


==================


ミエル

「みやび、【ノワール不敬罪】については覚えているよね。」


みやび

「もちろんさ。 昔むかし、大きな橋があったときにはお金持ちだった、黒色が大好きなワイダー公爵のご機嫌を損ねたら、【ノワール不敬罪】という強い言葉を言われて、「もう買ってあげない」と脅されて多くの人が困った話さ。」


ミエル

「大正解だよ、みやび。 1つ目は、昨日、ぼくたちもオマケをくれという女性を見たよね。」


みやび

「うん、1個しか買わないのにオマケしてって言われたら、こまっちゃうさ。」


ミエル

「けれど、依頼を見ると、他にもあったようだね。

 2つ目は、1,000バーシルの上に10,000バーシルを重ねて、10,000バーシルが2枚あるようにカン違いさせようとしたのかもしれない。」


みやび

「お金を払うときは、お店の人が数えやすいように、広げて出すさ。 そんなことはしないと思うさ。」


ミエル

「相手を安心させる心配りができないみたいだね。」


みやび

「食べ残しを払いたくないなら、注文しなければいいさ。」


ミエル

「食べ物を残したらダメという考え方ができないひとたちみたいだね。」


みやび

「したらダメなことが分からないひととは仲良くできないさ。」


ミエル

「だから、依頼が増えたんだろうね。」



ギルド内では、ふざけんな!と怒り出す人たちがいた。


ギルドにいた人 A

「【ノワール貴族】、正しくは、【旧ワイダー公爵領】の方々には【免罪額】が有って、2万バーシル以下の場合は、おとがめなしって、なんなんだよ。」


ギルドにいた人 B

「ワイダー公爵領とモンテマニー公爵の間に有った、【三連アーチ大橋】という大きな橋が落ちてからは、【旧ワイダー公爵領】の人々は一気に貧乏になったから、その支援だってよ。」


ギルドにいた人 C

「【三連アーチ大橋】がなくなってからは、【旧カニング公爵領】を経由して【モンテフルーツ公爵領】に行くことになったから、2回分の入領税の支払いが必要になったからだと言うぜ。」


ギルドにいた人 D

「【旧カニング公爵領】を通ると遠回りになるから、食べ物やなま物を売れなくなって、多くの人が商売できなくなった。 そういう人たちを助けないと犯罪に手を染めてしまうからだって。」


ギルドにいた人 E

「それは良いことだけれど、ズルい奴が盗みをして成功したら大儲けできるって考えて、悪用されてないか?」


ギルドの構成員、メンバーたちの考察は、問題の核心をついていた。


【旧ワイダー公爵領】の出身者は、個人レベルでは、気が優しくて親切で情に厚い好感が持てる存在であった。 だから、いっしょに生活するうえで、なにも問題は無かった。


しかし、つい昨日まで確かに存在した平和が、たった4人が現れたことにより、無くなってしまった。


自警団のお兄さんが、【旧ワイダー公爵領】の出身者を捕まえることができなかったことが町中に知られてしまったことで、お店を経営するひとたちを不安にさせて、今回の大量依頼につながったのだった。





ギルドの受付に出来た長い行列を見ながら、みやびが話しかけてきた 。


武闘家みやび

「ミエル? どうするさ。 私たちも護衛の依頼を受けるさ?」


大賢者ミエル

「いいや、やめておこう。 他の依頼を探そう。」


武闘家みやび

「ミエル? どうしてさ?」


大賢者ミエル

「ボクたちが護衛して、Aさんを捕まえました。 そうなると、自警団のおにいさんが来るよね。」


武闘家みやび

「そうさ。 それでいいさ。」


大賢者ミエル

「もしも、Aさんが【旧ワイダー公爵領】の出身者だったら、自警団のおにいさんは、Aさんを捕まえることができない。

 ということは、何度も何度も、何回も何回も、Aさんは同じことをする。

 そして、ボクたちはAさんを捕まえる。 この繰り返しになる。」


武闘家みやび

「そんなの変さ。 悪いことをしたら捕まえるべきさ。」


大賢者ミエル

「それができないから、ボクたちは依頼したひとを守れないんだ。」


武闘家みやび

「おかしな話さ。 じゃあ、なにもできなくなるさ。」


大賢者ミエル

「その通りだよ。 だから、この依頼は受けたらダメなんだ。」


そんな話をしていると、突然、ギルドの受付前に2人のギルドメンバーが投げ飛ばされた。彼らは高ランクの冒険者らしく屈強な体格をしていたが、傷だらけで動けない様子だった。場内に驚きの声が広がる中、その方向を見やると、黒い衣装に身を包んだ風格ある4人組が現れた。彼らの鋭い眼差しと堂々たる立ち姿に、場の空気が一瞬で張り詰めた。


