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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
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94.2人目2

エルの同化が始まり、問題が無ければ1日で終わるということで、その日は魔法の練習をして過ごすことにしました。

この1ヶ月ほどでエルとはそれなりに親しくなりましたし、同化に関しては心配ですが、特に私が出来ることもありません。


そんなわけで魔法の練習をしていたのですが、この1ヶ月で魔法に関していろいろとわかったことがあります。


1つ目は攻撃魔法は集束させること出来るということです。


これは薄々わかっていましたが、ライトニングだけでなくファイアアローなども集束させることが出来ました。

一般的に魔法の威力を上げるには、魔力を余分に注ぎ込むことで魔法の威力を上げるのですが、ファイアアローなら速度や温度が上がるだけで、どれだけ魔力を注ぎ込んでもあくまでファイアアローです。


しかし、ファイアアローを集束させると火ではなく熱を撃ち出すことが出来るのです。

名前をつけるならヒートビームといったところでしょうか?


とにかく、簡単な魔法でも集束させることによって違う魔法になるのです。


2つ目は集束させる方法が2つあるということです。


ライトニングを集束させる時は発動させる前に徐々に魔力を注ぎ込んで集束させましたが、複数同時に発動させた魔法を待機させて1つへと集束させることも出来ました。


集束させる速度は複数発動してから集束させるやり方のほうが簡単で早く集束させられますが、発動させた魔法を待機させて集束させるので魔法の種類がバレバレです。

実用的なのは発動前に集束させるやり方ですが、発動前の集束はかなり難しく、ある程度慣れた今でも集束させるのにはおよそ3秒ほどかかってしまいます。


3つ目は集束させた魔法はステータスに反映されないということです。


これはイニティニーニ様に確認しないとわかりませんが、今のところ集束させて発動した魔法はどれもステータスに反映されていません。

テラ様がライトニングを集束させて発動されていたので集束させることは問題ないと思っていましたが、ステータスに反映されていないことを考えるとイニティニーニ様に注意されそうな気がしてなりません。


そんな感じでエルの同化を待ち、翌日になるとエルの様子を見にいきました。

エルの素体があったところにはテラ様がおられましたが、もしかして昨日からずっとおられるのでしょうか?


「テラ様、エルの様子はどうですか?」


『今のところ同化に問題は無さそうです』


私はテラ様の返答を聞いて少しホッとしました。

エルの状況は特殊だったので予期せぬトラブルが起こることもありえたからです。

テラ様は同化にはおよそ1日かかると言われていましたが、そろそろ同化から1日が経つと思われます。


「エルの同化は後どれくらいで終わりそうですか?」


『もう少しで終わると思いますが・・・』


テラ様がそう言われてるさなかにエルの素体が僅かに動きました。


「テラ様」


『ええ、同化は無事に終わったようですね』


テラ様の見立てでは無事に同化は終わったようです。

後はエルが目覚めるのを待つばかりです。


『んっ・・・』


しばらくするとエルが僅かに声を出したので少し覗き込むようにエルを見ると、突然エルが大きく目を見開きました。


(び、びっくりした~!)


エルが突然目を見開いたので驚いて叫び声をあげそうになりますが、なんとか声をあげずにすみました。

すると、目を覚ましたエルが声をかけて来ます。


『リーネ?』


しかし、それは疑問を投げかけているような呼びかけでした。

私は心配になってテラ様に確認します。


「テラ様、エルは大丈夫なのですか?」


『今のところ問題はみられませんし、おそらく見え方に戸惑っているのだと思います』


テラ様は問題ないと言われますが、見え方に戸惑っているとはどういうことでしょう?

テラ様の言われたことがわからず、首を傾げていると、テラ様は笑いながら説明してくださります。


『ふふっ、神祖の目は温度を見ることが出来るのですよ。しかしその見え方はかなり特殊ですからサリアティリエルさんは戸惑っているのでしょう』


神祖の目は温度を見れると言われましたが初めて知りました。

ということは、今のエルは温度を見ていて戸惑っているということでしょうか?

テラ様がそう説明してくださるとエルが声をあげました。


『これどうなってるんですか?』


『神祖は見ることに意識を向けると視界が変わります。一度目を閉じてゆっくり目を開いてみてください』


テラ様がそう言われるとエルは一度目を閉じて、再びゆっくりと目を開きました。


『あっ普通に見える、さっきは青とか赤みたいなのしか見えなかったからびっくりしたよ』


エルの言ったことから想像するとサーモグラフィみたいに見えるのでしょうか?

慣れるまではたいへんそうですが瞬時に切り替えられたらなかなか便利そうです。


『サリアティリエルさん、いいえ、ライアティナさんですね。身体の調子はどうですか?』


『そっか、名前変わったんだ。う~ん、身体は別に違和感はないかな』


そういえば身体が変わったのでそれに伴って名前も変わってるはずです。

それにしても、エル、じゃなくてライアティナの見た目はかなり前の身体に似ています。

髪や目の色こそ違いますが身体つきや顔の造りなどはほとんど同じように思います。


『それでは一度ステータスを確認してください。身体が新しくなったことでこちらの世界のステータスが確認出来ると思います。それと責任者のリーネにもステータスを確認してもらいますがよろしいですか?』


(あれ?私って責任者?)


