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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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7.新しい身体と名前

「うっ、うぅ~ん・・・」


『どうですか、テラ様?』


『無事に素体との結合が完了したみたいですね』


『りんね』


「ん~・・・んんっ?」


ロカの呼びかけに気づき、声を出しますが聞きなれない声がした気がしました。


(あれっ?)


「あ~あ~っ」


さっきのは私の声じゃなかったのかと思い、あらためて声を出しますが、やはり聞こえてくる声は聞きなれない声でした。


(私の声じゃない?)


そんな事をしてるとロカが声をかけてきました。


『りんね、なにをしてるの?』


「いや、声が変で・・・」


『素体と結合して新しい身体になったんですから当然声も違いますよ』


「えっ?・・・あっそうか・・・」


そう聞いてやっと素体に触れた事を思い出しました。

とにかく今の状況を確認しようとして周りを見渡すと、私はカプセルに横たわっている状態でした。


手を少し上げて見てみると褐色の細い綺麗な手が見えたので、自分の手かニギニギして確認してみます。


(あ~私の手っぽいや、細くて綺麗な手だから違和感ありまくる・・・)


見えた手を動かしてみると、やはり私の手で間違いないようで私が思ったとおりに動きました。

しかし、まだ私の手とは思えず違和感があります。


『新しい身体の具合はどうですか?』


そんな事を思ってるとテラ様が身体の具合を聞いてこられました。

まだ手を動かした程度だけど動き自体に違和感はなく、思ったように動いているように感じます。


「とりあえずちゃんと動くみたいですね。まだ自分の身体って感じはしませんけど」


そう答えながら上半身を起こすと視界に大きな胸が入ってきました。

私は上半身を起こすだけで視界に入った胸が気になり軽く揉んでみます。


(胸って大きいと結構視界に入るんだ。それに触った感触も全然違う・・・)


胸の感触を確かめた私は次にウエストやお尻も触っていきます。


(うわっ、胸が邪魔でウエストが見にくい、っていうか内臓ちゃんと入ってるのこれ?お尻は思ったよりも固いし大きい・・・)


そんな感じで自分の身体を触ってると、私の行動を疑問に思ったのか、ロカが質問してきます。


『起きた早々なんで胸を揉んだりしてるの?』


「いや、視界に入ったから確認のため?」


とりあえず視界に入ったので触った事を伝えると、ロカは私の行動を否定するように言いました。


『いやいや、視界に入ったぐらいで胸は揉みませんよ』


ロカはそう言いますが、私の感覚では胸はそんな簡単に視界に入るものではないです。


「前は意識しないとなかなか視界に入りませんでした!」


だから私は語気を強めてそう言いました。

ツルペタとまでは言わないけど、元々Aしかなかったので今の胸のようにすぐに視界に入るなんて事はなかったのです。


私がそう言ったのを聞いたロカは話をごまかすように言います。


『まあ、前は前という事で。しかし裸のままって訳にもいきませんし・・・テラ様、素体の時空庫に装備は入っていますか?』


『ええ、時空庫の中に一般衣装と戦乙女の装備は準備してありますのですぐに換装出来ますよ』


『じゃあ、りんね、私が着ている衣装を自分が着ているイメージをして換装と念じて』


ロカはそう言いますが、私がイメージ出来るのは前の私で、今の私をイメージする事は出来ません。


「ん?ロカが着ている衣装を自分が着ているようにイメージするの?そもそも自分の身体がイメージ出来ないんだけど」


私がそう説明するとロカはテラ様に鏡を出してもらうようにお願いしました。


『あ~、テラ様、鏡をお願いします』


『分かりました、『パチン』はいどうぞ』


(指パッチンで出せるのか・・・)


ロカにお願いされてテラ様は鏡を出してくださりますが、まさか指パッチンで鏡を出されるとは思いませんでした。

それに指パッチンで鏡を出された事も驚きですが、鏡自体が物質ではなく空間に映し出されているだけなのに驚きました。


しかし、驚いている場合ではないので、寝ていたカプセルから出てその鏡で自分の事を見ると、そこに映し出されていたのは、まぎれもなくさっきまで見てたダークエルフの素体の身体でした。


灰色寄りな褐色の肌は意外なほどツヤっとしていて、あらためて見ると灰色に少しだけ赤みがあるように感じ、褐色と言うよりはほとんど灰色でした。

緑がかった銀髪は腰の辺りまであり、光がキラキラと緑色に反射して宝石が光ってるようです。

そして翡翠色の瞳は僅かに銀色を含んでいるようで強い光を放ちます。


顔はダークエルフなだけあって、小さめの顔に整ったパーツがついていて、目尻がやや上がっているので気の強めな美人って顔をしてます。

顔が小さめで身長も高めな、いわゆる8頭身の身体は、腰の位置が高く、スラッとした長い足と、折れそうなほど細い手が特徴的に思えます。


その身体に大きな胸と、コルセットで締め上げたような細いウエスト、そしてプリっとしたお尻がついているのですから、どう見ても現実的な身体には思えませんが、ダークエルフという種族的には普通の範囲なのでしょう。


「あ~これが『新しい私』か~これ誰感が凄いけど慣れないとね」


とても自分の身体には思えませんが、とにかく自分と認識してロカの衣装を見つつ衣装を着ている自分をイメージして換装と口にします。


「換装」


すると一瞬でロカが着てるのと同じような衣装に着替える事が出来ました。


「うわ~これって凄い便利!」


思わず声に出てしまいました。

テラ様やロカが着ている衣装を身につけるのは大変だろうな~と思っていたので一瞬で身につける事が出来て驚きました。


そんな私をよそにロカは淡々と進めます。


『これで訓練に移れますね。テラ様、りんねの新しい名前は決まっていますか?』


一瞬、ロカの言っている意味が分かりませんでしたが、よく考えると『岡崎燐子』は前世の名前なので新しい名前が必要なのは当然でした。


『素体との結合中に新しい名前に変更しておきました。新しい身体になられたので今一度ステータスを確認しておいたほうがいいですね』


テラ様はロカの質問にそう答えられて、私にステータスを確認するように促されました。


「そうなんですか?じゃあ確認してみます」


テラ様にそう返事をしてステータスを確認する事にしました。


(ステータス・・・って、うわ~!)



