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彼岸の函庭  作者: 陰禰子奈壽美
1章"出会い"
1/1

プロローグ

「危ない!」


兄の声が聞こえて、横から覗く大きな影に気がつく。横を向くと、信号無視の大型トラックがこちらに突っ込んで来ていた。

トラックと接触する寸前、兄が私を押す。そこからの惨劇は、あまり覚えていない。




生温い感覚。下半身の感覚がない。意識が霞んで前がよく見えない。


手。


これは、兄の手だ。


「おに、ちゃ、」


呼んでも返事はない。

周りが騒がしい気がするけど、音が遠くてよくわからない。


頭が、まわらない。

これで死ぬ、そう悟った。


せめて、最期は、



兄と、一緒に。



手を伸ばす。

兄の手がそこにあるのに、届かない。



____届いて。届いて。お願い、届いて。



そんな想いは虚しく、

私はとうとう、力尽きた。

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