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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
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95.2人目3

テラ様の話を聞いて千里眼を取得していないかが凄く気になりましたが、とにかく今はライアティナの神族スキルの話なのでそれは後で確認しましょう。


「テラ様、なんとなくは分かりましたので続きをお願いします」


『分かりました。とは言え、神族スキルで具体的な説明が必要なのは神眼くらいでしょう。回復や再生は神族としての身体を保つスキルですし、並列思考も複数の思考を同時におこなえるというだけです』


ライアティナの神族スキルには4つのスキルがありましたが、特殊なスキルは神眼だけのようです。

しかし、回復や再生は私の持つ微小回復や微小再生の上位スキルだと分かりますが、私が取得している並列思考も神族スキルに含まれています。


そういえば、ロカが女神になるために必要で並列思考を取得したと言っていましたし、並列思考は本来であれば神族スキルなのでしょう。

私の場合、なぜか並列思考を取得してしまいましたが、神でもない私が神族スキルを持つのも違う感じがしますし、眷属スキルでいいような気もしますがなんだかもやもやします。


『回復や再生はどれくらい身体を保てるんですか?』


テラ様の説明を聞いてもやもやしているとライアティナがテラ様にそう質問しました。

そう言われれば、私も微小回復と微小再生を持ってはいますが、この2つのスキルがどの程度身体を保つのかは知りません。


『回復や再生のスキルは真祖の身体回復や身体再生と同じと思っていただいてかまいません』


『じゃあ、魂さえ無事なら、例え身体を消滅させられても100年もあれば身体は再生するんですね』


テラ様の返答を聞いたライアティナは満足そうにそう言いましたが、回復や再生のスキルがそんなに凄いスキルだとは思ってもいませんでした。

確かに真祖は身体を滅しても復活するというイメージがあるので神祖が回復や再生のスキルを持っていても不思議ではありませんが、それならば私の微小回復や微小再生にどのような効果があるのかが気になるところです。


ライアティナを見ながらそんなことを考えていて気がつきました。

ライアティナは同化が完了してそのままスキルの説明になったので今は裸のままです。

ライアティナが裸のまま話を続けるのも問題ですし、テラ様に確認してまずは衣装を着てもらいましょう。


「テラ様、ライアティナのストレージに衣装は入っていますか?」


『衣装や戦乙女の装備はすでに準備してありますのでいつでも使えますよ』


「分かりました。ライアティナ、衣装を着ている自分をイメージして換装と念じて」


『あっ、やっと面倒な着替えをしなくてすむよ』


ライアティナはそう言いますが、ライアティナは突っ立っているだけなので、むしろ面倒だったのは着替えを手伝っていた私のほうだと思います。

まあ、これでライアティナの着替えを手伝う必要はなくなるのであえて口にはしませんが。


『換装!』


そう思っていると、ライアティナは大きな声で換装と発しました。

私は念じるように言いましたが、声に出して換装したライアティナの気持ちも分からなくはないです。

新しいことをする時はなんとなく声に出してしまいたくなるものですし、私も初めて換装した時はつい声に出していました。


しかし、換装と発したライアティナは裸のままです。


『あれ?換装出来てないよ?リーネ、どうなってるのかな?』


換装と発したにもかかわらず衣装が着れなかったライアティナはそう質問してきましたが、おそらく前の身体でイメージしたのでしょう。


「新しい身体でイメージしたの?」


『あ~って言うか、そういうことは先に言ってくれるかな!』


ライアティナの新しい身体はもとの身体との違いが髪や目の色ぐらいだからか、私もそのことに気づかずに説明してしまいました。

ライアティナには申し訳ないですが、もう一度、新しい身体をイメージして換装してもらいましょう。


「新しい身体のイメージは出来る?」


『たぶん大丈夫!』


そう考えつつライアティナに新しい身体をイメージ出来るか聞いてみると、ライアティナは自信があるようにそう答えました。

まあ、鏡が必要でないならそれはそれでいいのですが、ライアティナは少々思い込みが激しいので不安です。


『じゃあ、あらためて、換装!』


そんなことを考えていると、ライアティナがあらためて換装と発し、無事に衣装を着ることに成功しました。


『出来た出来た!リーネ、今度はちゃんと出来たから!』


換装で衣装を着ることが出来たライアティナはテンション高くそう言いました。

ライアティナがちゃんと換装出来たので、これで私も一安心です。


『では、神族スキルの説明もしましたし、他になにか質問はございますか?』


ライアティナが落ち着くのを待って、テラ様がそう聞いてこられました。

ライアティナのステータスに関してはまだまだ気になることがありますが、そのことを私が聞くのは違うと思いますし、ライアティナに任せましょう。


『う~ん、今のところ別にないかな』


ところがライアティナは特に聞くことはないと返答しました。

私としては複数の複合魔法を取得していることや、称号のことが気になるのですが、ライアティナは気にならないのでしょうか?


