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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第二章 戦乙女として
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67.活動準備

新しい部隊の隊長となった私は、隊員の選出と訓練を担当するロカに相談することにしました。


「ロカ、ちょっと相談したいことがあるのだけど・・・」


『はぁ、新しい部隊のことでしょ?』


私が相談したい旨を伝えると、ロカはため息をついてそうこたえました。

どうやらロカは新しい部隊の選出と訓練を担当することに不満があるように見えます。


「ええ、そうだけど、大丈夫?」


『大丈夫もなにも『リーネには説明しておくから後はよろしくね』って丸投げされたのよ』


話を聞いてロカの機嫌が悪い理由がわかりました。

最近のロカは、なにかとテラ様から丸投げされることが増えているみたいなのです。

テラ様は女神になる訓練のつもりかもしれませんが、あまり頻繁に丸投げされるとロカでなくても嫌気がします。


「じゃあ、相談は止めておくわ」


『別に相談を受けないとは言ってないよ、どうせ私にも関係があるんだから気にしないで』


私は本当にロカには頭が下がります。

自分もたいへんだろうに、それでもロカは私の相談を受けてくれるのです。


「ありがとう、ロカ」


『それで、どんなこと?』


「気になっているのは、冒険者ギルドのことなの。私が隠密活動で現世に留まるためにテラ様がギルドカードを準備してくださったのだけど、それがA級なの。訓練である程度は冒険者のことを理解しているつもりだけど、A級冒険者となるとどうしていいかわからないのよ」


『なるほどね。じゃあ、まずは冒険者のことだけど、一般的にはC級には努力さえすればなれると言われているのよ。それ以上は運と実力が無いと上がれないと言われているけど、私からすればA級までは実力でどうにか出来るのよ。実際に私がそうだったからね』


「じゃあ、私の実力ならA級でも問題無いってこと?」


『そうよ、A級と言ってもピンキリだから、頭の悪いヤツもいれば性格の悪いヤツもいるの。だからリーネの実力ならA級のギルドカードを持っていても問題は無いのよ』


ロカの説明を聞いて私はほっとしました。

とりあえず非常識なことをしなければA級冒険者としてやっていけそうだからです。


『もし具体的なことを聞かれたら、冒険者ギルドの拠点はガストール王国で、魔の森で魔物の討伐をしてA級になったって言えば大丈夫よ。魔の森の東側にはダークエルフの集落もあったはずだからそう言えば誰も疑わないと思うよ』


ロカはそう言って、具体的な対応策も話してくれました。

冒険者のことは実力でA級になったロカの言うとおりにすれば問題無いだろうと思い、ロカの提案どおりにすることにしました。


「ありがとう、ロカ。これでボロを出さずに済みそうだわ」


『じゃあ、後は偽装のステータスも決めておいたほうがいいよ。現世に留まるならいつ鑑定されても大丈夫なように偽装でA級冒険者っぽいステータスにしておこう』


ロカにステータスの偽装を提案されて思い出しました。

私は現世に降りる時のために偽装のスキルを持っていますが、今まで必要が無かったのでステータスの偽装はしていませんでした。


ステータスの偽装をすることにした私はロカの意見を参加に偽装ステータスを作ります。

ロカの話によると、スキルレベルは下手に変更すると逆に偽装がバレやすくなるとのことで、スキルレベルはいじらずに使わないスキルを消しておくことにします。


魔法に関してはレベルに対応した魔法を使わないかぎりバレないとのことで、全体的にレベルを下げておきます。

また、神聖魔法はダークエルフが使えるのは珍しいらしいので、複合魔法ともども消しておきます。


後は女神様の眷属とわかる項目を消して偽装ステータスが完成しました。


名前:クエフリーネ

年齢:19歳

種族:ダークエルフ

加護:ー

スキル:

戦闘スキル/格闘術6・剣術6・弓術7・索敵6・隠密5

一般スキル/多言語5・料理5・薬学6・調合6・医学1・一般教養5・解体5・追跡7・魔物学6・錬金術3

永続スキル/暗視・精霊眼・空間認識

魔法:

生活魔法/種火・造水・クリーン・ライト・乾燥

属性魔法・火3/ファイアアロー・ファイアボール

    ・水4/ウォーターボール・アイスアロー・ウォーターウォール

    ・風4/ウインドカッター・エアウォール

    ・土5/ストーンブレット・アースウォール・ピット・アースニードル・ショットガン

    ・光5/フラッシュ・ライトニング

時空魔法1/時空庫


称号:ー


偽装ステータスはややスキルや魔法が多いが、無くはないとのことだったのでこれに決めました。


「ごめん、ロカ、装備のことも相談したいの。テラ様からは以前いただいた黒の装備を使うように言われたんだけど、普段あの装備をつけるわけにはいかないでしょ?」


『まあ、あの装備はパッと見でも普通と違うように見えるからね。A級冒険者なら2つ、3つは魔力の付与がされた装備を持っているって考えると、剣と胸当て、ブーツだけ流用して使ったらいいと思うよ』


「なるほど」


私はそのへんの基準がさっぱりわからないので、ロカの提案どおりに剣と胸当て、ブーツだけを使うことにして、それ以外は実地訓練の時に使っていた装備を流用します。


私が仮で装備を身につけるとロカが笑い出しました。


『ふふっ、リーネ、凄く、変よ』


「ちょっと!そんなに笑わなくてもいいでしょ!」


私はそう言いつつ自分の姿を見ると、若草色のチュニックと黒の胸当てが壊滅的に合ってませんでした。


『チュニックも流用したほうがいいんじゃない?』


ロカに提案されるまでもなく、私もそう思いました。

多少装備が目立っても今の姿よりはそのほうがよほど普通に見えます。


「わかってるわよ。私もさすがにこの格好は無いと思うわ」


そう言いつつ私はチュニックを変更します。


『まあ、それで大丈夫だと思うよ』


これで隠密活動をおこなう準備は出来ましたが、やはりしばらく1人というのは気になるので、隊員の選出がどうなっているのかロカに聞きます。


「隊員の選出のほうはどうなっているの?」


私がそう聞くと、ロカは困ったような表情でこたえました。


『戦乙女達の中で隠密スキルを持っている者は少ないの。それにスキルを持っていても素人に毛が生えた程度だから難航してるのよ』


ロカの話では隠密スキル持ちが少ないみたいだけど、森で生活しているエルフならそれなりにスキルを持っているのではないかと思って聞くと、女神様を信仰しているエルフは少ないらしい。

女神様を信仰していない者が女神様の眷属である戦乙女になることはありえないので、もともとエルフだった戦乙女も少ないとのことでした。


そう言われてみれば、私が知っているエルフの眷属は天使長のエリザリーナさんと第17部隊長のエミニエールだけでした。


「私の勝手なイメージだけど、多くのエルフは女神様を信仰していると思っていたわ」


『森で生活しているエルフには精霊のほうが馴染み深いから精霊信仰がほとんどなのよ』


どうやら、森で生活しているエルフは精霊の恩恵を授かることが多いから自然と精霊信仰になってしまうらしい。


『そういうわけで選出が難航してるのよ』


私はロカの説明を聞いてしばらくは1人で活動する覚悟を決めました。

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