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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
38/113

38.オークを

野営場所に移動する途中で私はロカに声をかけます。


「ロカ、ちょっと聞きたいことがいろいろあるんだけどいいかな?」


『そう言えばリーネに説明しないとダメか。何が聞きたいの?』


「いろいろあるけどやっぱり自分のことからかな?彼女があっちとかこっちとか言ってたけどあれってどういうこと?」


『リーネにはダークエルフは迫害の対象になっているってことは説明したよね?』


「えっ?聞いてないよ?」


『あれ?説明してなかった?最近言った気がするんだけど・・・。じゃあ、あらためて説明するよ』


「うん」


『ダークエルフは見た目が色の濃いエルフって感じでしょ?』


「確かにエルフとくらべたらそう感じるよね」


『それで、肌の白いエルフは神聖、肌の濃いダークエルフは邪悪ってイメージがついてて、一部の王国では迫害の対象になってるのよ』


「あ~肌色のイメージか~それはあるよね」


『魔の森を挟むように西にテルヴィラ王国、東にガストール王国があって、ガストール王国は比較的おおらかでダークエルフも受け入れられているんだけど、テルヴィラ王国は迫害の対象にしているのよ』


「あっ、それでさっきいた所がテルヴィラ王国に近いからあっちとかこっちとか言ってたのか」


『そういうこと。それで、次はなにを聞きたい?』


「じゃあ、ロカがペラペラと嘘をついてたこと」


『人聞きの悪い言い方をしないでよ。あれは、あらかじめ人に見つかった時のことを想定していたからよ』


「人に見つかった時のことを考えてたんだ。ロカって嘘をつくのは下手なはずなのにどうしたんだろって思ったよ」


『私が顔にでるのは親しい間柄だけでしょ。今回みたいなやり取りは人族だった頃もよくあったからあれぐらいは対応出来るよ』


「そういえば冒険者にトラブルはつきものって言ってたけど、それって過大表現じゃなくて事実ってこと?」


『そうよ、だから冒険者には会いたくなかったの。後は何かある?』


「じゃあ、後はギルドカード?だったっけ?」


『冒険者ギルドのギルドカードよ。冒険者になると実力によって階級にわかれるの。最初は見習いのF級から始まって特殊なS級まであるけど、一般的にはA級が最上級とされているの。それで階級によってギルドカードの素材が変わるから、ギルドカードを見れば階級がすぐにわかるようになってるのよ』


