12 賢者になれなかったひとたち
ギルドのテーブル
ミエルがギルドに報告した翌日、ギルドは賢者の話で盛り上がっていた。
冒険者たちの手のひら返しは、すごかった。
冒険者A
「中級ダンジョンのボスを二人で倒すと、賢者になれるらしい。」
冒険者B
「職業が苦労人しか賢者になれないらしい。」
冒険者C
「苦労人なんて、損するだけの人生だと思っていたのに、予想外だよなあ。」
冒険者D
「いまの職業で、レベル20になったら、苦労人に転職しようかな。」
冒険者E
「賢者になれば、魔法使いと僧侶の呪文が両方つかえて、チートだよなあ。」
多くの人が、賢者ミエルを、うらやましがっていた。
◇
ギルドマスターの部屋
ギルドマスター
「賢者となったミエルは、魔法使いと僧侶の呪文が両方つかえるのか?」
受付
「ええ、使えます。
このステータスをご覧ください。」
=================
名前: ミエル
職業: 賢者 レベル22
呪文: 魔法使い
火球 小~大
氷の矢 小~大
呪文: 僧侶
回復 小~大
治療
毒、麻痺、混乱、精神疲労
見えない刃 小~大
=================
ギルドマスター
「これは、すごいな。
それで、ほかの冒険者も、賢者になれそうか?」
受付
「分かりません。
とにかく、ミエルさんのまねをするものが増えていますので、そのうち分かるでしょう。」
ギルドマスター
「結果が楽しみだな。」
◇
20日後
ギルドのテーブル
冒険者A
「賢者になれたという話は、あまり聞かないな。」
冒険者B
「賢者になる方法を隠したいのかもな。」
冒険者C
「それとも、めったに成功しないのか、どっちだろうな?」
◇
ギルドマスターの部屋
ギルドマスター
「賢者になるには、男女のカップルであることも条件になるのか?」
受付
「それが、そうでもないのです。」
ギルドマスター
「というと?」
受付
「男女のカップルから賢者が出る場合と出ない場合の両方があるのです。
つまり、それだけでは足りないようです。」
ギルドマスター
「なにが足りないんだろうな?」
受付
「カップルの親密さ。
つまり、関係の深さと思いましたが、そうでもないようです。」
ギルドマスター
「とすると、運の要素もあるのかもしれないな。」
受付
「おっしゃるとおりです。」
◇
賢者になれる確率は、10組のカップルに1組以下だった。
ミエルとみやびは、数少ない成功例の1組だった。
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