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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
34/113

34.オークと

『じゃあ、訓練を続けるよ』


「訓練を続けるのは良いけどロカは食事をしないの?」


『1食抜くなんて冒険者をやってたらよくあることだからこのまま続けるよ』


「冒険者だとよくある事なのか」


『じゃあ、さっきの滝まで移動するけど、今度はリーネが空間跳躍で跳んで。場所のイメージは出来るでしょ?』


「わかった、さっきの滝だね」


私はさきはどの滝をイメージして空間跳躍を発動します。

すると、イメージ通りの場所に移動していました。


『うん、空間跳躍は大丈夫ね。今後の移動はリーネ主体で移動するから色々な場所のイメージをしっかり持っておいて』


「私が主体で移動するの?大丈夫かな~」


『リーネは前世の影響か分からないけど、場所の記憶が優れててイメージも速いから大丈夫よ』


「自分じゃ分からないけどな~あっ、何か聞こえなかった?」


『えっ?私は聞こえなかったけど?』


「(向こう側だよ)」


私は静かに音の聞こえた方向を指してそう答えます。


『(何かいる?)』


私が目を凝らして森の中をよく見ると何かがこちらに向かって来ているのが見えました。


「(ロカ、あそこ)」


『あれはオークね。こっちに気づいてるみたいよ』


こちらに向かって来ている魔物が良く見えるようになると、ブタの顔をした体長2m程の魔物が3体確認出来ました。


「どうする?」


『この距離だと簡単な魔法で数を減らして残りは近接攻撃で対処かな?』


「ゴブリンの時みたいな感じでいい?」


『ウインドカッターで数を減らしてみて』


「わかった、ウインドカッター!」


私は3本の真空の刃をイメージしてウインドカッターを発動します。

すると、勢い良く風が起こり3体のオークの首、腹、右腕にそれぞれ当たりました。


『何で3本もウインドカッターが飛んでるのよ?』


「だって3体いるんだから3体に攻撃しない?」


『普通は1本しか飛ばないの。訓練で使った時は1本だったでしょ?』


「訓練の時は敵もいなかったし・・・」


『単体攻撃魔法を複数同時に発動して別々の標的に攻撃するのって高等技術なのよ』


「そんなに難しく無かったよ?飛んでいくイメージを3本にしただけだし。それより生きてるやつは剣で倒したらいいよね?」


私はオークを見ながらそう質問します。

ウインドカッターを首に受けたオークと腹に受けたオークは既に死んでいて、右腕に受けたオークだけが右腕を切り落とされた痛みで暴れていました。


『はぁ、オークは力だけは強いから注意して』


「は~い」


私はそのままオークに向かいます。

私が近付くとオークは左手を振り回して来たので剣で左手をいなし首に剣を突き刺しました。


『まだよ!』


ロカの言葉と同時にオークが左手を振り払うように攻撃してきました。

私はとっさに剣を離し両腕でガードするようにして後ろに飛びます。

オークの左手が私の両腕に当たり強い衝撃を受けました。


「痛っ~たぁ~」


私を攻撃したオークは左手を振り払った勢いのまま地面に倒れて死にました。


『ちょっと油断したでしょ?魔物は首を攻撃されたぐらいじゃすぐに死なないから攻撃した後も回避行動はしておかないと痛い目にあうよ』


「もうあいました!あの状態から攻撃されるとは思わなかったよ」


『強い魔獣なんかだと首を落としてもしばらく行動するのもいるから、倒した確認が取れるまでは油断しないように気をつけて』


「首を落としても動くのか~ほんとに油断出来ないね」


『手はどう?』


「折れたりはしてないと思うけどちょっと痛いかな」


『ちょうど良いからヒールを使ってみて』


「ヒールって女神様にお願いするんだっけ?」


『お願いと言うか、お借りする感じだけどね。女神様のお力をお借りして傷を癒やすのがヒールよ』


「お力をお借りするのにお願いしないの?」


『う~ん、私達が魔法を使う時って体内魔力を使うでしょ?』


「うん、体内魔力を使って魔法を発動させるんだよね」


『普通の魔法は100%体内魔力を使うんだけど、神聖魔法は女神様のお力をお借りするからヒールなんかだと10%しか体内魔力を使わないのよ』


「えっ、10%しか使わないんだ。残りの90%は女神様にお借りするってこと?」


『そう、だから普段から女神様を信仰していないと神聖魔法を使う時にお力をお借り出来ないの』


「あれ?じゃあ、私は使えなくない?」


『私達は女神様の眷属だから神聖魔法を行使する力が備わっているのよ』


「私達は女神様の眷属だから神聖魔法が使えるってことか」


『その代わり、ちょっとしたヒールなんかだと女神様のお力をお借りせずに発動することになるから100%体内魔力を使うことになるのよ』


「私達はそうそう女神様のお力はお借り出来ないってこと?」


『女神様のお力がお借り出来ないって言うより、私達に女神様のお力の一端が備わっているってことよ』


「う~ん?難しいな~」


『とりあえず、私達は神聖魔法が使えるってことと、普通に体内魔力を使うってこと。じゃあ、ヒールを使ってみて』


「傷を癒やすイメージをしてヒールを発動させればいいのかな?」


『それでいいよ』


(傷を癒やすイメージ・・・細胞を活性化させて自然治癒を進める感じかな?)


