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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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42.新たな装備

『2人とも理解していただいたようですし、私も要件を済ましてしまいますね』


テラ様はそう言われると黒い剣と装備一式を取り出され私に渡してこられます。


「テラ様?これは?」


『以前ご希望されていた黒い装備ですよ、鎧だけではしまらないのでセットで剣も準備いたしました』


「えっ?!そんな話しましたっけ?」


『クエフリーネさんが天界で訓練をされるようになってすぐぐらいですかね』


『あ~そう言えばリーネがそんなことを口走ってたっけ』


『もう1つのリボン状の武器については形状をどうするか検討中ですのでしばらくお待ちくださいね』


「いや、リボン状の武器はもういいです!」


『そうですか?せっかく2案まで絞りましたのに。本当にいいのですか?』


「はい!この装備だけで十分です!」


『わかりました。それと、これは人として現世で活動する時に使ってください』


テラ様はそう言われて一振りの剣を渡してこられます。

テラ様から渡された剣は剣身が1.5mほどで柄が長く両手で持てるようになっている剣でした。


「これは?」


『実地訓練で剣を折られたでしょう?その代わりとなる剣です』


『テラ様、普通の剣ですよね?』


『ドワーフの鍛冶師が作った普通の剣ですよ?』


『はぁ、リーネ、ちょっと鑑定してみて』


「うん?」


私はロカに促され剣を鑑定しました。


名称:ー

形状:バスタードソード

品質:A

レア:A

特性:耐久性上昇

※鉄製の高品質なバスタードソード


『まあ、ギリギリ普通と呼べるか』


ロカも鑑定したみたいでそんなふうに口にしました。

私はいまいち普通の基準がわからないのでロカに質問します。


「この剣は普通なの?」


『お金さえ出せば買えるぐらいの剣だから普通と言えなくはないよ』


『普通の剣と言ったでしょ?』


『テラ様の普通が心配だったのよ』


「お金で買えるってどれぐらいの値段?」


『金貨1万枚ぐらいよ』


「え?銅貨が100円ぐらいだから・・・100万円!」


『鉄製だからドワーフが作った剣にしたら安いほうじゃないかな?ミスリルを使ってたりしたらこの100倍の値はつくと思うよ』


「ほぇ~剣ってそんなにするんだ」


『武器なんて材料や品質によってマチマチだから下は金貨1枚から上は上限無しって感じよ』


「へぇ~ちなみに私が折っちゃった剣は?」


『金貨3枚よ』


「3万円か~けっこう安いのかな?」


『はいはい、じゃあ、本命の剣と装備を説明しますからね~』


「テラ様、楽しそうですね?」


『ええ、楽しいですよ♪クエフリーネさんのために考えた装備のお披露目なんですから。じゃあ、まずは装備してもらえますか』


「わかりました」


私は受け取った装備一式をストレージの固定装備にセットして換装します。

私が換装して身につけた装備は、さきほどの剣よりやや幅広い真っ黒な剣に革製の黒い胸当てと濃いグレーのチュニック、肘まで覆う革製の黒い籠手、膝まで覆う革製の黒いブーツに太もも上部までの薄いグレーのタイツ、なぜか左目を覆う感じの髪飾りという装備でした。


『思った通り、黒い装備もよく似合いますね♪では性能を説明します』


『テラ様、ちょっと待ってください』


『ロカ、どうしました?』


『この装備は戦乙女の装備ってことですか?』


『え~と、一応そうですね』


『一応ってどういうことですか?』


『単独で潜入することを考えて特性をつけましたので一応です』


『今のところ戦乙女は部隊単位で動いていて単独行動はしていませんが?』


『今後は単独行動の必要性も出て来ると思われますのでそのための試行と思ってください』


『わかりました』


(あれ?今のやり取りだと私だけ単独行動することにならない?)


『では、あらためて剣からです。この剣はブロードソードをベースに不壊特性をつけています』


「えっ?」


『それだけですか?』


『クエフリーネさん、剣を見えないように意識してもらえますか?』


「剣を見えないように?」


私はテラ様に促され剣が透明になるように意識します。

すると私の持っている剣がフッと消えますが、手には剣を持つ感覚がちゃんとありました。


「ほんとに見えなくなったよ」


『このように使っている本人以外が認識出来なくすることが出来ます』


『部隊で動いている時にこの剣を使うのは危険ですが単独行動なら意義がありますね』


『さらに、この剣は2本の剣に分離することが出来ます』


「えっ?この状態から2本に出来るんですか?」


『そうです、分離と意識していただくと2本に別れます』


私は言われた通りに両手で剣を持ち分離と意識すると両手に剣を持つ感覚がありました。


「テラ様、分離は出来たみたいだけどこれって私も確認出来ないんですが?」


『大丈夫です、では次は左目に魔力を込めてみてください』


「えっ?左目?」


私はわけがわからずに左目に魔力を込めると左目だけに消えたはずの剣が見えました。


「あれ?左目だけに剣が見えます」


『はい、次は髪飾りですよ。この髪飾りはクエフリーネさんの装備と同じように不壊特性に精神攻撃無効、思考補助の特性がついています。そして左目の部分には視力倍増に幻覚無効の特性をつけています』