「それでロカはA級で金のカードってこと?じゃあ、S級は?」


『S級はミスリルよ』


「あっ、ミスリルか。あれ?ロカのカードって今のやつ?」


『いいえ、昔のよ。冒険者ギルドとギルドカードのシステムはテラ様がこの世界を創られた時に一緒に作られたからずっと変わらないのよ』


「へぇ~最初からあるシステムなんだ」


『一般的には知られてないけどね』


「普通は女神様が作ったなんて思わないもんね」


そうこうしていると野営場所まで戻ってきました。


『ちょっと休憩しようか』


「ちょっとした訓練みたいだったしね」


そこで私達は休憩を取ることにしました。


私達は休憩をとりながらこの後の方針を相談します。


「ねえ、この後はどうするの?」


『本当ならゴブリンの巣を襲撃してたはずなんだけど、彼らのおかげで予定が狂っちゃったから悩んでるの』


「ほかのゴブリンの巣を探したらダメなの?」


『ゴブリン達にも縄張りがあるから違う巣を探すとなるとだいぶ移動する必要があるのよ』


「じゃあ、今日はゴブリンの巣を探すのは難しいんだ」


『この辺よりもっと外周部に近い所に行けばあるだろうけど、そこまで行くと確実に人に会うだろうから行けないし・・・オークなら・・・』


「そういえば!さっきロカがゴブリン達と戦ってたのを見てたけどほとんど止まってなかったよね!」


『突然どうしたの?』


「さっきのロカの動きが凄いねって」


『相手が2~3体ぐらいまでなら対峙してもいいんだけど、それ以上になると死角から攻撃される可能性が高くなるから常に移動して死角に敵をおかないようにするのよ』


「ロカは簡単そうにやってたけど実際は難しいんでしょ?」


『そうね、常に周りの状況を確認しながら立ち回り方を考えて行動するのよ』


「やっぱり難しそうだね」


『状況の確認や立ち回りは経験が物を言うから訓練が必要なのよ』


「あ~やっぱり1人でやらなきゃダメなのか」


『そういうことだからオークでしてもらうよ』


「え~!オークはヤダって言ったのに~」


『しょうがないでしょ、ゴブリンの巣は冒険者に先を越されたんだから』


「じゃあ、フォレストウルフにしたらダメ?」


『フォレストウルフだと人型の魔物と立ち回り方が変わってくるからダメよ』


「はぁ・・・ダメか~」


『じゃあ、昨日オークを倒した所からオークの巣を探すよ』


ロカはそう言って移動しはじめます。


「あっ、ロカ、待ってよ~」


私はそう言ってロカを追いかけました。

しばらく移動して昨日オークを倒した所まで来ると、新しいオークの足跡が見つかりました。


『新しい足跡ね、出来てからあまり時間は経ってなさそうよ』


「じゃあ、足跡を追っていったらオークが見つかるよね?」


『ええ、この先にオークがいると思うから音を立てないように移動して』


「わかった」


私はロカと先頭を交代してその足跡を静かに追っていきます。

足跡を追って移動していくと前方に2体のオークが見つかりました。


「(ロカ、オークがいたよ)」


『(巣まで移動するかもしれないから見つからないように追いかけるよ)』


私は頷き、オークを追いかけます。

しばらくオークを追って移動していると、2体のオークはイノシシを引きずった3体のオークと合流します。

合流したオークが獲物を取っていたので巣に戻るようでした。


「(ロカ、巣まで戻るんじゃない?)」


『(獲物を持ってるからたぶんそうね。数が増えたから見つからないように注意して)』


オークの数が増えたので私達はさきほどよりも少し距離を空けてオークを追いかけます。

しばらくオークを追っていると前方が騒がしくなって来ました。

どうやらオークが巣についたようです。


「(ロカ、巣についたよ、思ったよりは少ないかな?)」


『(そうね、少し小さい巣だから数は少なめね)』


私達が見つけたオークの巣は、少し開けた場所に柱と屋根だけの雨よけのような物が5個作ってあり、そこにオーク達が30体ほど生活しているようでした。

巣の入り口は2体のオークが見張りをしています。


「(どうする?)」


『(じゃあ、1人でやってみて。危なくなったら援護するから)』


「(魔法で倒しちゃダメだよね?)」


『(ショットガンなら使ってもいいよ)』


「(はぁ・・・じゃあ、やってみる)」


私はそう言うと見張りの2体が射程に入る距離まで近づきショットガンを発動します。

見張りのオークがショットガンの攻撃を受けて騒いでいるうちに一気に近づき2体のオークを剣で切り倒します。

私はそのまま巣の中に入り、入り口近くで座り込んでいた2体のオークの首をハネました。

すると襲撃に気づいたオーク達が動き出し私のほうに近づいて来たので、1番近くにいるオークにこちらから近づき振ってきた腕をかわしながら横をすり抜けるように腹を切りつけます。

そのまま後ろにいるオークに近づき腕を切り落とすと横からくるオークのほうへ移動しました。

私に気づいたオーク達はなぜか武器を持たずに近づいてきていて、オークのなかには下腹部が立っている個体もみられます。


(こいつら最悪!私を襲うつもりだよ)


私は巣の中を右へ大きく回るように移動しながらおよそ半数のオークに切り倒すと残り半数のオーク達は武器を持ちはじめました。

私のことを敵と認識したようです。


武器を持ったオークの攻撃は私よりも攻撃範囲が広いため、攻撃をかいくぐりながら一撃をいれて移動していきます。

しばらく巣の外側を回るように移動していたが、気がつくといつの間にか移動出来るスペースが少なくなって来ました。


(やばっ!このままじゃ囲まれちゃう)


私はしかたなく移動先にある糞だめに足を踏み入れます。


(うわっ、くっさぁ~)


