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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
73/113

73.1人の活動6

私が向かっている金の草原亭は、高級宿なだけあって建物の造りがしっかりしており、マヤが宿泊しているのがスイートといわれる1番良い部屋ということもあって、外部から部屋の中に侵入するのが難しいので宿泊して部屋を取る必要がありました。


金の草原亭についた私が受け付けに向かうと男性店員が声をかけてきます。


『金の草原亭へようこそ。宿泊には身分証もしくはギルドカードの提示をお願いします』


男性店員はそう言って身分証やギルドカードの提示を求めてきました。

一般的な宿屋では身分証やギルドカードの提示を求められることはありませんが、どうやら金の草原亭では防犯のために提示する必要があり、ギルドカードではC級以上しか宿泊出来ないと説明されます。


金の草原亭は個室が1泊1食つきで金貨1枚、4人まで宿泊出来る大部屋が1泊1食つきで金貨3枚、スイートが1泊1食つきで金貨5枚と、一般的な宿屋が1泊2食つきでだいたい銀貨5枚で泊まれることを考えるとなかなかのお値段です。


受け付けで説明を聞いた私は個室を取ることにして食事の準備をお願いします。

金の草原亭の食事は基本的に部屋まで運ばれてくるそうなので、早めに食事をして仮眠することにしたのです。


受け付けで鍵を受け取り2階の個室に入った私は部屋を見て高級宿なだけはあるなと感心しました。


部屋の広さはおよそ8畳で、ベット、テーブル、椅子はそれなりに手間をかけられたデザインの物が備え付けてありますが、物が良いだけで備え付けてある物としては一般的な宿屋とかわりません。

そんな中で私が感心したのは部屋の一角にシャワールームらしきスペースがあったことです。


一般的な宿屋では身体を綺麗にしたい場合は水と桶をお願いするのが普通ですが、金の草原亭には水を出す魔道具が備え付けてあり、いつでもシャワーを浴びることが出来るのです。


「シャワールームがあるとは思わなかったけど、さすがにお湯は出ないか」


シャワールームに備え付けてある魔道具を使って水を出してみましたが、水の温度を変える機能はついていないみたいでした。

私がそんなふうに感心していると部屋の扉がノックされて店員が声をかけてきます。


『クエフリーネ様、食事をお持ちしました』


店員の言葉を聞いた私は部屋の扉を開けて食事の準備をしてもらうようにこたえます。


「はい、お願いします」


私がそうこたえると店員は部屋のテーブルに持ってきた料理を配膳していきます。


『今日の食事はテンタ牛のステーキにパンタック芋とミルクのスープ、それとテンタ牛のチーズになります。白パンは3つ目からは銅貨2枚、赤ワインは2杯目から銅貨5枚が必要になります』


配膳を終えた店員は今日の食事をそう説明しましたが、テンタ牛とパンタック芋は初めて聞くので説明を求めます。


「テンタ牛とパンタック芋というのはなにかしら?」


私がそう質問すると店員はテンタ牛とパンタック芋を簡単に説明してくれます。


『テンタ牛はドレックで僅かに飼育されている動物で、ビッグブルに似た味ですがたいへん柔らかくておいしいです。パンタック芋はドレック特産の中が黄色くて甘味がある芋です』


(テンタ牛は和牛でパンタック芋はサツマイモって感じかな)


私は店員の説明を聞いてそんなイメージを持ちました。


「わかりました、白パンと赤ワインの追加は必要ありません。食べ終えた食器は部屋の外に出しておけばいいわね?」


店員の説明を聞いた私は追加が必要ないむねと食器の返却方法を確認して店員に伝えます。

食器の返却方法は通路に棚が設置してあったことからそうではないかと思って聞きました。


『はい、食べ終えた食器は通路の棚に返却してください。では、ごゆっくりおくつろぎください』


店員はそう言って部屋を後にしました。


配膳されたのは白パン2つ、テンタ牛のステーキ、パンタック芋とミルクのスープ、テンタ牛のチーズ、赤ワインといった、それほど特別な料理

ではありませんが、私は配膳された料理を見て少し期待感を持ちました。

お昼に取った食事はとりあえずお腹に入れるだけのとてもおいしくない物でしたが、配膳された料理は見た目も良くておいしそうです。


「いただきます」


私は最初にスープから味わうことにしました。

スープの具材はパンタック芋らしき物しか見られませんが、ほのかに甘い香りがしています。

スープをスプーンで掬い口にすると甘味のあるやさしい味がしましたが、思っていたサツマイモの味ではなく、どちらというとカボチャに似た味がしました。


「やさしい味でなんだか安心するわ」


このスープは白パンに凄くあいそうな味をしていたので白パンを一口大にちぎりスープに浸してから食べると、白パンの素朴な味にスープの甘さが合わさっていっそうおいしく感じられました。


スープと白パンを味わった次はステーキを味わうことにして、厚みが2cmぐらいあるテンタ牛のステーキにナイフを入れました。

すると、厚みが2cmもあるとは思えないぐらいスッとステーキが切れます。


「あっ、やわらかい」


テンタ牛のステーキが思ってたよりもやわらかくて私はつい声に出してしまいました。

そして一口大に切ったステーキを口にすると、噛む時はしっかりと弾力があるがすぐに噛み切ることが出来て、口の中にお肉の旨味が広がります。

ステーキの味付けは塩胡椒だけですがお肉の旨味が強いのでソースなどは必要ないように思いました。


このステーキの味なら赤ワインって感じで次はステーキを食べて赤ワインを一口飲むと赤ワインの渋みは抑えられてスッと喉をとおります。

もともとお酒はほとんど飲まなかったので赤ワインの味もあまりわかりませんでしたが、テンタ牛のステーキを食べた後に飲む赤ワインはおいしいと感じられました。


「お肉には赤ワインって前世では良く聞いたけど、本当にお肉と赤ワインって合うのね」


前世ではほとんど実感したことがないそんな感想が口から出ました。

実際のところ、赤ワインが合ったのはテンタ牛のステーキがかなりおいしかったこともあるかもしれません。


「フレッシュチーズが出てくるとは思わなかったわ」


最後はチーズですが今回出されたチーズはフレッシュチーズでした。

このフレッシュチーズは塩を振って食べるようで器に塩が添えてありましたが、最初は塩を振らずに食べました。

前世で食べたフレッシュチーズよりはやや水分が多く感じられますが、ミルクの味がしっかりしていておいしいです。


ひととおり料理を味わった私はたのしい気分で食事を続け、どうにかしてテンタ牛を仕入れられないか考えるのでした。

そんな感じで30分ほど時間をかけて食事を取り、

食器を通路の棚に返却しました。


食事を終えた私は普段の衣装に換装してひと息入れるためにコーヒーを準備します。


「昼の食事には参ったけど、おいしい料理もあって少し安心したわ」


私はそんな感想を口にしながらコーヒーを堪能します。

今はほとんど天界で食事を取っているのでそれなりにおいしい料理を食べれますが、いざ現世に降りることになった時に昼のような物しか食べれないと思うと不安がありました。

しかし、お金さえ出せばそれなりにおいしい料理が食べられることがわかって安心したのです。


食後のコーヒーを堪能した私は仮眠を取るためにベットに横になりました。

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