『視力倍増に幻覚無効ですか』


「幻覚無効があるから剣が見えるってことですか?」


『そうです、幻覚無効の特性は魔法的な視覚の変化を無効にする特性ですから剣の特性である透明化を無効にして見ることが出来ます』


「へぇ~ちょっと違和感あるけどこれなら透明にしててもちゃんと使えそう」


私は透明化した剣を振りながら言います。


『ちょっと、リーネ!危ないからやめなさいって、私には見えないのよ』


「あっそうか、ごめんごめん」


『それにしてもよく髪飾りにそれだけの特性をつけれましたね』


『髪飾りだけに3つ以上の特性をつけるのはたいへんですので左目の部分は髪飾りとは別の部分仮面にして特性をつけました。髪飾りとは物理的についてはいますが2つのアイテムを使っていることになります』


『なるほど、では、やりようによってはもっと特性をつけることも可能ってことですね』


『ええ、そうです』


「へぇ~じゃあ、何個かのパーツに分かれた髪飾りとかならいっぱい特性がつけれるのか~」


『次は胸当てですね。この胸当ては不壊特性に物理耐性と魔法耐性はまでは同じで、あらたに認識阻害の特性をつけています』


『認識阻害ですか?』


『この認識阻害の特性は認識されていない相手に見つかることを阻害します』


「ん?イマイチよくわかんないや」


『例えば、木に擬態した虫がいたとします。この虫は誰の目にも見えていますが虫がいると認識出来ない人がいますよね。それと同じような効果があり人がいると認識しにくくします』


「なんとなくはわかりました。目の前にいるけど気がつかないって感じですね?」


『そうです、意識的に探せば見つかってしまいますが無意識に見たぐらいでは認識されません』


『なかなか面白い特性ですね。潜入時にどの程度の効果があるのか確認が必要そうですが』


『そうですね。では次は籠手です。籠手には不壊特性と重力軽減、障壁創造の特性ですからこれらは説明はいりませんね。同じくブーツも不壊特性に空間制御、速度上昇です』


「籠手やブーツには新しい特性は無いんですね」


『現状ではこれ以上の特性をつけるのは難しいので今のところはこのままですね』


『後はチュニックとタイツですがこれらには不壊特性と消音の特性をつけています。消音の特性は自分が発する音を無くす特性です』


「消音か~新しい特性は潜入には便利そうだね」


『潜入というより暗殺じゃないかな?見た目的にもそんな感じよ』


「暗殺って戦乙女のイメージとかけ離れてない?」


『そうよね。テラ様、この新しい装備は戦乙女のイメージよりも暗殺者のイメージが強いと思うんですが?』


『ええ、今回は戦乙女のイメージとは違う装備にしました』


『なぜですか?』


『このところ送り込まれてくる魔物は高い知能を持ち擬装や隠蔽に優れた魔物も多くなってきています。ですからこちらが一目見て戦乙女とわかる装備では逃げられてしまう可能性が高くなってきているのです』


『ちょっと厄介ですね』


「送り込まれてくる魔物が強くなっているんですか?」


『強くというよりは狡猾になってきていると言ったほうが正しいでしょうね』


「そっか~ますますたいへんだね」


『それにしてもリーネのその格好、どちらが悪かわからない格好よね』


「え~そうかな?格好良くない?」


『ダークヒーローって感じをイメージしたんですよ?』


『2人とも地球のイメージで話さないでください。こちらでその格好だと暗躍しているダークエルフにしか見えませんよ』


『戦乙女と気がつかなければ狙いどおりなので大丈夫ですよ』


「そうそう、テラ様もこうおっしゃってるし大丈夫だって」


『装備に慣らすのに訓練が必要なんですよ?』


『実地訓練があるでしょう?』


『私とリーネが並んだらおかしなことになるでしょ!』


「じゃあ、テラ様、ロカにも作ってあげてください」


『ロカ、欲しいならちゃんと言ってくださいね』


『違います、たしかに新しい装備は欲しいですがそういうことじゃありません!』


『大丈夫、ちゃんとロカの装備も準備してありますよ』


『えっ?』


「やったね、ロカ!新しい装備がもらえるんだって!」


『いや、あの・・・』


『だって、私の眷属はあなた達2人だけなのよ。それなのに私がクエフリーネさんばかりひいきにしたらロカはおもしろくないでしょ?』


テラ様はそう言われて一振りの剣と装備一式を取り出されます。


『そういうことでは・・・』


「ロカ、ここは素直に受け取ったらいいんじゃない?」


『・・・はい』


私がロカを促すとロカはテラ様から装備一式を受け取ります。

ロカは受け取った装備を無言のままストレージにしまい装備を換装しました。

ロカが装備した鎧は黒をベースにえんじ色を取り入れた鎧でした。


『ロカの装備ですが、剣は使い慣れたバスタードソードをベースに不壊特性と斬撃強化、物理耐性弱化の特性がつけてあります。髪飾りはシンプルに不壊特性と精神攻撃無効、思考補助で、残りの防具はタイツが無いだけでクエフリーネさんと同じ性能になっています』


『テラ様、ありがとうございます』


「良かったね、ロカ。私とお揃いだよ」


『ええ、こんなに嬉しいことはひさしぶりよ』


『あなた達2人は私の子供のようなものなのですから、ロカももっとわがままを言ってもいいのですよ』


『いえ、今回新しい装備をもらえただけで十分です』


「ロカってほんとマジメだよね」


『リーネが適当過ぎるのよ』


テラ様はそんなやり取りをする私達を優しく見守っていました。

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