静まり返るギルド内に、4人組の名乗り口上が響き渡る。


「わたしは、【聖職者(せいしょくしゃ)帽子(ぼうし)】の正統使用者、黒色騎士団 知世(ともよ)。 世界の決まりごとを知っているわ。」


「わたしは、【黒色円盤(ブラックディスク)光装飾(イルミネーション)】の正統使用者、黒色騎士団 美花(みか)。 世界で一番美しい花よ。」


「おれは、【黒色(ぶらっく)円月刀(さーべる)】の正統使用者、黒色騎士団 武神(ぶしん)。武芸の神と名を(とどろ)かせた超一流の剣士である。そして、こちらにおわす御方こそは、【旧ワイダー公爵領】の出身者を守り導く尊き御方、ラージャー公爵であらせられるぞ。」


最後に現れたのは、他の3人を従える堂々たる風格の人物だった。


「ボクの名は、ラージャー公爵。 その名が示す通り、こころが大きい領主である。

 領民の幸せを願う名君である。 ギルドの責任者であるギルドマスターに取り次ぎ願いたい。」


その演出は、いかにも名のある高ランクのパーティーの登場を思わせるものだった。


ミエル こころの声

『わあ、面倒くさそう。 帰りたくなってきた。』


みやびは、ミエルの顔を見た。


みやび

『ミエルは、にらめっこしているような変な顔してる。 なんだか嫌そうさ。

 ああ、ミエルが何も言わないなら、わたしも何も言わない方がいいさ。』


奥から、ギルドマスターがやってきた。


ギルドマスター

「なにか御用ですか? やや、うちのギルドのメンバーに何したんですか?」


ラージャー公爵

「わが領民の権利を侵害するような差別をしたから、お仕置きをしたんだ。」


ギルドマスター

「彼らは、店の依頼をうけて、店の護衛をしていたはずですが?」


ラージャー公爵

「わが領民を店に入らせなかった。 これは、どういうことだ。」


ギルドマスター

「そうなった原因は、あなたたち4人にあります。 身に覚えがありませんか?

 特に、輝く丸い円板の女性がしたことを、ご存じですか?」


輝く丸い円板の女性に、みんなの注目が集まった。


ラージャー公爵

美花(みか)ですか? 美花、なにがあったんだ?」


美花

「お店で買い物しようとしたら、お金が足りなかったので買えなかっただけです。」


ギルドマスター

「それだけですか? ご自分に都合が悪いことは隠し通すおつもりですか?」


美花

「どうして逆切れするんですか? わたしが何をしたというんですか?」


美花は泣きだした。


ラージャー公爵

「美花が何をしたというんだ。 教えてくれないか?」


ギルドマスター

「お店で支払いを誤魔化して、売り物の服を値札よりも安く、だまし買いしようとしたんですよ。」


ラージャー公爵

「それは、本当か? 美花。」


美花

「そんなことしていません。他の誰かと間違えているんじゃないですか?」


ギルドマスター

「輝く丸い円板を覚えているひとは多いです。 言い逃れはできませんよ。」


美花

「ひどいわ。 言いがかりです。 うううう。」


美花は、さらに泣きだした。


ラージャー公爵

「ボクの側近に言いがかりをつけようとするなんて、ゆるせない。

 話し合いで解決しようと思ったボクがバカだった。」


ギルドマスター

「いい加減にしてくださいね。 ギルドメンバー2人に怪我をさせた傷害罪の現行犯で捕まえます。

 警備員のみなさん、お願いします。」


ギルドの警備員たちが、黒色騎士団を名乗る4人組を包囲した。


つづく


【読者様へ】


 あなたの30秒で、この作品にパワーをください。

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