すると1体のオークが回り込んできていて、糞を飛び散らせながら攻撃して来ました。


「くそっ!」


私はオークの攻撃を受け流すために体勢を変えようとして足を滑らせました。


「あっ!」


攻撃を受け流そうとしていた私は体勢を崩し、オークの攻撃を真正面で受けることになってしまいます。

オークが振ってきた棍棒を無理な体勢で受けると、剣から嫌な音がして私の剣は中程からポッキリと折れてしまいました。


「うそっ!」


私はあわててショットガンを発動して攻撃してきたオークの横をすり抜けました。

なんとか糞だめから抜け出してオークと距離をとるとストレージからハルバードを取り出します。


「このっ!」


私は近づくオークにハルバードを横なぎに振り1体のオークを真っ二つにしました。

その攻撃を見たオーク達は怖じけづき攻撃の勢いが弱まったので、私はショットガンで牽制しつつハルバードを振ってオークを倒していきます。

私がオークを倒していき、無傷なオークが5体になったところでオーク達は入り口に向かって逃げ出しました。


「あっ、逃げちゃう!」


私は急いでオーク達を追いかけますがオーク達はすでに入り口から外に出ようとしています。

そこへオークを迎え撃つようにロカが現れました。


『ここはまかせて』


ロカはそう言うと5体のオークをあっという間に切り倒しました。

私は落ちついてまだ生きているオークにトドメをさしていきます。

するとロカがニヤニヤしながら私の近くまでやってきました。


「なに笑ってるのさ!」


『だって、リーネの姿が・・・』


「しょうがないでしょ!必死だったんだから!」


今の私の姿はオークの返り血と糞尿にまみれていました。


『ごめんごめん、リーネの姿がおかしくて・・・』


ロカはそう言いつつもまだニヤニヤしています。


「こいつらは私に欲情してくるし、剣は折れるし、糞まみれになるし、もう最悪だよ!」


私はクリーンをかけましたがまだニオイがついているような気になります。


『リーネ、本当にごめん、もう笑わないから』


「もういいよ、私だって自分じゃなかったら笑ってたと思うし」


『それで、1人でやってみてどうだった?』


「思ったようにはいかなかったよ。囲まれないように気をつけてたんだけど気がついたらスペースがなくなっててさ」


『リーネは移動しながら攻撃してたけど1方向にしか動いてなかったでしょ?オークは頭が悪いけどそれぐらいは気づくから先回りされたのよ』


「じゃあ、どうすればよかったの?」


『私ならオークが集まってきた時点で1度中央に移動するかな。その後は様子を見ながら反対側へ移動してオークをバラけさすよ』


「そっか、オークが集まらないように動かなきゃダメだったんだ」


『でも初めてにしては攻撃も受けてないし、それなりに立ち回りを考えて動けていたから及第点よ』


「及第点か~次はもっとうまく立ち回れると思うよ」


『じゃあ、次にいく?』


「今すぐって意味じゃないよ~」


『わかってる、冗談よ。さすがに疲れたと思うし休憩にするよ』


「こいつらはどうするの?」


『リーネ、オークのあつかいが酷くなってない?』


「もうこいつらでいいの!」


『はいはい、じゃあ、解体しなくていいからストレージにしまっていって』


「え~!こいつらも持って帰るの?」


『これだけのオークを持って帰ったら食料調達の手間がはぶけるからエリザが喜ぶよ』


「あ~そうだった、こいつらは食料になるんだった。エリザリーナさんにはお米を融通してもらったから、お礼もしたいしちゃんと持って帰るよ」


私達は手分けしてオークをストレージにしまっていきました。


『じゃあ、休憩するから滝まで跳んでくれる?』


「えっ、滝まで戻るの?」


『いくらクリーンで綺麗になってるっていっても水浴びぐらいはしたいでしょ?』


「水浴びしていいの?!確かにクリーンをかけても気分は良くないからしていいならするよ!」


『ええ、水浴びしていいよ』


「ロカ、ありがとう!じゃあ、跳ぶよ!」


私はそう言ってロカを掴み滝まで空間跳躍で移動しました。

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