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アイしアイされ  作者: エイ
6/29

戸惑い

── 金曜日 ──


長野君とのご飯は結構楽しかった


「本宮さん、休みの日とか何してるんです?」


「えっとー。友達と遊んだりとか買い物とか…長野君は?」


「俺っすか?フットサルしてるんでそれ行ったり、ゲームしたり…

あっ、最近は競馬してるんですけど

ほら、スマホでチャチャッとできちゃうんですけど」

そう言うと、スマホ画面を見せて説明しくれた


「本宮さん、競馬場行ったことあります?」


「ううん、ないよ。」


「今度一緒に行きます?

面白いっすよ~。

あっあと、美味しい肉まんが売ってるんですよ!食べさせたいなぁ~」


子どものような笑顔が可愛かった


「そうなんだ、行ってみたいな」


「行きましょう!ぜひぜひ」

そう言うと長野君は満足そうに微笑んだ


長野君、結構いい人だな

優しいし、会話も続くし…



月曜日

長野君にお礼を言おう思ったけれど

お休みでいなかった


『 LINE交換したけど、わざわざお休みにすることないよね…』




終業後、外に出ると小雨が降っていた


『 あっ、雨。どうしよう傘をとりに帰ろうかな…』


もう一度、会社のビルに入りエレベーターに乗った


6階、エレベーターが開くと戸高さんが立っていた


「あれっ?帰ったんじゃなかったの?」

戸高さんは微笑んで小首を傾げた


「あっ、雨が振ってて傘とりに帰ってきたんです」


「えっー雨かぁ、やべ。走ろっ」


「えっ、あっあの…」

思わず、エレベーターに乗り込む戸高さんを制止していた


「あの、良かったら一緒に入っていきません?傘…」


「えっ…、でも、悪いし…」


「駅までですよね?そんなに遠くないし。私も駅までですから…」


なに、必死になってるんだろう 私


「そっか、じゃあお言葉に甘えようかな」

戸高さんはにっこり微笑んだ




傘は戸高さんが持ってくれた

私が濡れないように、傘を傾けてて少し窮屈そうだった


「金曜日、長野君とご飯行ってきたんです」


「長野と?2人で?」


「はい。この間、お仕事お手伝いしたから。そのお礼にって」

そう言って、戸高さんを見上げて微笑んだ


「へぇ~そうなんだ」


私は、戸高さんを見つめて続けた

「長野君っていい人ですよね。優しいし、話は面白かったし」


あれ?

私、なんでこんな話を戸高さんにしてるんだろう…


「あいつ良い奴だよね。」

戸高さんは優しく微笑んだ


「はい」

私は、ゆっくり頷く


「でも、長野もやるよね」


私は、不思議そうに戸高さんを見上げる


「だって、俺が手伝ったって奢ってはくれないよ」

戸高さんは、笑った


「それは、先輩だからでしょ」

私もつられて笑う


「いやぁ~、違うよ本宮さんだからご飯誘ったんでしょ。

長野、本宮さんと仲良くなりたいんだよ」


「えっ、そんなこと…」

私は、戸惑った表情で戸高さんを見つめた


「羨ましいなぁ~。俺も独身だったら…なんて」

戸高さんはにっこり微笑んで


「ほら、濡れるよ入って」

私の腕をグイっと引き寄せた



あっ、これ、これだ

これ言って欲しかったんだ


私、戸高さんに異性として見てもらいたかったんだ

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