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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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28.実地訓練

翌日から私は朝に戦闘スキルの訓練を、昼からは魔法の訓練と知識関係の勉強をするというスケジュールで日々を過ごします。


およそ15日が経ったある日、ロカが提案してきます。


『リーネもだいぶ動けるようになったし世界のこともある程度理解出来たと思うから、予定より早いけど実地訓練に移るよ』


「最初に言ってた予定よりだいぶ早くない?」


『リーネが早く適応出来てるから、それに合わせてるの』


「そっか~それで、実地訓練って何をするの?」


『主に索敵や隠密などのスキルとヒールやキュアなどの魔法の訓練、新たに魔物を倒す実戦訓練よ』


「遂に実戦か~ちょっとだけ不安だな」


『まあ、最初はゴブリンやオークなんかの弱い魔物からだし油断は禁物だけどリーネなら楽勝よ』


「それなら安心かな?装備とかはどうするの?」


『今回は転生訓練も兼ねてるから一般的な装備と衣服を準備してるよ。武器は訓練の最初に渡したのを使ってくれる?』


「武器は剣と弓でいいか」


『衣服と防具はこれを使って。エルフやダークエルフが一般的に使っている物よ』


そう言ってロカが渡してきたのは若草色のチュニック、革製のリストバンド、革製のブーツ、革製の胸当て、革製の外套でした。


『防具はリストバンドと胸当てのつけ方がわからないと思うけど換装を使わずに普通に着てみて』


「下着はそのままでいいの?」


『下着は見えないしいいでしょ』


私はロカに言われた通り、普通に衣服を着ていく。

チュニックを着てブーツを履きリストバンドになった段階でつけ方がわからなかった。

仕方なく胸当てをつけようとするが上手くつけられない。


「ロカ、この胸当てってどうやって止めるの?」


『この手の胸当ては、あらかじめ横の部分に紐を軽く通しておいて下から履く感じで胸まで持ってくるのよ。胸まで持ってきたら左右を順番に絞めていって最後に下で縛るの』


「うわっ、めんどくさ、こんなに手間が掛かると下手に外せないね」


私は文句を言いながらロカに言われた通り胸当てをつけていく。


「このリストバンドは?」


『これは腕に合わせた状態で上の紐を巻きながら手首まで持ってきて手首のところで紐を止めるのよ』


「これも結構手間が掛かるね」


『リーネの防具なんて楽な方よ。もっと複雑な防具だとつけるのに30分掛かる物もあるから』


「うわ~絶対につけたくないや」


私は最後に外套を羽織りつつボヤく。


「衣服と防具はつけ終わったよ」


『じゃあ、これが残りの装備よ』


そう言ってロカが渡してきたのは剣帯に短剣、革製の水袋、革製の肩掛け袋でした。


『つけ方はわかる?』


「たぶん大丈夫」


ロカにそう返答しつつ装備をつけていく。

剣帯を巻き右側に短剣を差しその後ろに水袋を吊し最後に肩掛け袋を掛ける。


「装備出来たよ」


『武器も装備して』


「あっ武器か。え~と」


私はストレージからブロードソードとショートボウ、矢筒を取り出すと、それぞれ剣帯の左側にブロードソードを差し肩掛け袋に矢筒とショートボウを掛ける。


「これでOK?」


『うん、OKかな。じゃあ私も着替えるよ、換装』


「あっ!ロカだけズルい!」


『私は元々装備出来るからいいの。リーネはやっておかないと装備出来なかったでしょ?』


「そうだけどさ~」


ロカが換装で装備したのは革製の鎧に革製の篭手、革製のブーツに剣身が1.5mほどで柄が少し長い剣でした。

ロカの装備からは魔力が感じられ普通の装備ではないことが想像出来ます。


『この装備を使うのは久しぶりね』


「ロカ、その装備から魔力が感じられるんだけど」


『そうよ、この装備は魔力が付与されているの。とは言ってもたいした能力じゃないけどね』


「どんな魔力が付与されてるの?」


『この剣には斬撃強化、鎧には物理耐性、篭手には腕力強化、ブーツには重力軽減の魔力が付与されているんだけれど、どれも普通の人族が作った物よ』


「えっ、人が作った物なの?」


『私が人族だった頃に作ってもらって使っていた装備なの』


「へぇ~じゃあ、骨董品だね」


『まあ、いろいろと思い入れがあって残してもらったの』


「あれっ?そういえば羽はどうしたの?」


『羽は身体にしまってるの』


「羽って身体にしまえるんだ」


『リーネの身体にも羽はあるのよ』


「えっ?私にも羽があるの?」


『素体には全て羽があるからリーネにも羽はあるはずよ。戦乙女の場合、羽は使わないからリーネの羽は封印されてる状態ね』


「羽はあるけど封印されてるのか~ちょっと残念」


『羽は天使にならない限り必要ないし、羽自体が天使のイメージみたいなものだから本当は必要ないの。ほら、天使って羽があるイメージでしょ?』


「うわ~、羽が天使のイメージのためってなんだかな~」


『じゃあ、そろそろ現世に降りるよ』


「どうやって降りるの?」


『私が空間跳躍で跳ぶから少しだけじっとしてて』


そう言ってロカは私の手をつかみ空間跳躍を発動させます。

空間跳躍が発動されると、深い森の中の少し開けた場所に立つモニュメントのような物の前に移動していました。