名前:クエフリーネ

性別:女性

年齢:18歳〈不老〉

種族:ダークエルフ〈創造の女神テラの眷属〉

加護:ー

スキル:

戦闘スキル/格闘術4・剣術5・槍術5・弓術7・盾術5・索敵5・隠密4

一般スキル/鑑定10・多言語5・料理5・薬学3・調合3・医学1・一般教養3

永続スキル/ストレージ・暗視・精霊眼・空間認識・微小回復・微小再生

魔法:

生活魔法/種火・造水・クリーン・ライト

属性魔法・風4/ウインドカッター・エアウォール

    ・土3/ストーンブレット・アースウォール

    ・光5/フラッシュ・ライトニング

神聖魔法7/ヒール・キュア・浄化・聖光

時空魔法5/時空庫・換装・空間跳躍

複合魔法/神聖魔法×時空魔法《戦乙女の槍》


称号:愛を求めし者・孤高の戦乙女



私がステータスを確認して驚いているとテラ様は得意げに言われました。


『どうですか?新しい名前は愛称が『りんね』と似た響きになるようにしてみたんですよ』


テラ様が言われたように、新しい名前は呼びやすいように愛称にすると『リーネ』となるような名前にしていただいたのは分かりますが、なにやらよく分からないスキルや魔法が多く見られます。


「名前は『リーネ』って愛称になるのはいいんですけど、なんかステータス盛り過ぎてません?」


そう思ってテラ様にステータスの事を聞いてみますが、テラ様は当然のように答えられました。


『ダークエルフとして生活した場合に取得可能なスキルと戦乙女に必要なスキルだけですよ?ストレージは転生特典で、暗視、精霊眼、空間認識はダークエルフの種族特性、不老、微小回復、微小再生は私の眷属になった事で取得したスキルですね』


テラ様はそう言われ、ステータスを盛ってはいない事の説明してくださりました。

どうやら戦乙女に必要なスキルとダークエルフの種族特性のスキル、テラ様の眷属になった事で取得したスキルがあるためにステータスを盛っているように見えたみたいです。


テラ様にそう説明されると反論しようがないので、スキルや魔法以外で気になった事を質問してみました。


「不老って事は18歳から歳を取らないって事ですか?」


『いいえ違います。勘違いしやすいのですが、不老とは『身体が老いない』だけですのできちんと歳を重ねる事が出来ます』


新しい身体が18歳なのは置いておいて、不老は歳を取らなくなるのではないみたいです。

しかし、ステータスでもう1つ気になる事がありました。


「それと・・・称号が増えてますけど?」


私がそう言うとテラ様もロカも意外な反応をされました。


『あら?ダークエルフ唯一の戦乙女だからかしら?人族やエルフでは取得前例はないわね?』


『初めて見る称号ですね、私は取得していません』


テラ様とロカのやり取りを聞いて私は疑問が湧きました。

ロカは私の称号《孤高の戦乙女》を見て、取得していないと答えたという事は、戦乙女だった事があるという事に思えました。


「あれ?ロカは戦乙女だったの?」


『ええ、私はこの世界で最初の戦乙女でした』


そんな疑問を口にするとロカは隠すことなく答えてくれました。

どうやらロカは最初は戦乙女として眷属になったみたいです。


「へぇ~じゃあ大先輩だね」


『まあ、そういうことにはなるけど戦乙女に先輩後輩って意識はあまりありません。みんな共に戦う仲間って意識の方が強いですね』


なにげなくそう言いますが戦乙女には先輩後輩の感覚はないようでした。


「ふ~ん、そうなんだ、共に戦う仲間か~」


その言葉をあらためて口にして私は思います。


(祐也ともそうなれればいいな)


戦乙女として祐也に協力する時には私もそうなれるようにと思いました。


『素体も決まりましたし神界に戻りますね』


不可抗力なところもあったけど無事に素体をもらったので、テラ様に連れられて神界に戻って来ました。


神界に戻ってくると、他の転生者はすでに訓練内容が決まってるようで、勉強してる人や剣を振ってる人、魔法の詠唱をしてる人など、それぞれが転生に向けて訓練を開始していました。


『私は一度、転生の処理をしてきます』


神界に戻ってきたテラ様はそう言われて移動されました。

私のトラブルがなければもう転生の処理は終わってたんじゃないかと思いますが、しっかり対応してくださったテラ様には頭が下がります。


『それではリーネも訓練内容を決めて訓練を始めましょう』


ロカから新しい名前の愛称で呼ばれましたが意外とすんなり受け入れられました。

やはり『りんね』と響きが似てるのが良かったみたいです。


「あ~取得するスキルを決めなきゃいけないね」


そういえばまだ取得するスキルを決めていない事を思い出しました。

しかし、さっき新しい身体のステータスを確認して、取得するスキルが余計に思いつかなくなってます。


『ある程度は私が決めてあげます。必須になるスキルもあるけどリーネには分からないでしょう?』


「そうしてもらえると助かります」


そう言ってくれたロカの言葉を聞いて正直な気持ちが口から出ました。

とても自分で取得するスキルを決める事は出来なさそうだったのでロカの申し出が本当にありがたかったのです。


そんなわけで、いろいろとあったけどやっと取得するスキルが決めれそうです。

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