「ライアティナ、本当に聞いておくことはないの?」


『ん?とりあえずないかな。気になったらその時に聞けばいいでしょ?』


ライアティナは気楽そうに言いますが、テラ様に時間をいただいているという認識がないのでしょうか?


「テラ様にあらためて質問する時間を取ってもらうのは難しいから、今の内に聞いておきなさい」


『えぇ~?でも本当にないんだけど・・・』


ライアティナにあらためて質問するように促しますが、ライアティナは質問することはないと言い張ります。


『リーネ、そんなに無理を言ってはいけませんよ。よほどのことがない限り、眷属であるあなた達を蔑ろにすることはありませんし、質問くらいは気にせずにしてもらっても大丈夫です』


私達のやり取りを聞いて、テラ様はそう言われました。


『だそうだよ、リーネ。リーネはなにか気になってるんでしょ?』


テラ様の話を聞いて、ライアティナは自慢げにそう振ってきました。


確かに千里眼のことなど、個人的に聞いておきたいことはありますが、ライアティナにそう言われるとなんだか釈然としません。

しかし、千里眼のことが気になってるのも事実ですから、テラ様に質問してみることにしました。


千里眼と言えば、世界中のどこでも見ることが出来る凄いスキルだと思いますが、戦乙女召喚に応じることで取得出来てしまうことが疑問に感じていたのです。


「テラ様、千里眼ほどのスキルを聖女の召喚に応じたことで取得してしまってもいいのでしょうか?」


千里眼の取得があまりにも簡単に感じた私はテラ様にそう質問しました。

するとテラ様は千里眼のことを教えてくださります。


『千里眼はリーネが思っているとおり、世界中を見渡すことが出来ますが、どこを見るかは自分で認識しなければなりません。千里眼は空間跳躍と同じように、見るところを明確にイメージ出来なければ、たとえ100m先でも見ることは出来ません。ですから千里眼はけっして万能ではないのです』


私は無条件に世界中を見渡せると思っていましたが、実際には見ようと思うところをイメージ出来ないと見ることは出来ないようです。


『えぇ~ちっとも便利じゃないじゃん。千里眼てもっと凄いと思ってた』


テラ様の説明を聞いてライアティナが落胆の声をあげました。

私も思っていたことと違ったので多少残念ではありますが、それでも千里眼は便利だと思うのでそこまで落胆することはないと思います。


『それよりも、リーネは千里眼を取得していたのですか?』


テラ様にそう聞かれたので、あらためてステータスを確認しましたが、千里眼は取得しておらず、神眼になったりもしていませんでした。


「ステータスを確認しましたが千里眼は取得していませんでしたし、神眼にもなっていませんでした」


『そうですか。そういえばリーネは聖女にあまり召喚されていませんものね』


テラ様が言われるとおり、私はそれほど多くディアに召喚されてはいません。

なぜかというと、私を召喚することは聖女であっても身体に大きな負担をかけるからです。

その負担が聖女の寿命を削ることになると聞いてからは、よほどのことがない限り私を呼ばないようにとディアに言い聞かせてあるのです。


そんなわけで、前回ディアに呼ばれたのは子供が出来た時でした。

その時はディアとロインから名前をつけるようにお願いされましたが、私が名前をつけるのはなにかと問題があるのであきらめてもらいましたが。


「ディアに負担をかけさせたくないのです」


『リーネは本当に聖女のことを気にかけているのですね』


テラ様が言われたとおり、私はディアのことを気にかけています。

初めて召喚された時はちょっとアレな女性だと思いましたが、しばらく接していると、他人のことを思いやり、自分のことをかえりみずに行動出来る素敵な女性だと分かったのです。


そんなディアにお姉様と慕われているのですから、私がディアのことを妹のように接して気にかけるのも仕方がないと思います。


『ねぇ、ディアって誰?』


テラ様とそんなやり取りをしているとライアティナがそう聞いてきました。


「私を現世に召喚した聖女のことよ」


私がそう説明するとライアティナは不思議そうな表情になって聞いてきました。


『ん?現世には召喚されないといけないの?』


ライアティナはどうやら勘違いをしているようですが、人々の戦乙女の認識や私の状況を説明しないと理解するのは難しいでしょう。


『詳しいことは後で説明してあげるわ』


戦乙女のことを説明するのはそれなりに時間がかかるので、ライアティナにそう言ってひとまず話を終わらせました。


『それではライアティナさんの今後ですが、ライアティナさんには戦乙女に必要な訓練ののち、リーネの部隊で活動してもらおうと思っていますので、後はリーネにお願いしますね』


テラ様はライアティナを私の部隊にと考えられていたようです。

確かにライアティナのステータスを見ると隠密活動に向いていますし、暗殺なんかは私よりも得意でしょう。


そんなわけで、やっと私の部隊に2人目が出来たのです。

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