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嫌がらせ


「あら、美雨。悠斗くんはもう帰ったの?」



「知らない!」



私はバタバタと階段を上がり、自分の部屋に入った。



あー!ムカつく!



キスをされ、一瞬固まってしまったが、すぐに悠斗を振り払い家に帰った。



あの見透かした感じが腹立たしい!

そして、少し嬉しいと思ってしまった自分も腹立たしい!



キスの事を忘れるため、急いでご飯食べ、お風呂に入り、歯を磨き、そして寝た。



これは夢だと自分に言い聞かせて…。



次の日の朝。私は相当酷い顔だったらしく、両親に凄い心配された。



全然寝れなかったー。



私は大丈夫と言い、学校へ向かった。



教室に入ると私の席の周りに人だかりが…。



「おはよー、どうしたの?」



クラスメイト等がバッとこっちを向き少し戸惑った表情でおはようと挨拶をした。



「あ、美雨…」



「杏奈、どうしたの?」



あんなの手にはタオル。

そして私の机には落書き、画鋲、カッターなどがあり、酷いありさまだった。



あー、いじめってやつか…。



「あんなー!拾ってきたよーって、わっ!美雨…」



クラスメイトの女子数名が手に何かを持ち、急いだ感じで教室に入ってきた。



「美雨…これ…」



手に持っていたのは私の教科書だった。

しかも、ビリビリに破かれたり、落書きされていたり、土や砂がいっぱいついていたりと、机と比べ、これも酷いありさまだった。



「拾ってきたんだけど…こんなになってて…ごめん」



「なんで謝るの?むしろありがとう」



そう言って教科書を受け取った。



「美雨、大丈夫?」



「大丈夫だよ」



杏奈やクラスメイトが心配してくれた。

机の落書きを落とすのを手伝ってくれ、教科書もできる範囲で落書きを消すのを手伝ってくれた。



良い友達を持ったなー。

なんて、思ってしまう。



「美雨、先生に言いに行こ」



一通り片付けが終わり、杏奈に言われる。



「あー、いいよ。大事にしたくないし」



「でも…」



「大丈夫だから!ありがとう」



クラスメイトにも本当に言わなくていいのかと言われたが、大丈夫とだけ言った。



まぁ、だいたい誰がやったのか検討はついてるし。



それから1週間たった。



この1週間でやられた嫌がらせと言うと…。



まず、上履きは隠されたじゃん。

それから、またもや机に落書きじゃん。

それからえーっと、私がクラブで働いてるとか夜の店で働いてるとか訳のわからない事が印刷されたプリントが教室の黒板に貼られてるでしょー。


それからー…。



「美雨!これはもう黙っちゃいられないよ!」



あー、そうそう、今。たった今、上から花瓶が落ちてきましたー。



「うーん…そうだねー」



これは流石に、黙っちゃいられないよね!うん。



ただ、証拠がないんだよねー。



上手い事隠してるなー。

あの()()は。



そう、この嫌がらせは全部桃香のせい。

杏奈はもちろん、クラスメイトも知っている事だ。



みんな証拠を掴もうとしてくれているが、証拠が出てこない。



学校に監視カメラがある訳じゃないし。

現行犯で捕まえないと…。



桃香もそれがわかっているみたいで、誰かが証拠を掴もうと自分の後をつけている時は何もしないらしい。



相変わらず桃香は悠斗にベタベタしてる。

そんなに近くにいるのに悠斗は気付かないのか!



悠斗も心配して私に声をかけてくれるが、その度に桃香は私を睨んでくる。

そして次の日は今日より酷い嫌がらせをしてくる。



嫉妬なんだろう。

別れたのに悠斗に話しかけられている私が気に食わないのだろう。



はぁ…。



「杏奈、とりあえず教室戻ろ」



「う、うん…」



委員会が終わり、教室に荷物を取りに行って帰ろうとしていた時に花瓶が上から降ってきたのだ。



とりあえず、辺りを警戒しながら2人で教室に戻った。



荷物を持ち帰るため下駄箱に向かう。



「あっ」



「どうしたの?」



「ごめん、杏奈。先に下駄箱行ってて」



「忘れ物?」



「うん、ケータイ教室に忘れたみたい」



「わかったー。気をつけてね」



「うん」



私は急いで教室に戻った。



でも、1人で戻るべきじゃなかった…。

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