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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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20.戦乙女の槍

『リーネ、時空庫の中はこれで無くなったね?』


「はい。全て移し終えました』


『これでやっと魔法の訓練に移れるよ。まず最初に戦乙女の槍を見せるから』


「魔法からスキルに変わりましたけど大丈夫ですか?」


『大丈夫よ。便宜上、魔法からスキルに変わっただけでやる事はほとんど変わらないから』


「やる事は変わらないんですか?」


『いままで時空庫から出してたのがストレージに変わるだけ。じゃあ説明するよ』


「分かりやすくお願いします」


『まず、初めにストレージを開き戦乙女の短槍を認識する。この状態のまま神聖魔法の聖光を短槍に付与する。ここまではいい?』


「ストレージを開きながら魔法を使うのが難しそうです」


『ストレージの中の短槍を映像として頭の片隅に置いておいて、その短槍に聖光を付与するのよ』


「そもそも聖光って使った事がないですし、付与って言われても分からないです」


『あ~聖光の付与は先にしておく必要があったか。よく見てて・・・聖光』


ロカはそう言うと、短槍を取り出し聖光の魔法を短槍に付与しました。


『聖光の付与ってのはこんな感じ。付与したい物にどのような効果を付与するのか意識して魔法を使うのよ』


「聖光って、聖なる光って認識でいいんですよね?」


『聖なる光でもいいけど聖属性の光って認識した方がわかりやすいと思うよ』


「なるほど、聖属性の光か~」


『じゃあ、聖光を短槍に付与してみて』


(えっと、聖なる・・・じゃないや、聖属性の光を付与・・・)


「聖光」


私は短槍を取り出し、聖光の魔法を短槍に付与するためにそう発しました。

すると手にしている短槍が眩い光を放ち出します。


『ちゃんと聖光の付与は出来たようね』


「思ったよりも聖属性の光を認識するのが難しかったです」


『火や水なんかの属性なら分かりやすいんだけど聖属性は見えないからね。女神様の力って思えば分かりやすいかも』


「やっぱりですか?聖属性ってよく分からなかったから女神様の属性って考えました」


『それでいいと思うよ。じゃあ、短槍をストレージに戻してその状態で聖光を付与してみて』


「わかりました、やってみます」


私は手に持っている短槍をストレージに戻し、その状態で短槍に聖光を付与する。


「聖光」


「・・・??」


『どうしたの?』


「付与が成功しているのかどうかが分からないです」


『短槍の状態を確認してみて。聖光が付与出来てるなら聖属性付与って状態になってるはずだから』


「短槍の状態を確認ですか?・・・あっ、聖属性付与ってなってます」


『じゃあ、聖光の付与までは大丈夫ね。次はこの短槍をストレージから空中に出しつつ時空魔法で目標に飛ばすの。時空魔法で飛ばす時にストレージへ自動で戻るように意識しておくこと』


「え~??難し過ぎない?」


『空間跳躍する時と同じように、どこに短槍を出すかイメージしてストレージから出すの。短槍は最初から飛ばすイメージで時空魔法を使うのよ』


「う~ん、あっ空中には出ました。というか時空魔法で飛ばすってのも教えてもらってないよ?」


『ごめん、教えてなかったね。時空魔法で何かを飛ばすのは物が空間を移動するんじゃなくて、別々の空間が繋がってる状態の場所に物を移動させるの』


「どちらも空間を移動してるんじゃないんですか?」


『どう言えば分かるかな~え~と、1から5に移動する場合、普通なら1・2・3・4・5って順番に移動するけど時空魔法で飛ばすと1・5と移動するから2・3・4は通らないのよ』


「あ~分かりました。1から5にワープするって事ですね!」


『ワープが何か分からないけど理解出来たのならそれでいいか』


「ワープは空間跳躍などを指す地球の言葉ですよ」


『へぇ~地球って魔法が無いのに空間跳躍を指す言葉があるのね』


「実際にワープ出来たりはしませんけど、いろんな想像を映像化されてましたしイメージは出来そうです」


『じゃあ、戦乙女の槍をやって見せるから』


ロカはそう言うと集中し、戦乙女の槍を発動させます。


『槍よ!』


ロカがそう発すると5mほど上空に光輝く短槍が現れ、瞬く間に50mぐらい先に短槍が突き刺さります。

短槍が突き刺さった瞬間、これまで感じた事が無いような激しい衝撃が起こります。


「うわ~・・・」


『どう?リーネ』


「凄い衝撃でびっくりしました!それから「槍よ!」は必要なんですか?」


『それがキーワードになってるのよ。戦乙女のイメージに合うキーワードって事でテラ様が決められたから言わなきゃダメ』


「テラ様ってイメージとか割とこだわられてますよね?」


『テラ様は結構イメージを気にされるのよ。それじゃあ、リーネもやってみて』


「最初は手順を確認しながらになるからゆっくりでいいかな?」


『戦乙女の槍はかなり難しいから最初はゆっくりでも大丈夫』


「じゃあ、やってみます」


(最初は短槍に聖光を付与・・・次にストレージから短槍を出しつつ・・・ワープさせる・・・)