「ヒール」


私がヒールを発動すると、両腕が淡く光り痛みが和らいでいきます。

しばらくすると両腕の痛みは完全に無くなりました。


「痛みが無くなったし、ちゃんと発動出来たみたい」


『ええ、ちゃんと発動出来てるよ。ヒールは外傷を癒やす魔法だけど傷が大きいと癒やすまでに必要な時間や魔力が増えるから良く覚えておいて』


「時間や魔力は傷の大きさに比例するってことだね」


『じゃあ、そのオークを解体しようか』


「改めて見るけど、オークって顔以外ブタっぽくないよね?」


『そうでもないよ。足はひづめ状で指が無いし筋肉の付き方も人とはだいぶ違うよ』


「あっ、ほんとだ。このオークは皮って剥ぐの?」


『オークの皮は剥がないで、頭と内臓を取って後は運びやすいようにブツ切りにしたら終わりよ』


「下のヤツはどうするのよ?」


『睾丸は薬になるから別に取っておいて』


「え~?取っておくの~?触るのヤダな~っていうか、こいつら全部オスじゃん!」


『オークはほとんどメスが生まれないから基本的にオスと思っておいたらいいよ』


「ほとんどメスが生まれないならどうやって繁殖してるの?」


『人を襲うのよ。何故かゴブリンなどの魔物はエサとしか認識しないけど一定の知識がある2足歩行をする生物なら繁殖のために襲うよ』


「うげっ!最悪じゃん、こいつら」


『そんなワケでオークは基本的にオスなの』


「変な想像しちゃって気分悪いわ」


『じゃあ、解体しちゃって』


「は~い」


私は嫌な気分のままオークを解体していきました。

3体のオークを解体してストレージにしまい、最後に睾丸が残ります。


「ロカ、何か袋はない?」


『肩掛け袋に皮の小袋が入ってるよ。そんなに触るの嫌?』


「もう触ったし!そのままストレージに入れるのが嫌なの!」


私は肩掛け袋から小袋を出して下の部分の入れます。


『動物の物と変わらないんだけどな』


「気分的に嫌なの!」


私はそう言いながらストレージに小袋を入れます。


『ふふっ♪リーネってウブなのね♪』


「どうせ私は経験がありませんよ~だ!」


『えっ?ほんとに?リーネは22歳で自殺したんだよね?』


「ほんとですよ~祐也とはずっと一緒だったけど、兄妹のような、恋人のような微妙な関係だったし」


『18歳で死んだ私でも経験があるのに』


「あれ?ロカって成人してから冒険者になったって言ってなかった?」


『この世界の成人は15歳よ。一般教養で教えたでしょ?』


「あぁ、そうだった。どうも知識関係は前世の方が強く出るんだよね」


『地球の知識は今回の転生で重要な要因みたいだからしょうがないんじゃない?』


「地球の知識は必要なんだろうね。ロカが言うように前向き考えるよ。それで、この後はどうする?」


『後2時間ぐらいこの近辺で魔物を狩るよ。それから野営と食事の準備をするから』


私達はこの近辺で魔物を狩るために移動します。

しばらく移動しているとオークを発見しました。


「(あ~またオークだよ。魔法でサクっと倒しちゃダメ?)」


『(リーネは魔法の適性が高いから近接戦闘を重点的に慣らした方がいいよ。2体だから魔法無しで倒してみて)』


「(わかりました~)」


私は静かにオークに近寄りハルバードをストレージから取り出します。

足もとにあった小石をオークの右側に投げて注意を逸らすと、一気に左側のオークに近づきハルバードを真横に振り払います。

私が振り払ったハルバードはオークの腹に命中して左側のオークは真っ二つになります。

私に気づいた右側のオークがフゴフゴ言いながら近づいて来たので、冷静にオークの足を払い転倒したオークの頭にハルバードを叩きつけました。


『不意打ちとはいえ一方的ね。普通のハルバードでオークを真っ二つにするとか、なかなか出来ないよ』


「割とイメージ通りに倒せたけど?」


『オークを真っ二つにしたのがイメージ通りなの?』


「うん、そのつもりでハルバードを振ったよ」


『リーネ、なんか発想が怖いよ。普通、真っ二つにしてやろうなんてなかなか思わないよ?』


「オークだからいいの!」


『ほんとにオークが嫌なのね。じゃあ、この2体も解体して後は野営の準備をするよ』


「わかった」


私は2体のオークを次々に解体していきます。

解体したオークをストレージにしまい、最後に残った睾丸をしまおうとストレージを確認して私は大声をあげます。


「ああっ!!」


『どうしたの、リーネ?』


「小袋の中味まで表示しなくていいのよ!!」


『リーネ?』


「もうっ!融通が効かないんだから!」


『リーネ?ストレージに文句を言ってもしょうがないよ?』


「ストレージの表示はある程度は自分の認識で表示されるんじゃないの?!」


『そのはずだけど』


「それじゃあ、◯◯の入った小袋とかになってもいいじゃない!あっ!表示が変わった?!」


『リーネ?解決した?』


「はい・・・お騒がせしました・・・」


『うん、じゃあ、野営の準備に移るから移動するよ』


「はい・・・」


私達は野営の準備をするために移動しました。

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