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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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6.素体

しばらくすると話しがまとまったようで、テラ様とロカが私のところに来られました。


『岡崎燐子さんには転生準備の訓練に入る前に素体を選んでもらう事になりました。素体は天界に保管していますのでいったん移動します』


テラ様がそう言われ、腕を軽く振るわれると、ふわっとした感覚の後、白い風景が一変して大きな建物がある空間に移っていました。


「今のは?」


『空間跳躍の一種です。天界に素体を保管している建物がありますので神界から移動して来ました』


状況が分からずに私がそうつぶやくと、テラ様は説明するようにそう言われてから大きな建物に向かって移動されます。

私もロカと一緒にテラ様の後に続いて向かいつつ疑問に思った事をロカに質問しました。


「ロカ、神界と天界ってどう違うの?」


『そのまま『神様がいるのが神界』で『天使や戦乙女がいるのが天界』です。活動拠点の違いみたいなものです』


(やっぱりそのままなんだ)


確認のために聞いてみましたが、やはり神界と天界の違いは私が思ったとおりみたいです。

そんな事を考えていると、大きな建物の前についたテラ様が説明してくださります。


『こちらが素体を保管している建物になります。こちらには人族、エルフ、ドワーフ、ハーフリング、ダークエルフの素体が保管されています。戦乙女のイメージに合う種族しか素体は準備していませんのでこの中から選んでもらう事になります』


テラ様の説明を聞いて私が少しワクワクしていると、隣にいたロカがテラ様に声をかけました。


『テラ様』


『なんでしょう?』


『ダークエルフの素体なんていつお作りになったのですか?』


『少し前ですね。身体能力と魔法能力の両方が高い素体を作ろうと思ったのですが、両方ともに高い種族は魔族、吸血鬼、ダークエルフしかありませんでした。魔族と吸血鬼は戦乙女のイメージから外れ過ぎるので今回はダークエルフのみ作りました』


テラ様がそう説明されると、ロカは少しあきれたような返事を返しました。


『はぁ、テラ様。ダークエルフの素体を選ぶ物好きが現れるといいですね』


『えぇ、次は吸血鬼の真祖で素体を作ってみようと思います。真祖ならギリギリ戦乙女でも大丈夫でしょう?』


ロカのあきれたような返事を聞いたテラ様が、たのしそうに返事をされたのを聞いたロカは、今度は困ったような表情で返事を返しました。


『いや、出来れば真祖の素体は作らないでもらいたいのですが・・・』


『やっぱりイメージが悪いかしら?』


『まあ、そうですね・・・』


テラ様と素体についてやり取りをしてたロカは少し困惑気味でした。

吸血鬼は私でもさすがにダメだろうと思うけど、ロカの反応をみるとダークエルフの素体にも何か問題があるのかもしれません。


とりあえず私はキリのいいタイミングでテラ様に聞きました。


「とりあえず素体を見てもいいですか?」


そう聞くとテラ様は建物の入り口を開けて言われます。


『ええ、どうぞ。カプセルを開けて見てもかまいませんが素体に触れると魂との結合が始まってしまいますので注意してください』


そんな簡単に魂と結合してしまうならカプセルを開けないほうがいいんじゃないかと思わなくもないけど、とにかく素体を見てみないとどうする事も出来ないので建物の中に入りました。


テラ様に案内された建物の中に入ると、素体の入ったSFチックなカプセルが横たわってずらりと並んでいました。

この世界は剣と魔法の世界と言われてただけに、SFチックなカプセルが並んでる事に違和感を覚えますが、今は気にしてもしょうがないので、そんなカプセルに入った素体を入り口のほうから順番に見ていきます。


素体の種族は人族が圧倒的に多く、次にエルフが多いのですがドワーフは2体、ハーフリングは1体しかいませんでした。


人族はいろんな髪色や肌色をした素体があり、身長も150cm~165cmと幅広いです。

エルフは髪色が金髪や銀髪がほとんどで肌色は白く、身長も155cm前後って感じでした。

ドワーフとハーフリングは12歳ぐらいの幼女にしか見えませんが成人年齢らしいです。


(全体的に身長が低めかな?たしかに可愛いんだけど、どの素体も似た感じがして決め手にならないしどうしよう?)


私がイメージしてた戦乙女はどちらかというと格好良いイメージだったため、今のところどの素体も私のイメージには合いません。

しかし、素体を選ばないわけにはいかないのでロカにどうすればいいか聞いてみます。


「ロカ?どの素体を選ぶか迷うんだけど・・・」


『こういうのは直感が大事です。これはっていう素体が見つかればその素体がいいと思います』


私の質問に対してロカは直感で選ぶように言いますが、それが出来れば質問してません。


(直感でこれっていうのが見つからないから困ってるんだけど・・・)


しょうがないので私はダークエルフの素体を見せてもらえるようにテラ様にお願いします。


「あの、テラ様・・・ダークエルフの素体を見せていただけますか?」


『ダークエルフの素体はこちらです。私的には一押しなんですよ♪』


私のお願いを聞いたテラ様は嬉しそうにそう言われて、私をダークエルフの素体のあるところまで案内してくださります。

テラ様に案内されて移動した先に遠目から見ても肌の色が違う素体が見つかりました。


テラ様に案内されたところにあったダークエルフの素体は、綺麗な灰色寄りな褐色の肌にやや緑がかった銀髪をしていて、テラ様の説明によると瞳の色は翡翠色をしているらしいです。

身長も170cmほどあり、体型を見てリオのカーニバルで踊る女性をイメージ出来ました。


今まで見た素体の中ではダークエルフの素体が私のイメージに最も近かったので、しっかり見るためにカプセルを開ける事にしました。


テラ様に開け方を教えてもらい、カプセルを開けてあらためてダークエルフの素体を見ると、カプセル越しでは見えなかったお尻などもしっかり見ることが出来ます。


(うわ~肌色は慣れないけど身長もあってボンキュッボンて感じ。今までの素体は『可愛い』ってイメージが強かったけど、この素体は『格好いい』いや『格好可愛い』って感じがする。胸がこれだけあってウエストが嘘のようにキュッと絞まってるしお尻もプリってしてるなんて男性の理想なんじゃないかな?)


自分が思ってる理想体型なダークエルフの素体を見て、興奮しながら細過ぎるウエストを触ろうとしました。


『駄目よ!りんねっ!』


「えっ?あっ!」


その瞬間、ロカが声を上げたのを聞いて『素体に触れると魂との結合が始まる』事を思い出しますが、すでに私の手はダークエルフの素体に触れていました。


そして気がつけば私は素体へと吸い込まれてしまいました。


『岡崎燐子さんは私と同じ感性をお持ちのようで嬉しいです♪』


『いや、テラ様?今のは選んだんじゃないですよ。それにりんねは最終的に転生するんですよ?ダークエルフで転生なんてわざわざ苦労するようなものじゃないですか!』


『素体としては私が今まで作った中で最高傑作ですよ?』


『この場合ダークエルフに転生ってところが重要なのです。迫害対象ですよ?』


『もう素体は決定してしまいましたのでどうする事も出来ませんね。ダークエルフは種族特性も高いですし今回の素体は初めての試みもしております。迫害対象と言っても一部の王国のみですのでなんとかなるでしょう』


『ダークエルフの素体で何かなされたのですか?』


『秘密です♪』


こうして私の転生は転生後も問題を抱える事になりました。

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