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しつこい


んー、なんだろうこの状況。



壁ドンされて、まだ好きだとかわけわからんこと言ってきて…



こいつの頭大丈夫かな?



「あはは、そっかー、ありがとー」



ガチャ、ガラッ



「おい、美雨!」



適当に返事をし、扉を開け、走ってその場から逃げた。



「ど、どうしたの!?」



息を切らして戻ってきた私を見て驚いた表情をする杏奈。



キーンコーンカーンコーン



話そうとしたタイミングでHRのチャイムが鳴ってしまった。



とりあえず話は保留にしてそれぞれの席に着き、HR、それから授業を受けた。





「えっ!そんな事があったの!?」



「ちょ、うるさい!まだ教室なんだから!」



「あ、ごめん」



放課後、やっと昨日の出来事、そして朝の出来事を話せた。



「いやー、そっかー」



ニヤニヤしながらこちらを見てくる杏奈。



「な、何よ、何がそっかーなのよ」



「いやー、悠斗くんがまだ美雨の事を好きだったんだなーって」



「やめて、どうせ嘘なんだから」



「嘘ではないんじゃない?今日ずっと付きまとってたし」



「…」



そう、今日1日ずーーーっと付きまとわれた。



授業中もずっとこっちを見てくるし、休み時間になれば話しかけてくるし、移動教室で移動している時もくっついてくるし、体育も男女混合だからずっとそばにいるし。



逃げても逃げても逃げてもずっと追いかけてくる…。



しつこい。



「好きなのは本当なんじゃない?美雨だって本当はまだ好きなんでしょ?」



「…好き、じゃない」



好きでも側には居られない。

私という存在がいるのに他の女とイチャイチャしている所をもう近くで見ていたくない。



「まったく…強がっちゃってー」



「強がってない」



話し込んでしまい、教室に居る人数も少なくなってきた。



「美雨、一緒に帰ろ」



悠斗に突然声をかけられて私も杏奈も驚いてしまった。



一緒にって…

何言ってんの?帰らないけど?



「あー、杏奈と帰るから…」



ねーっと同意を求めて杏奈の顔を見る。



「あ、私今日用事あったんだ!」



え?



「ごめん美雨、先に帰るね!」



そう言って教室を出て行ってしまった。



ちょ、ちょっと!

私を置いていかないでよ!



時はすでに遅く、外を見ると杏奈が手を振っていた。



そしてガッツポーズをし校門から出て行ってしまった。



えー。

しばらくの間フリーズしてしまった。



「美雨?」



はっ



悠斗に声をかけられ、自分がフリーズしていた事に気がついた。



「帰ろ?」



手をギュッと握られ断らせまいとしている感じだった。



手を握られ…繋いだ?のはいつぶりだろう…



そう思いつつ、バッと手を払う。



「…わかった、一緒に帰るから」



目を合わさずそう答える。



ちゃんと話をしなきゃいけないのはわかってる。

きっと杏奈もそう思っていたんだろうし。

だから先に帰ったんだろう。



あー、気が滅入るわー。

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