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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
22/113

22.魔力枯渇と魔法の実技

『じゃあ訓練を再開するよ』


「はい、お願いします」


『テラ様からの指示で戦乙女の槍は今の形にするので、戦乙女の槍を練習しつつ魔力枯渇状態を経験してもらう』


「どれくらいで魔力枯渇になりますか?」


『実際に魔力枯渇まで魔力を使ってみないと分からないけど、私なら10回も戦乙女の槍を使えば魔力が無くなるからリーネはたぶんそれ以上ね』


「戦乙女の槍を10回以上ですか」


『まずは戦乙女の槍を10回発動して』


「わかりました」


私はひとまず、戦乙女の槍を10回発動する事になりました。

戦乙女の槍の練習も兼ねているので1回ずつ確実に発動していくと10回目ぐらいにはスムーズに発動させる事が出来るようになりました。


『戦乙女の槍もスムーズに発動出来るようになったね。魔力の減りはどんな感じ?』


「魔力が減った感覚はありますがまだまだ使えそうです」


『じゃあ、どんどん使っていって』


私はそう促されて戦乙女の槍を次々に発動していきます。

しばらく戦乙女の槍の発動を続けていると17回目で身体に違和感を感じます。


「ロカ、今の発動後から身体が怠い感じがする」


『そろそろね、次の発動時は魔力が集まり難いと思うけどしっかり発動して』


「はい、わかりました」


(聖光付与、時空魔法で・・・あっ、魔力がなかなか集まらない・・・集中して・・・)


「槍よ!」


(あれっ?・・・)


私は何とか魔力を集め、戦乙女の槍を発動しますが、発動後に視界が暗転します。

そして私は膝から崩れ落ち意識を失いました。


『・・ネ、リーネ!大丈夫?』


「あれっ?・・・ロカ・・・」


『意識をしっかりもって。これ飲める?』


そう言ってロカが何かを手渡そうとします。


「・・・?・・・なに?」


『これを飲んで』


「・・・これを・・・飲むの?」


『ええ、そうよ。それを飲むの』


「はい・・・あっ?」


私が手渡された小瓶の中身を飲むと今まで朦朧としていた意識が徐々にはっきりしてきます。


『大丈夫?ちゃんと意識ははっきりした?』


「私、どうしたんですか?」


『今、魔力枯渇状態になったのよ。どうだった?』


「戦乙女の槍を発動したと思ったら視界が暗くなって、その先はあまり覚えてません」


『リーネは戦乙女の槍を発動した直後に魔力枯渇を起こして一瞬意識を失っていたのよ。今は渡したマジックポーションを飲んである程度魔力が回復したから意識がはっきりしてるの』


「私、意識を失ってたんですか?なんか朦朧としててよくわかりませんでした」


『魔力枯渇状態に陥るとリーネみたいに意識を失う事もあるし、意識を失っていなくても意識が朦朧としてまともに行動出来なくなるってわけよ』


「魔力枯渇って凄く怖いです。自分の状態が認識出来なくなったのって初めてでした」


『魔力枯渇状態を経験してると無理してギリギリまで魔力を使おうとしないでしょ?』


「もう身体の怠さが出たら魔法は使いたくないです」


『そうね、下手にギリギリまで魔力を使うぐらいなら、早めにマジックポーションなんかで魔力を回復した方がいいのよ』


魔力枯渇を体験した私は、二度と魔力枯渇にならない決意をするのでした。


「さっき飲ませてもらったのがマジックポーションですか?」


『そう、さっきリーネに飲ませたのは30%回復のマジックポーションよ』


「30%回復のマジックポーションですか。ポーションって割合回復なんですか?」


『回復ポーション類は基本的に割合回復ね。初級で10%回復、中級で30%回復、上級だと50%回復で、その上に完全回復があって4段階に分かれてるの』


「4段階しか無いんですか?」


『ポーションは素材や製造方法の違いで4段階になってるけど品質が回復量に影響するから、高品質の初級ポーションは20%回復だったり、低品質の中級ポーションは25%回復だったりするのよ』


「へぇ~品質が回復量に影響するんですか。ポーションって錬金術師が作るんでしたよね?高品質のポーションを作る人気の錬金術師っていたりするんですか?」


『高品質のポーションってのはなかなか出回らないから人気の錬金術師ってのは聞かないかな。ポーションの製造者も品質を安定させるために無理に品質を上げたりしないから、出回ってるポーションのほとんどはさっき言った割合前後になってるよ』


