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残り2話を投稿し忘れていたので投稿します。
目を覚ますとそこは薬品の匂いが漂う、窓から陽光の差し込む部屋だった。部屋は白やらピンクやら、兎に角女の子らしい色で構成されている。張り紙には肘あたりを摩っている女の子のイラストと共に『怪我に注意!』と書かれている。
で、シャーロット、お前はいつまで寝たふりをしているつもりだ。
「……なんだ。気づいていたの。ちょっとは心配してくれてもいいのに」
お前をか?一体どうやって。
「あなた、乙女に向かってそんなこと言うなんて最低ね」
本当に乙女だったらいいな。
「ちょっと、どういうことよ」
いや、なんでもない。ところで、あの大男はどうだった?
「ああ、あいつね。余裕そうな表情を崩すどころか笑みを湛えていたわ」
ほう。
「それで調べてみたのだけれど、あの人、前職はS級冒険者をやっていたらしいわね。どうやらアルのお父さんに共感して教官になったみたいよ」
へぇ。道理で。ところでお前、いつその情報を手に入れたんだ?
「いつって?」
いや、ほら、お前も気絶していたわけだろ?
「あ、あー、そうね、前にあの人を調べたことがあって今思い出したってわけよ」
ん?本当か?
「ほ、本当よ。嘘つく必要ないじゃない」
……まあいいが。ところであの馬鹿は?
「ああ、マイケルね。あいつなら先に帰って行ったわ」
ん?
「ん?」
なんでこいつは先に帰って行ったことを知っているんだ?だってこいつは気絶していたはずで――
「あ、あー、先に帰って行ったと思うわ」
ああ、そうか。
そうだよな。一瞬シャーロットが俺と一緒にいたいから起きてもわざと寝ていたと思ってしまったが、そんなはずないからな。俺は帰りの支度をする。時間を見ると疾うに下校時間を過ぎていた。
「ま、まあ今日は私も丁度さっき起きたし、仕方ないから一緒に帰ってあげるわ」
なんで上から目線なんですかね。
「こ、公爵家だもの」
そんなことを言ったら俺は王族なんですがね。
「ふ、ふん!そんなことは知らないわ!」
知らない?知らないとはどういうことだ?
そこで俺ははたと気づいてしまった。
若しかしたらリリー家は王国の転覆を狙っているのではないか。シャーロットの想い他人は王族に関心を寄せているはずで、シャーロットの『王族は自分経由が近道』作戦が失敗に終わり、最終手段として国家転覆を狙っているのではないか。
なるほど。一理ある。俺だってシャーロットの恋は成就してほしいし、国王なんて興味ない。しかも、シャーロットほど頭が切れれば王政も安泰だろう。ただ、ただ一つの懸念点としては――
それが俺の親父の禿げを進める促進剤とならなければいいのだが。