確かに異空間での話合いの時に任せますとは言われましたが、それは一時的に面倒をみることと思っていました。

それなのに責任者と言われるとなんだかもにょります。


『どうせリーネにいろいろ教えてもらうだろうし、それは大丈夫』


『そういうことですのでリーネもライアティナさんのステータスを確認してください。神祖となったライアティナさんは特殊なスキルをお持ちですからそれの説明もいたします』


とにかく特殊なスキルの説明もあってライアティナのステータスを確認する必要があるようです。


「わかりました」


テラ様にそう答えるとライアティナのステータスを確認します。



名前:ライアティナ

性別:女性

年齢:18歳〈不老〉

種族:神祖〈創造の女神テラの眷属神〉

加護:ー

スキル:

戦闘スキル/格闘術7・爪術8・短剣術3・剣術5・槍術5・弓術5・盾術5・索敵5・隠密10

一般スキル/多言語5・錬金術5・料理5・薬学6・調合6・一般教養5・魔物学8・隠蔽10・偽8

永続スキル/空間認識

神族スキル/神眼(暗視・精霊眼・識別眼・識別眼)・回復・再生・並列思考

眷属スキル/ストレージ・テレポート・戦乙女の槍・念話

魔法:

生活魔法/種火・造水・クリーン・ライト・乾燥

属性魔法・光5/フラッシュ・ミラージュ・ライトニング

    ・闇10/ダークネス・ダークネスアロー・ブラインド・影縛り・シャドウニードル・シャドウサーバント・影移動・ダークネスミスト・影分身・ポイズンミスト・デスミスト

神聖魔法7/ヒール・キュア・浄化・聖光

時空魔法5/時空庫・空間跳躍

複合魔法9/火属性魔法×闇属性魔法/ダークファイア・ヘルファイア

     /風属性魔法×闇属性魔法/ダークネスサンダー

称号:異世界の吸血姫



『へぇ~結構あっさりしたステータスなんだ。名前もちゃんとライアティナになってる』


ステータスを見てライアティナはそう感想を口にします。

私もステータスを見ていろいろと気になることはありますが、まずはテラ様の説明を聞きましょう。


『では簡単に説明します。スキルや魔法はライアティナさんがもともとお持ちだったスキルと魔法をステータスに反映させましたが、眷属スキルと神聖魔法、時空魔法は戦乙女に必要なものを取得していただいています。こちらの詳しい説明は後ほどリーネにお願いしますね』


テラ様はそう言われると私のほうを見られたので頷きます。


『今回説明するのは神族スキルです。ライアティナさんは神祖となっていただきましたが、神祖は種族特性として神眼を持っています。この神眼は名前が示すとおり、神が世界を見ることに使うスキルで、現在は暗視、精霊眼、識別眼、鑑定眼といったスキルを兼ね備えていますが、能力の覚醒によって新しいスキルを取得することも出来ます』


神族スキルの神眼は見ることに関係するスキルを複数兼ね備えるようで、現在は4つのスキルを兼ね備えていますが、それ以上のスキルを兼ね備えることも出来るようです。


『能力が覚醒すれば千里眼なんかも使えるようになるってことですか?』


『そうです。見るということに関係するスキルは神眼で取得することが出来ます』


見ることに関係するスキルは全て神眼で取得出来るようですが、先ほどのライアティナの様子を見ていると扱いに慣れるまではたいへんそうです。

テラ様の説明を聞きつつそんなことを考えているとテラ様が私に話を振られます。


『リーネも他人事ではありませんからよく覚えておいてくださいね』


「えっ?」


(私は神眼なんて持っていないから他人事だと思うのですが?)


テラ様の言われた意味がわからず困惑しているとテラ様は続けて言われます。


『リーネは現在、見ることに関係するスキルをすでに3つ取得していますね。暗視、精霊眼、鑑定がそれに当たります。そして聖女の召喚に応じた戦乙女は千里眼を取得することがわかっています。私の眷属であるリーネが見ることに関係するスキルを4つ取得すると、スキルが統合されて神眼となる可能性が高いのです』


「えっ?ちょっと待ってください。なぜ聖女の召喚に応じると千里眼を取得してしまうのですか?」


テラ様が言われたことに驚いてそう聞き返すと、テラ様は一度ため息をついて言われます。


『はぁ、リーネは聖女のところへどうやって移動していますか?』


(えっ?ディアのところ?)


私がディアに呼ばれると、ディアのいるところが映像として見えるからそこをイメージして跳躍してるわけで・・・。


「えっ?」


(ディアのいるところを映像として見ているのが千里眼に繋がるってこと?)


確かにディアに呼ばれた時は現在のディアの状況を見ることが出来ますが、それが千里眼に繋がるなんて思いもしませんでした。


というか、もしかしてもう千里眼を取得してたりしませんよね?

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