サウナーと第一村人
石塚蓮 イシヅカレン (15歳)LV2
HP15
MP15
力10
守10
賢10
速10
技10
スキル
ヘファイストスの加護(言語理解 読み書き クラフト 収納)
サウナーLv1
(任意の場所へサウナストーンを数個落とす)
この世界の平凡な人のステータスは10 から20
凄い力持ちで90
王国の兵士で150から200のステータス
主人公は平均より低め。
若返った顔は前世より良い顔立ちになっている。
第3話 サウナーと第一村人
ゴブリンの体が光の粒となって消えたあと、地面に小さな石が転がった。
キラリと妖しく、紫色の光を放っている。
『これが……魔石ってやつか?』
蓮がそれを手に取ると、魔石は一瞬まばゆく発光した。
次の瞬間、光は蓮の体の中へと吸い込まれていく。
そして魔石だったものは、サラサラと砂のように崩れ、指の間から地面へこぼれ落ちた。
同時に、体の奥から力が湧いてくるような感覚があった。
『これは、いわゆるレベルアップってやつか……?』
首をかしげながら、蓮はステータスを確認する。
『ステータスオープン』
目の前に、半透明の板が浮かび上がった。
⸻
石塚蓮 イシヅカレン 15歳 LV2
HP15
MP15
力10
守10
賢10
速10
技10
スキル
ヘファイストスの加護
言語理解
読み書き
クラフト
収納
サウナーLv1
任意の場所へサウナストーンを数個落とす
⸻
『本当にレベル上がってる……』
どうやらこの世界では、ゴブリンなどの魔物を倒し、魔石から魔力を取り入れることで、自らを強化していく仕組みらしい。
ただし、スキル欄に目をやると、サウナーはLv1のままだった。
『なるほど。身体のレベルとスキルレベルは別なのか』
少しだけ、この世界の仕組みがわかった気がした。
だが、そんなことを考えているうちに、空が少しずつ赤く染まり始めていることに気づく。
日が傾いてきていた。
『まずいな……』
完全に日が落ちれば、視界は悪くなる。
もしまた魔物に襲われたら、今度こそ危ない。
なんとか森を抜けなければならない。
蓮は、木の根が地面を這うように伸びた道を、慎重に歩き始めた。
しばらく進むと、川を見つけた。
さらさらと流れる水の音が、静かな森の中に響いている。
緊張と、未知の魔物との戦い。
そのせいで、疲れも喉の渇きも忘れていたようだ。
蓮は川辺に膝をつき、水をすくった。
『流れている川の水は、比較的きれいだって……前世で見たYouTuberが言ってた気がする』
本当に信じていいのかはわからない。
だが、今はそれどころではなかった。
蓮はゴクゴクと音を立てて水を飲む。
冷たい水が喉を通り、体の奥へ染み込んでいく。
『はぁ……生き返る……』
息をするのも忘れていたのではないかと思うほど、体は水を求めていた。
この川沿いを歩けば、人里にたどり着けるかもしれない。
蓮はそう考え、再び川に沿って歩き出した。
一時間ほど歩いただろうか。
川は緩やかに下っている。
どうやらここは、山の中らしい。
その時だった。
茂みの奥から、かすかに声が聞こえた。
蓮は足を止める。
人の声だ。
音を立てないように、ゆっくりと声の方へ近づいていく。
「この薬草を村に持って帰らなきゃいけないの……。どうか見逃してください……。神様、どうかお願いします。助けてください……」
茂みの奥にいたのは、小さな女の子だった。
歳の頃は、七歳から九歳くらいだろうか。
華奢な体。
大きな瞳。
小さな手には、薬草らしき草が握られている。
その女の子を、小さな狼のような魔物が三体、取り囲んでいた。
今にも少女へ飛びかかろうとする姿は十分に恐ろしい。
考えるより先に、体が動いていた。
『サウナ!』
蓮が叫ぶと、小さな狼型の魔物たちの頭上に魔法陣が浮かび上がる。
次の瞬間、真っ赤に熱せられたサウナストーンが、魔物たち目がけて落下した。
ジュッ。
嫌な音がした。
熱された石が魔物に直撃し、白い煙が上がる。
一瞬、鼻をつくような嫌な匂いが立ち込めた。
