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第二話 冒険者登録


「……あ?」


あまりの眩しさから閉ざしていた瞼をゆっくり開ける。


ヒュウウウ、と心地良い風が吹き、アキラのミッドナイトブルーに染められた髪を靡かせる。


どうやら自分は広大な草原の上に立っているらしい、と認識すると、薄い笑みをもらした。


「おっと……」


手で口を拭うようにして口角を戻す。


女神(あいつ)、スキルがどうこうっつってたな……」


そう呟いた瞬間、彼の脳内に情報が広がった。


――――――


篠原アキラ

種族:人間

年齢:19

状態:通常

スキル:【シリアルキラー】

アビリティ:【殺人衝動】


――――――


「……んだこれ?」


頭の中で展開される物騒な情報に少し引いてしまう。


それ以上のものは何も分からない。


「よくわかんねぇけど……まぁそのうちわかるだろ」


と、気にしない事に決めたアキラ。


キョロキョロと首を動かして周囲を確認すると、北の方に町があるのが見える。


「とりあえずあそこに行くか」


手癖でポケットに両手を突っ込む。


すると、ジャラ、という音を鳴らす巾着に手がぶつかった。


アキラのものではない。


見れば、中には金貨が50枚入っている。


「……どのくらいなんだこれ」


金貨一枚でだいたい日本の一万円くらいなので、50万円ある事になる。


物価もそこまで高い訳では無いので少し多めだが、武器を買い揃える事を考えると妥当な金額だろう。





町に着いて真っ先に目を引くのは大きな噴水だった。


透き通った綺麗な水が噴出しており、町のシンボルになっているようだ。


町の人ではこの噴水で待ち合わせしている者も多い。


そしてその向かいにあるのはギルドだ。


剣をモチーフにしたロゴがあるので分かりやすい。


表には『冒険者登録はこちらで』と書かれた看板まで設置されており、アキラはとりあえずここで冒険者になればいいんだなと察する。


「いらっしゃいませ。冒険者登録ですか?」


「あぁ」


愛想を振り撒く美人な受付嬢に短く返事をする。


「冒険者登録の際に特殊な魔法を付加させて頂きます。これによりあなたが討伐した魔人やモンスターを個人単位で記録されます」


(魔人……? あぁ、そういえば女神の奴、勇者がどうこうって言ってたな)


「あなたの活躍によってこちらから報酬金を支払います。活躍には単純な討伐の他、住民からの依頼を受ける事もできます」


アキラは、ふんふん、と聞き流しながら同意書にサインした。


「では…『スキャン』」


受付嬢が手を翳しながらそう唱えると、紫色の靄のような現象がアキラを包み、すぐに霧散する。


「これにて冒険者登録は完了です。アキラ様のご活躍を期待しております」


ニコッ、と、受付嬢は最後まで営業スマイルを絶やさなかった。

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