「高品質で安定させるのは難しいんですかね?」


『そうねぇ~製造技術と使用魔力量が品質に影響するから難しいんじゃないかな?リーネが作ったらどう?』


「えぇ?なんで私なんですか?」


『転生後は錬金術師になるんでしょ?』


「錬金術師はロカが提案したんでしょ?」


『リーネも錬金術師には前向きだったでしょ?』


「だって薬師と錬金術師しか言わなかったじゃない」


『ふふっ♪』


「なんで笑ってるの?!」


『いや、なんかこういうのって久々だなって。リーネって割と言いたい事は言うよね♪』


「えぇ~?だってロカが気軽に話してって言ったんじゃない?」


『私は天使長で1番の古株だから気軽にってのはなかなか難しいみたいなのよ。だからリーネが気軽に話してくれるのが嬉しいし楽しいの』


「ロカってぼっちなの?」


『ふふっ♪そういう事も普通は言わないよね。私はこの世界ではテラ様の最初の眷属で最初の戦乙女だったの。だから天使達みんなは私を特別視していて距離感が微妙なの』


「なんで~?ロカってサバサバしてる感じだし凄い話しやすいよ?私、賢い友達みたいな感覚だもん」


『私もリーネとは幼なじみみたいな感覚があるのよ。だから、こうやってやり取りをしてるのが凄く普通に感じるの』


「ロカも私に親近感を感じてくれてるんだ。ちょっと嬉しいな」


『まあ、そういう事よ。じゃあ、後は一通り魔法を使ってみて。分からない魔法があったら聞いてくれたらいいから』


「私の魔力って3割しか回復してないけど魔法を使っても大丈夫?」


『最初に説明したけど私達の魔力はかなり多いの。しかもリーネは私の倍ぐらいあるから魔法を一通り使っても大丈夫よ』


「わかった、生活魔法もだよね?」


『ええ、たぶん大丈夫だろうけど一応使っておいて』


「は~い」


私は一通り魔法を使う事になり生活魔法から順番に使っていく。


(種火ってマッチみたいだ、造水は思ったより水が出るな~1ℓぐらい?ライトはそのまんまじゃん)


「ロカ、エアウォールって空気の壁でいいんだよね?」


『それでやってみて』


「ん?・・・わかった」


(なんか今の返答だと違うんじゃない?まあいいか)


「エアウォール」


私が魔法を発動するとうっすらと空気の壁のような物が出現しました。


『ああ、そうなるのね』


「ロカ、やっぱり違ったんじゃないの?」


『エアウォールは空気の壁を作り風の力で飛び道具を防ぐ魔法なの。それで、リーネのは?』


「圧縮した空気で壁を作りましたよ!触れるとたぶん膨張して衝撃が起きると思います!!」


『飛び道具だけじゃなく物理攻撃も防げそうだしそれでいいんじゃない?面白そうだし』


「面白そうって、絶!対!わざと誤解させたよね?!」


『まあまあ、空気の認識が違うからどうなるのかちょっと気になったのよ。こっちではエア、空気は『動いていない風』って認識なのよ』


「え~?動いていない風?それって風なの?」


『動いていない風がエア、動いている風がウインドなのよ。だからエアウォールでも風属性なの』


「動いていないのに風って、なんか哲学みたい」


『他に分からない魔法はある?』


「う~ん、ストーンブレットとフラッシュと浄化かな?ヒールって回復だよね?ヒールとキュアの違いもわかんないや」


『じゃあストーンブレットから説明するよ。ストーンブレットは尖らせた石を飛ばして攻撃する魔法よ。フラッシュは強い光を放つ魔法。浄化は邪なものを払う魔法よ』


「ストーンブレットとフラッシュは分かったけど浄化はなんとなくかな」


『浄化は今すぐに使う環境でもないから実地訓練の時かな。後、ヒールとキュアはどちらも身体を癒やす魔法なんだけど、ケガなどの外傷を治すのがヒールで、毒や麻痺などの身体の不具合を治すのがキュアよ』


「ふ~ん、ヒールが外傷を治すのは分かったけど、キュアは毒や麻痺なんかを治すって事は、キュアで病気も治るの?」


『風邪なんかのちょっとした病気なら治るけど疫病みたいな強い病気は無理ね』


「さすがにそこまで万能ではないか~」


『ヒールとキュアも今すぐに使う理由がないから実地訓練の時ね。じゃあ残りの魔法を使ったらひとまず終わりよ』


「じゃあ使ってしまうよ」


(尖った石が飛ぶって、ライフルの弾みたいだな~)


「ストーンブレット」


私はライフルの弾が飛んでいくのをイメージして魔法を発動させる。

ライフルの弾をイメージしたためか鉱物でできた弾丸のような物が凄い速さで射出されました。


『ちょっと!リーネ?!今のなに?』


「ストーンブレットだよ?」


『えっ!あれ石だったの?速度も凄かったけど?』


「石というか鉱物だけど。ロカの説明でライフルの弾をイメージしたんでそのまま発動したよ」


『普通のストーンブレットは矢尻っぽい石を飛ばすの。もうっ、地球の知識があると普通にはならないって事が分かったよ』


「その言い方だと私が悪いみたいじゃない?」


『いや、リーネが悪いってわけじゃないんだけど、私が想定していない結果になったからね』


「それならいいけど。じゃあアースウォールとフラッシュとライトニングも使うね」


『ちなみにアースウォールとフラッシュとライトニングはどんなイメージ?』


「アースウォールは地面が隆起して壁になる感じで、フラッシュはそのまんまピカッって感じ。ライトニングは雷が飛んでいくイメージかな?」


『じゃあ大丈夫かな?」


「いい?じゃあ使うよ。アースウォール」


私がアースウォールを発動すると地面が隆起して土で出来た壁現れました。


「フラッシュ」


私が続けてフラッシュを発動すると強い光が起こります。


『うん、アースウォールもフラッシュも普通ね』


私は続けてライトニングを発動する。


「ライトニング」


私が手を前に出しライトニングを発動すると、手から雷のような強い光がジグザグに飛んでいきます。


『なんで真っ直ぐ飛んでないの?』


「えっ?雷って普通はジグザグに飛ばない?」


『私は落雷のイメージだから真っ直ぐに飛ぶのが普通なんだけど』


「あ~、落雷のイメージなら真っ直ぐか~、私は空中でビカビカッ!ってイメージだったから。ほんと魔法って凄いね、同じ魔法でもイメージで全然違う魔法になるんだもん」


『ほんと、私も同じ魔法でここまで違うのは初めて見るよ』


「これで魔法は一通り使い終わったよ」


『それじゃあ、今日の訓練はこれで終わり』


「はぁ~終わった~」


『そろそろお腹も空いてるだろうし食事にするよ』


「うん」


訓練を終えた私達は食堂に向かいました。

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