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1話 最終イベント世界

 とある日曜日会社員の 安田翔 は、体感型VRMMO(仮想現実大規模多人数同時参加型オンラインゲーム) ダイオアデッドのサービスが終了する(ゲームの運営が停止する)ことを知る。

「あーとうとうサービス終了の日が決まったのか」

長年寝る間も惜しんで多くの時間を費やしやり込んだゲームだけにショックが大きい。


秘密の告知 

 ダイオアデッドをご利用いただきありがとうございます。ダイオアデッドのサービス終了に伴い 4月4日 より最終イベントを行います。最終イベントは選ばれた者のみ参加可能となります。

 最終イベント参加の仕方について

 ダイオアデッドの最終イベントに参加する意思をお持ちの方はこちらから必要事項を記入の上同意のボタンを押してください。現実世界で 4を迎える ことが条件となります。

 尚この告知内容については一切他言無用でお願いいたします。スイッターやSMSなどインターネットを介し情報を拡散しようとした場合も含め、秘密の告知の内容を他人に伝える行為、同意に沿わない行為、不正な行為が発覚した場合罰が下されます。


「4を迎える、何だこれ?ああ直前に4月4日より最終イベントを行うって書いてるな。4を迎えるつまり4日になればできるということか。他言無用がどうのこうのと書いてるが告知は知られてこそ意味あるものだろう。この告知がどんな人を対象としたものか知らないがネタとして面白がって拡散する人もいるだろうな。今日は4月1日だしエイプリルフールのいたずらのせんもあるか?」

 とりあえず最終イベントに参加する意思はある。細かい文字で書かれた長文の規約を何十ページも読むのは大変すぎる。

読むの大変だし・・ものは試しだ。ログインIDパスワード他、必要事項を記入してOKボタンを押す。


 数日後休みの日の朝、ダイオアデッドの最後のイベントクエストに参加するため専用コンソールの電源を入れログインしようとした。しかしログインできずゲームをプレイできないことを知る。「くそー、プレイできない」

 安田翔はログインできず時間を持て余してしまう。仕方がないのでテレビでも見ることにした。チャンネルをまわしていると、ニュース 原因不明の遺体が発見される事件が相次いでいます。

(まさか……な)


 「最後のイベントに参加できない、こんな形で終わるとはなぁ」

ダイオアデッドの思い出を振り返る。

ダイオアデッドの特徴は専用コンソールを利用することで、仮想現実の世界で現実世界にいるかのように遊べることだ。

 良かったところはリアルなキャラクター、世界観、システムなど簡単に語りつくせないが没入感がすごく現実世界にはない興奮が味わえたことだ。

 見たことのない世界を旅し、スキルや魔法を駆使しボスと戦い、レアアイテム、レアドロップを手に入れる。武器や防具に付与を行い強化を図ることも可能だ。

転職システムもあり様々な職業になれる。

 トップクラスのギルドに所属していたが、自分以外のギルドの仲間はリアルが忙しかったり飽きて他のゲームに移行したりですでに皆引退済みだ。他のギルドも過疎化が進みプレイする人はほぼいない状態だった。

 ギルドの仲間にもいろいろな人がいたな。

 薬の調合に特化しより多くの体力を回復するポーションや万能薬などを作成していた メディカマン

メディカマンに負けず私も調合はかなりやり込んだな。

 武器の生産を好みより良い武器を作ることに専念していた アームズ

 防具の生産を好みより良い防具を作ることに専念していた シオン

 戦闘スキルを捨て器用さや運を高め装備品への付与に専念していた フヨタケ


 他にも財産ゴールドに固執し億万長者を目指す者、レベルやスキル装備にこだわり最強のプレイヤーを目指す者、気のあう仲間とギルドでのんびり過ごす者、対人戦を極める者。

 特定の条件下でPVP(プレイヤー対プレイヤー)が行え、鍛え上げたキャラクターを駆使し相手をほふることもできる。本当楽しいゲームだった。


 (全て終わったのだな)

「とりあえず天気は良いし外食でもするか」

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