「槍よ!」


私はそう発するが上空に短槍が出現してすぐに消える。


「あれ~?なんで飛んでかないんだろ?」


『短槍を飛ばすイメージが弱いんじゃない?』


「ん~ちゃんとワープって意識したけどな~?もう1回やってみる」


(短槍に聖光を付与・・ストレージから短槍を出しつつ・・ワープ・・)


「槍よ!」


やはり先ほどと同じように短槍は出現しては消えて終わる。


「おっかしいな~?ちゃんとワープの意識してるんだけどな~?」


『リーネ、短槍を飛ばす場所の事は考えてる?』


「あっ!ワープさせる場所は決めてなかったよ。よし、もう1回」


(短槍に聖光を付与・・ストレージから出して・・短槍を50m先にワープ・・)


「槍よ!」


私はさっきの2回と違い、短槍を飛ばす場所をしっかりイメージして戦乙女の槍を発動させる。

すると上空に現れた短槍が消え、イメージした場所に短槍が突き刺さります。


「よし!ロカ、出来たよ!」


『いや、ダメでしょ?』


「え~?何がダメなの~?」


『あそこ、短槍が突き刺さったままだけど?』


「あっ!・・・」


私が短槍を飛ばした場所を見ると短槍はストレージに戻らず刺さったままでした。


『最後にストレージに戻るってのが抜けてるね。ストレージに戻すのは時空魔法で短槍を飛ばす時に、攻撃後にどうするかを決めておく必要があるのよ』


「短槍を飛ばすまででも大変なのに~」


『短槍を飛ばす時に戻す事までしっかり意識してみて。はい、頑張って』


「は~い・・・」


(短槍に聖光を付与・ストレージから短槍を出して・短槍をワープ・後戻す・・・)


「槍よ!」


私は今度こそと意気込んで戦乙女の槍を発動させるが飛ばす場所の指定を忘れる。

そのため先ほどと同じように短槍は上空で消えてしまう。


「あっ!場所の指定忘れた。・・・もう1回」


(短槍に聖光付与、ストレージから短槍を出して50m先へワープ、攻撃後ストレージへ)


「槍よ!」


私がそう発すると50m先に短槍が一瞬だけ現れて消える。


「あっ、ストレージから直接50m先に出しちゃった」


『リーネ、頭の中で映像でイメージ出来ない?地球の知識があるリーネなら映像でイメージした方が上手くいくかもしれないよ』


「映像でイメージか・・・ちょっとやってみます」


(短槍に聖光付与、ストレージからシュイン、ヅガン、シュ)


私は聖光付与後、ストレージから出すところから映像でイメージする。

映像でイメージしたためか、手を1度上げ、前に降り下ろしてからキーワードを発する。


「槍よ!」


私がキーワードを発すると前方に短槍が突き刺さり衝撃が起こります。

衝撃が起こった後、特に短槍が残っている事も無く戦乙女の槍の発動に成功したように見えます。


「やった!今度こそ成功ですよね?」


『う~ん?成功?なのかな~』


「えっ、何がダメでした?」


『確かに、ストレージの短槍に聖光付与してその短槍を飛ばして攻撃しストレージへ戻すって工程は成功してるんだけど、キーワードを唱える前の手を上げた時点でストレージから短槍が出てるのよ。これじゃあ、今から短槍を飛ばしますって合図してるようなものよ』


「手がマズかったですか?」


『いや、短槍を出すタイミングね。短槍を出すのが早過ぎるの』


「短槍を出してから飛ばすのが遅いって事ですよね?う~ん・・・イメージを変えてみるか」


私は先ほどとは違う映像をイメージして手を前に出し戦乙女の槍を発動する。


「槍よ!」


私がキーワードを発すると、手の前方に短槍が現れ瞬く間に短槍が物理的に飛んでいきます。

凄い逆風を起こしながら短槍が飛んでいき50m先に突き刺さると、凄い衝撃が起こり短槍はフッと消えました。


「うわっ!凄い逆風だったけど大丈夫だよね?」


『はぁ・・・何で空間跳躍させないでそのまま飛ばしてるの?』


「あっ、そうか!ワープしてないんだ」


『リーネならもっと簡単に出来ると思ったけど意外と手こずってるよね。地球の知識がある弊害なのかな。ちょっと休憩する?』


「もう1回だけお願いします」


『じゃあ、後1回ね』


(よし。さっきのをイメージしつつちゃんとワープさせる)


「槍よ!」


私が手を前に出しキーワードを発すると手の前方に短槍が現れ、次の瞬間には50m先に突き刺さります。

短槍が突き刺さると凄まじい衝撃が起こり、その後、短槍はフッと消えました。


「ちゃんとワープしたし、これなら大丈夫だよね?」


『これなら戦乙女の槍として使えると思うけど、手の前に出すのは変えられなかったの?』


「う~ん?イメージした映像が目の前に出してたから、どうしてもそのイメージになるかな~?」


『まあいいよ、一度休憩しよう』


「はい、少し疲れました」

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