狼型の魔物たちは短い悲鳴を上げると、ゴブリンと同じように光の粒となって消えた。
あとには三つの魔石だけが残る。
『……助かった、のか?』
蓮は息を吐いた。
突然現れた見知らぬ男に、女の子は怯えた様子でこちらを見ている。
無理もない。
いきなり茂みから現れて、空から真っ赤な石を落としたのだ。
怖がられて当然である。
蓮はできるだけ敵意がないように両手を上げた。
『大丈夫。怪我はない?』
女の子は少しだけ震えながらも、こくりと頷いた。
その間に、蓮は地面に落ちた魔石へ手を伸ばした。
三つのうち二つは、触れた瞬間に光となって体の中へ吸い込まれていく。
だが、一つだけは消えずに手のひらの上に残った。
『あれ? これは吸収されないのか?』
不思議に思いながら、蓮は試しに収納を念じた。
すると小さな魔法陣が現れ、残った魔石はその中へ吸い込まれていった。
『なるほど。全部がその場で体に入るわけじゃないのか』
どうやら、魔石の一部は体に取り込まれ、残ったものは収納できるらしい。
蓮はもう一度ステータスを確認したが、レベルは上がっていなかった。
『三体倒しても上がらないのか。やっぱり魔物の強さとか、必要量があるんだな』
そう考えていると、女の子が恐る恐る口を開いた。
「お兄さん、この山の上から来たの?」
久しぶりの人との会話だった。
蓮は一瞬、言葉に詰まる。
『え? あ、そうだけど……』
かなり挙動不審だったと思う。
女の子はじっと蓮を見つめる。
「もしかして、魔法使い様ですか? 今、真っ赤な火の玉を飛ばして……」
『いや、火の玉というか……』
真っ赤なサウナストーンを落としただけである。
だが、説明しても伝わる気がしない。
この世界では、魔法使いと言っておいた方が自然なのかもしれない。
蓮は曖昧に笑って、話を変えることにした。
『君は、どうしてこんな所に?』
女の子は少し迷ったあと、ぽつぽつと話し始めた。
彼女の名前は、イル。
この山を下ったところにある村に住んでいるらしい。
病にかかってしまった家族のために、危険を承知で山に咲く薬草を取りに来ていたのだという。
『病気の家族のために、一人で……』
蓮はイルの小さな手を見る。
そこには、泥と細かな傷がついていた。
毎日こうして山に入っているのかもしれない。
そして、蓮は別のことにも気づいていた。
村。
この世界を知るためにも、人がいる場所へ行く必要がある。
食料も、寝床も、情報もない。
このまま森で夜を迎えるのは危険すぎる。
蓮はイルの目線に合わせるように、少し腰を落とした。
『イル』
「はい」
『この辺りには危険な魔物もいる。俺も、まだこの土地のことがよくわからない』
イルは不思議そうに蓮を見つめた。
蓮は少し迷ったが、正直に言うことにした。
『俺を、一緒に村まで連れていってくれないか?』
イルは目を丸くした。
「魔法使い様なのに、道がわからないんですか?」
『……山の上から来たばかりだからな』
嘘ではない。
少なくとも、山の上の方から来たのは事実だ。
イルはしばらく考えたあと、小さく頷いた。
「わかりました。助けてくれたお礼です。村まで案内します」
『ありがとう。助かる』
蓮は心からそう言った。
するとイルは、少しだけ表情を和らげた。
「でも、暗くなる前に急がないといけません。夜になると、もっと怖い魔物が出ます」
『それは困るな』
「こっちです」
イルは薬草を大事そうに抱え直すと、迷いのない足取りで歩き出した。
蓮はその小さな背中を追いかける。
森の中には、まだ夕暮れの赤い光が残っていた。
異世界に来て初めて出会った人間。
それは、病気の家族を助けるために山へ入っていた、小さな村の少女だった。
この出会いが
自分のサウナーという奇妙なスキルの本当の意味へと繋がっていくことはまた別の話で
イル 8歳 村人
髪は金色で、大きな目、とても可愛らしい少女
体は痩せていてとても8歳にはみえないくらい
小さい。
喋り方はハキハキしてしっかりもののようだ




