10 賢者はレベル22で花が咲く
ボクはミエル、いま、みやびに慰めてもらっている。
武闘家 みやび
「ミエルは、どうしたいのさ。」
賢者 ミエル
「そうだね。
レベル30までレベルアップしたい。
それでもダメなら、他の職業に転職するよ。」
みやび
「わたしは、ミエルといっしょにいるさ。」
ミエル
「ありがとう、みやび。」
◇
初級者ダンジョンで戦い続けた結果、ボクは、賢者 レベル5になった。
ミエル
「みやび、呪文が使えるようになったよ。」
みやび
「良かったさ。 ミエル。」
ようやく、レベル1の魔法が使えるようになった。
魔法使いの呪文 火球 小 と
僧侶の呪文 回復 小 を
使えるだけでも、ありがたい。
ミエル
「でも、このことは、ギルドには言いたくないんだ。」
みやび
「どうしてさ。」
ミエル
「きっと、
賢者って、時間のムダづかいですね!
って、
バカにされる気がするんだ。」
みやび
「ミエルが、そう思うなら、そうすればいいさ。」
ミエル
「ありがとう、みやび。」
◇
みやびのおかげで、中級ダンジョンでも戦えるまで回復した。
ボクがレベル10になったとき、レベル5の魔法使いと僧侶の呪文を使えるようになった。
みやび
「食べるだけなら、大丈夫さ。」
みやびは、ボクが食費をギリギリ稼げる強さを取り戻したことを喜んでくれたのだ。
ミエル
「ありがとう、みやび。」
ボクは、自分の情けなさに泣きたくなった。
◇
みやびは、文句ひとつ言わずに、ボクといっしょに戦ってくれた。
そのおかげで、ボクがレベル20になったとき、レベル10の魔法使いと僧侶の呪文を使えるようになった。
みやび
「少しずつでも呪文が使えるならいいさ。
わたしは、ミエルといっしょなら、しあわせさ。」
ミエル
「みやびはボクの希望の光だよ。」
◇
その夜、ボクは、夢を見た。
未来知見の女神 ミサキ
「わたしが守護するミエル、聞こえますか?
あと少しです。
このまま続けて、がんばってくださいね。」
ミエル
「だれですか?
そうすれば、成功しますか?」
女神 ミサキ
「もちろんです。」
ミエル
「ありがとう。」
みやび
「ミエル、だれと話しているさ。
寝言かあ、心配しなくても、そばにいるさ。」
女神 ミサキ
「みやび、あと少しであなたに報いることができます。
どうか、ミエルをお願いします。」
みやび
「ムクいる?って、イヌを探していますか?」
女神 ミサキ
「ミエルといっしょで良かったと思える日が来ると言う意味です。」
みやび
「あといくつ寝たらいいさ?」
女神 ミサキ
「ふたつです。」
みやび
「わかったさ。
ミエルのことは大好きさ。」
女神 ミサキ
「あなたは、本当に可愛いですね。
学力が低いことを気にしているようですが、あなたは賢いと思いますよ。」
みやび
「あなたは、ミエルのお姉さんかなあ?」
女神 ミサキ
「そんなものです。」
◇
翌朝
ミエル
「みやび、今日も中級ダンジョンにつきあって欲しい。」
みやび
「わかったさ、ふたつ寝たら、いいことあるさ。」
ミエル
「はげましてくれて、ありがとう。」
◇
2日後、ボクは、レベル22になった。
そのとき、やさしい声を聞いた。
みやびも聞こえたそうだ。
女神 ミサキ
「ミエル、おめでとう。
みやび、ありがとう。
賢者はレベル22で花が咲きます。
よくここまで、がんばり続けましたね。」
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