恋バナ
【 ランチ行かない?最近の話しを聞かせて】
美和さんからLINEがきた
美和さんは、一つ前に働いていた派遣先の社員。
そこは、男性社員が多くて女性が少なかったから凄く可愛がってくれて、今でも時々ご飯に誘ってくれる。
『 最近の話かぁ』
美和さんは、私の恋バナが聞きたいらしい。
でも、恋バナって言ってもなぁ…
「何にもないの?」
美和さんは、ランチメニューを決めると私をじっと見てきた
「出会いとか、ないですし…」
私はそっと目をそらす
「婚活してないの?」
「えーっと、婚活サイトは時々見てるんですけど、あんまりピンとこなくて…」
「ピンとねぇ~」
美和さんは右眉を少しあげた
「前に婚活パーティ行った時疲れて、あとほら、これなんかご飯もなくて飲み物だけで3,500円も参加費がかかるんですよ!派遣の私にはキツイです。
大体、結婚するのに相手探すのにお金かかるとか何か悲しい。
世間では、普通に出会って結婚する人もいるのに…」
私は、スマホの婚活サイトを美和さんに見せた
「ふ~ん。そっか、やっぱり亜耶は結婚する気ないんじゃない?」
「えっ?」
「だって、何かこう本気度が見えないというか…」
「そんなこと…」
「結婚したいって言いたいだけって感じるけど…」
「そんなこと、私は本当に結婚したいですよ!」
私は、何だかムキになって言い返してしまった。
「ふ~ん、結婚と恋愛は違うんだよ」
そんなこと、私だってわかってるよ
でも、私、付き合ったことないし
普通に出会って、お互い好きになって、自然に付き合いだして、結婚…
皆ができること、私はなんでできないんだろう
「さっ、ご飯食べよう」
美和さんは、運ばれてきたパスタを食べはじめた
「あのさぁ~、戸高のことまだ引きずってるの?」
「えっ…」
私は、口に運ぶフォークを止めた
「もう、会ってないんでしょ?」
確かめるように美和さんは私を見る
「あっ、はい。もう会ってないですよ…」
「良かったぁ。戸高についてあんまりいい噂聞かないから…」
「えっ?なんですか?」
私は、美和さんを見つめた
心臓がドキッとなった