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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
43/113

43.問題児

私達がテラ様から新しい装備をいただいてから10日ぐらい経ったある日、私はテラ様に呼ばれました。

私を呼びにきたロカと一緒に神界に移動すると1人の男性が私に近づいてきます。


「あれ?新しい転生者?」


私がロカに聞くと、ロカは苦い顔をして答えます。


『いいえ、リーネと一緒にこちらに来た転生者よ』


「えっ?なんでまだ転生してないの?」


私達がそんなやり取りをしていると、近づいて来た男性が私に声をかけてきました。


『あんたが岡崎燐子さんか、おれは比良石龍朗(ひらいしたつろう)、略してヒーローだ』


「はぁ?」


私は慌ててこっそりロカに聞きます。


「(ロカ、こいつなんなの?なんで私のことを知ってるの?)」


『(担当の天使から根ほり葉ほりと聞いたらしいよ)」


「(えっ~!なんなのこいつ!)」


私がロカとコソコソしてると比良石龍朗と名乗った男性が話しかけてきます。


『おい、聞いてるのか?』


私はしかたなく返事をします。


「私になにか用なの?」


『おまえの彼氏が勇者なんだろ?』


(こいつ、どこまで知ってるのよ!)


「それで?」


『おれ、勇者が死ぬまで転生しないことにしたから』


「はぁ?!」


私はわけがわからなくなりロカに聞きます。


「(ロカ、そんなこと出来るの?)」


『(それが、テラ様にさんざんゴネたらしいのよ)』


「(テラ様にゴネたって、ほんとに?)」


『(さんざんゴネられてテラ様が折れたそうよ)』


「(信じらんない!)」


『おい、コソコソしないで言いたいことは言えよ』


私はカッとなりつい大きな声で話してしまいます。


「あんたバカなの!テラ様にゴネるなんて何様のつもりよ!」


『ヒーローの俺様!』


「そんなこと言ってんじゃないの!なんで人のこと聞きまわってるのよ!」


『なんかトラブってたみたいだから俺様が解決してやろうと思って情報収集しただけだよ』


「女神様がいるのになんであんたが出張ってくるのよ!」


『ヒーローだから!』


「あんたの世話になるつもりはないの!」


『ヒーローの俺様が勝手にやるからいいんだよ』


「いらないお世話だって言ってるの!」


『もう決めたからいまさら変更は不可能』


「だから私以外の人を助けてなさいよ!」


『最初に助けるって決めた人を助けないなんて、そんなのはヒーローじゃないから無理!』


(もぅ!こいつ、なんなの!)


私は頭が痛くなってきました。


『それにしても、なんでダークエルフなんだ?ダークエルフって邪悪じゃないのか?』


彼の言葉に反論しようとした私にかわり、ロカが返事をしてくれます。


『本当にちゃんと世界のことを勉強したの?この世界のダークエルフは迫害されているだけで普通の1種族に過ぎないのよ』


『あぁ、そうだっけ?地球の情報だとダークエルフは邪神の眷属だって話もあったから混同してたか』


『この世界には邪神はいないから邪悪な種族も存在していないのよ』


『よし!じゃあ、岡崎燐子さんを助けるついでにダークエルフを助けるか!』


「だから、私は助けてなんて言ってないでしょ!」


『じゃあ、おれは訓練にもどるからよろしく!』


「話を聞け!!」


私はあまりの勝手な言い分に腹を立てて怒りがおさまりません。

そんな私にロカが謝ってきます。


『ごめんねリーネ。彼がどうしても1度会わせろって言うから会わせたんだけど、こんなことになるなんて』


そこへテラ様がやってきました。


『ごめんなさいね、クエフリーネさん。彼がどうしてもクエフリーネさんの転生の手助けをするって言って転生してくれないのよ』


「もう魂の浄化をして普通に転生してもらったらダメなんですか?」


『それがそうもいかないの。今回の転生者の中で彼が1番カルマポイントが高いのよ』


「え~あいつが?!」


『彼はあんなだけど死ぬまでに1万人以上の人を助けているのよ』


「じゃあ、訓練期間は終了です!って言って転生してもらえないの?」


『担当の天使が訓練期間は彼が納得するまでって言質を取られてしまっているの。だから彼が納得するまで訓練期間ということになってしまったのよ』


「マジですか・・・」


『彼は勝手に助けるから直接は関わらないって言ってるからガマンしてくれる?』


「そもそもなんで祐也が死ぬまで転生しないなんて言ってるんですか?」


『勇者がいたら自分がヒーローだって認められないだろって』


「もう、ほんとに信じらんないよ」


『本当にごめんなさいね、彼は1度クエフリーネさんに会って納得したみたいだから、現世に降りるまで彼とは会わないようにしておくから』


「これってテラ様のせいじゃないですよね?だから謝らないでください。私もとりあえず忘れることにします」


私はそう言って今日のことは忘れることにしました。

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