『ここは相変わらずね』


「ここって、どこ?」


『テルヴィラ王国とガストール王国の間にある通称魔の森の中よ』


「テルヴィラ王国とガストール王国の間ってことはどちらにも属していない場所ってこと?」


『魔の森の広さが王国それぞれと同じぐらいあるし、魔獣や魔物も多いからどちらの王国も国の領土にはしてないの』


「それぞれの王国と同じぐらいの広さって凄く広いんじゃないの?」


『テルヴィラ王国からガストール王国まで魔の森を抜けようと思ったら最低でも30日はかかるし、途中で魔獣や魔物と出くわしたらもっと日数がかかることになるのよ』


「森を抜けるので30日か~1日10km移動したとして300kmって、めちゃくちゃ広いじゃん!」


『そんなわけで、ここはほとんど人が来ないから実地訓練にはちょうどいいの。今回の実地訓練では10日ほど森の中で生活してもらうから』


「えっ、ここで10日って食事とかどうするの?」


『もちろん自給自足よ。食料は小動物や鳥、木の実に薬草など食べれる物はたくさんあるから心配ないよ』


「食料は現地調達か~木の実や薬草は薬学である程度食べれる物がわかるからいいけど、小動物や鳥は取れても私じゃ解体出来ないよ?」


『冒険者に必要な解体スキルを覚えるのにちょうどいいじゃない』


「解体ってしたことないからちゃんと教えてよ?」


『10日もあるからそれなりに覚えられるって』


「それなりじゃなくてちゃんと教えて!」


『ある程度は自分で判断出来るようにしないとダメだから私は助言する程度ね』


「えぇ~?そんな~」


『内臓を使おうとか思わなければ解体はそんなに難しくないから大丈夫だって』


「ほんと?信用するからね?」


私は魔の森の中にいるのも忘れてロカとそんなやり取りをします。

魔の森の中で大きな声を出したりしてるが魔獣や魔物の姿は見られません。


「それにしても魔の森の中なのに周りに魔獣や魔物は見当たらないね」


『この場所はテラ様の結界が張られているから、このモニュメントから100mの範囲に魔獣や魔物は近よれないの』


「テラ様の結界か~ここで何かあったの?」


『まあ、いろいろあったのよ』


「ふ~ん、それで、今からどうするの?」


『まずは森の歩き方からかな?』


「森の歩き方?」


『森の中って思ってる以上に移動が大変よ。獣道を通るにしても足元は不安定だし枝葉も邪魔になるのよ』


「聞いてるだけでも大変そう」


『とりあえず結界内を歩いて見せるからついて来て』


「は~い」


そう言ってロカは獣道らしき所を歩き出しました。

私もロカに続いて歩きます。

しばらく歩くとロカが足を止め私を呼びました。


『リーネ、ここを見て』


ロカが指をさして見るように促したのは落ち葉の固まりでした。


『この落ち葉の下に木の根が地表に出ているの。野生の獣は足元を見ながら歩くから障害物を避けて歩いている痕跡が獣道にはあるのよ』


ロカは落ち葉をどけながら説明します。


「へぇ~これって気がつかないとつまずきそう」


『獣道で不自然に踏まれていない場所があったら注意して。踏まれていない原因があるはずだから』


「うん、わかった」


『でも足元ばかり見てちゃダメよ。この先、獣道が木の間を通ってるけど私達が通るには枝葉が邪魔になるでしょ?』


ロカが指をさした先には背の低い木々の間を抜けるように獣道が通っています。

背の低い木々の枝葉は私達の胸から上にかけて獣道に覆い被さっている状態でした。


『こういう場合は無理に枝葉を払ったり動かしたりせずに屈んで抜けるのが無難よ』


「どうして払ったり動かしたりしないほうがいいの?」


『これだけの枝葉を払ったり動かしたりするとそれなりに音が出るでしょ?その音で魔獣や魔物に気づかれることになるのよ』


「ちょっとした音でも魔獣や魔物に気づかれるの?」


『森を住処にしているような魔獣や魔物は視線が通り難い森で生活するから耳がいいのが多いの』


「なるほど、出来るだけ音を立てないで移動したほうがいいってことか」


『そういうことよ。じゃあ、リーネが先頭で歩いてみて』


「やってみる」


私はロカと先頭を変わり獣道を歩き出す。

歩き出してしばらくすると妙な感覚を覚える。

森の中なんて一度も歩いたことがないはずなのに森の歩き方がわかっている感覚がありました。


『リーネ、歩く速度が速過ぎる。前や足元をちゃんと見れてる?』


「う~ん?なんでかわかんないけど森の中を歩いたことがある感じがする。この速度なら普通に歩けるって感覚でわかるの」


『えっ?森の中を歩いたことがあるの?』


「ううん、ないはずなんだけど感覚ではあるっていうか、身体が覚えてるって感じかな~?」


『身体が覚えてる?・・・またテラ様に確認しないとダメなんじゃ・・・』


「えっ?どういうこと?」


『今、リーネが歩いてた速度はエルフが森の中を歩く速度と同じぐらいなの。初心者が歩ける速度じゃないのよ』


「それで?」


『リーネの身体には秘密があるんじゃないか?ってこと。だからテラ様に確認する必要がありそうなのよ』


「じゃあ、テラ様に確認しにいくの?」


『このまま実地訓練を続けるよりは確認しておいたほうが良さそうだからテラ様に確認するよ。一度神界に移動するからじっとしてて』


そう言ってロカは私の手をつかみ空間跳躍を発動しました。

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