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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
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76.ディアとロイン2

天界に戻った私はテラ様に確認すべく神界に移動します。


「テラ様、確認したいことがあります」


私がそう声をかけるとテラ様は不思議そうな顔をされてます。


『リーネ、どうかしましたか?』


「テラ様に確認したいことがございますが、お聞きしてもよろしいですか?」


私がそう聞くとテラ様は笑顔でこたえてくれます。


『リーネ、慌てていったいなんなんですか?』


私は慌てていたつもりはありませんでしたが、どうやら慌てているように見えたみたいです。


「実は、ディアに結婚式で私から祝福して欲しいとお願いされたのです。ですが私は戦乙女ですので祝福を贈るのは相応しく無いのではないかと思っています」


私がそう言うとテラ様は少し困った表情をされて言われます。


『そうですね~恋愛に関する女神がいないので、結婚式の祝福はリーアがおこなうことがほとんどですからリーアに聞いてみましょうか?』


テラ様がそう言われると、どこからともなく1柱の女神様が現れます。

私はリーア様とは1度しかお会いしたことがありませんが、リーア様はほんわかした雰囲気をされたかわいらしい女神様です。


『テラ様、お呼びですか~』


『リーア、リーネから結婚式の祝福で相談がありましたのであなたの意見を聞きたいのです』


『え~どんな相談ですか~?』


リーア様がそう聞き返されるとテラ様は私のほうに視線を移されたので、私はさきほどテラ様に伝えたことを説明します。

私の説明を聞いたリーア様は少し悩まれましたが、すぐにこたえてくださります。


『別にリーネが祝福しても問題ないと思いますよ~そもそも祝福とは前途の幸福を祈り、祝うことです~。そして祝福される人は祝福して欲しい人から祝福をもらうのが1番嬉しいのです~ディアさんはリーネから祝福をいただきたいと言われているのですから、リーネが祝福するのが1番理に叶っていますよ~』


リーア様はそのように言われて私が祝福しても問題ないと言われました。

しかし、戦乙女として召喚されている私が祝福することで現世に影響が出ないかをあらためてテラ様に確認します。


「テラ様、私は戦乙女ですが本当に現世には影響がないのでしょうか?」


『祝福すると言っても加護を授けるわけではないのですから、リーアが問題ないと言っている以上問題はありませんよ』


テラ様がそう言われるとリーア様も問題ないと念を押すように言われます。


『そうです~そもそも誰が祝福するかなんて本当はどうでもいいんですよ~だからリーネもどんどん祝福しちゃって~』


リーア様は軽い感じで私にどんどん祝福するように煽ってこられました。

あらためて考えると、テラ様が言われたように加護を授けるわけではないので私が祝福することには問題ないようですが、リーア様が言われるようにどんどん祝福するのはなんか違う気がします。


そんなことを考えていた私は大事なことを思い出しました。

祝福して欲しいと言っているディアとロインは、私のことを信仰していると言っていたことを思い出したのです。


「テラ様、今思い出したのですが、祝福して欲しいと言っているディアとロインは魔王討伐後から私のことを信仰していると言っていました。そんな2人を私が祝福してもいいのでしょうか?」


なんだか同じことを繰り返し聞いているみたいになってしまいましたが、問題があると困るのであらためて確認すると、テラ様は少し驚かれたように言われます。


『2人はリーネのことを信仰しているのですか?そうなるとちょっと問題かもしれませんね。もしかすると、リーネが祝福することによって2人にリーネの加護が授けられる可能性があります』


(えっ?私の加護ってどういうこと?)


テラ様の言葉を聞いて私は焦ります。

私が心配していたのは、戦乙女が祝福することを人々がどのような意味に受けとるかわからないということでした。

しかし、私が祝福することによって2人に加護を授けることになる可能性があるなんて思ってもいませんでした。


「なぜ、私が祝福すると加護を授けることになるのでしょう?」


私は祝福すると加護を授けることになる理由をテラ様に聞きました。

さきほどのテラ様の言葉を考えると、私を信仰している人を祝福することが問題になるように思えたのです。


『まだ可能性の段階ですが2つの要因が考えられます。1つはリーネが私の眷属であるということ、これはリーネも理解していますね?それともう1つは、信仰している者から言葉を贈られるということです』


テラ様の眷属である私は女神となりうるだけの力を持っています。

その私を信仰しているディアとロインを祝福するということは、2人に私から直接言葉を贈ることになります。

大きな力を持つ私が信者足る2人に直接言葉を贈るという行為が加護を授けるのと同じ行為になるようでした。


「では、私は2人を祝福しないほうがいいのですね?」


2人に加護を授けることになってしまうなら、私は祝福しないほうがいいだろうと思い、確認するようにそうこたえると、私の言葉を聞いたリーア様が否定するように言われます。


『加護がどうとかなんて気にしないで祝福すればいいんですよ~リーネは2人を祝福したくないのですか?そうではないでしょう?リーネが2人を祝福して加護が授けられたら、それは祝福による幸福の1つとすればいいのです~』


(ようは私の気持ち次第ってこと?)


私はリーア様の言葉を聞いて、そんな単純な理由で加護を授けていいのかと思いました。

確かに私は2人のことを心から祝福したいと思っていますが、私が祝福することによって、どんな効果があるかもわからない加護を2人に授けることが問題ないとは思えませんでした。


しかし、そんな私の気持ちとは裏腹に、テラ様はリーア様の言葉を肯定するように言われます。


『そうですね、リーネが祝福したいのであれば2人を祝福しても問題はありませんね。加護を授けることになるのでリーネを眷属神にしようかとも思いましたが、そもそも精霊達が好き勝手に加護を授けているのですから戦乙女のリーネが加護を授けても問題はないでしょう』


テラ様は私が祝福することに問題がない理由をそのように言われましたが、サラッと問題発言をされていました。


(テラ様、そんな理由で簡単に私を眷属神にするなんて言わないでください!)


私はテラ様に心の中で盛大にツッコミました。

『加護を授けるならリーネには眷属神になってもらいますね』という、軽い感じで言われるテラ様の言葉が聞こえてくるようでした。


テラ様の性格を考えると、そのことに触れるとなし崩し的に眷属神にされかねないので、眷属神の話は聞かなかったことにして、私が加護を授けた場合、どのような効果の加護になるのかを確認することにしました。

私が授けることになる加護が2人にとって良い加護になるかが気になってしまったのです。


「テラ様、私が2人に加護を授けた場合、どのような効果の加護になるのでしょうか?」


『人々に加護を授ける場合、加護の内容を含んだ言葉を贈ることになります。ですから、リーネの加護は祝福する言葉の内容に準じた効果になると思われます』


どうやら加護の内容は私が祝福する言葉に準じた効果になるようでした。

そう聞くと変な祝福の言葉は贈れないと思ったけど、そもそも変な祝福の言葉を贈るつもりはないので、普通に祝福の言葉を考えて後からどんな効果になりそうか考えればいいかと思いなおします。


ディアとロインの結婚式まではまだ一月もあるので、それまでに祝福の言葉を考えておけばいいのです。


「テラ様、リーア様、ありがとうございます。私は2人を祝福したいと思っていますので、加護を授けることも考えて祝福の言葉を贈りたいと思います」


『わかりました、その件で私からリーネに1つお願いがあります』


私は2人を祝福することを認めてくださったテラ様とリーア様にお礼をして天界に戻ろうとしたところ、テラ様にそう言われて引き留められました。


「テラ様、お願いとはなんでしょうか?」


『2人を祝福する時は戦乙女としてではなく、創造の女神テラの眷属として現世に降りてください。2人を祝福するということは人々の前に姿を現すことになりますので戦乙女の立場で姿を現すと人々が混乱してしまうでしょう?』


やはり私が思っていたのと同じように、テラ様は私が戦乙女として姿を現すのは人々の混乱を招きかねないと思われていたようです。


「わかりました、現世に降りる際はテラ様の眷属として人々の前に姿を現します」


『ええ、そのようにお願いしますね』


私はテラ様に了承したことを伝えると天界に戻ってディアとロインにどのような祝福の言葉を贈るか考えるのでした。

少し前からストックが無くなっていたので今後は不定期更新になります。

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