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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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2.転生準備

気がつくとそこは真っ白な空間でした。

真っ白な空間というのは比喩ではなく、本当に何もなく真っ白で地面すらないのです。

そんな空間にどういうわけか私は立っていました。

とりあえず周りを見渡してみると老若男女数名が私と同じように周りを見渡しています。

今の状況が分からずに私が呆けていると、どこからか柔らかな女性の声が聞こえてきました。


『皆さん覚醒されたようですので説明を始めたいと思います』


声のした方を向くとギリシャ神話から出てきたような美しい女性が佇んでいました。

私の回りの老若男女も神妙な面持ちで声を発した女性を見つめています。


『いろいろと質問があると思いますが後ほど1人1問に限り質問にお答えしますので最後までお聞きください』


女性はそのように言葉を続け、私達に話を聞くように促しました。

今の状況とかいろいろと分からないことだらけだけど、とりあえず話を聞くしかなさそうです。


『こちらにおられる10名の方々は地球でお亡くなりになりました。通常ですとそこから魂の浄化をおこない再び地球へと転生していただくのですが、今回は特別処置として地球ではない新たな世界へ転生していただく事になります』


よく覚えてないけど、どうやら私は死んでしまって、神様?のはからいで違う世界に転生出来るみたいです。

あらためて死んだ理由を考えると、祐也の事を思うあまり、フラフラと電車に飛び込んでしまった記憶が蘇ってきます。


(そうだ、私、自殺しちゃったんだ・・・)


私は祐也の存在が消えた事に絶望して電車に飛び込んだ事を思い出しました。


『皆さんに転生していただく世界は今流行りの剣と魔法の世界です。しかしこの世界は創造からおよそ1700年しか経っておらず安定していません』


(えっ?今流行りって言われた?・・・しかも安定してないって・・・大丈夫なの?)


転生先の世界は流行りの世界みたいだけど、流行りに疎い私には剣と魔法の世界と言われてもどんな世界か想像出来ません。

それよりも安定していないと言われて不安な気持ちになります。


『今回の特別処置はこの世界の安定化を促すためで、補填として今世での記憶やスキルを引き継いで転生していただきます。それにともない私から特別な指示などはお出ししませんので自由に新たな人生を謳歌してください』


新たな人生と言われても、私には祐也がいない世界で生きていける自信がないので記憶を引き継げる利点がないように思えます。


『それではここでご質問をお聞きします。ご質問の内容によってはお答え出来ない場合がある事をご了承ください。では右側のお方からどうぞ』


どうやら神様?の簡単な説明が終わり、今から質問タイムになるみたいです。


『えっと・・・、あなたは神様なんですよね?お名前は?』


『そうですね、真名はお教え出来ませんが、こちらの世界では【創造の女神テラ】と呼ばれております。地球やこちらの世界を創造したのは私になります』


目の前の神様は地球を創造した女神様らしく、こちらの世界での名を教えてくれました。

地球でなんと呼ばれてる神様かは分かりませんがかなり上位の神様っぽいです。


『こちらの世界の神様はテラ様だけでしょうか?』


『こちらの世界には私以外に5柱の女神がおります。地球のような信仰の多様性はありませんので下位神はまだ生まれていません』


地球とは違って神様はテラ様と5柱の女神様しかおられないみたいで、下位神は信仰によって生まれるみたいです。

地球の神様の多様性を考えるとこちらの世界の神様はかなり少なく感じます。


『転生後は自由との事ですが、いわゆる知識チートで地球にあるものを作ったりしても大丈夫でしょうか?』


『皆さんが今世の知識を使っていろんな事を変革されても、それはこちらの世界の安定化に繋がりますのでご自由にどうぞ』


私達が今世の知識を転生後に使っても安定化に繋がるので問題はないみたいです。

もしかすると外部刺激で安定化を図るって感じなのかもしれません。


『転生物でありがちなチートスキルはもらえないのでしょうか?』


『どのスキルをチートと認定するかにもよりますね。ストレージは転生特典としてお渡ししますし、鑑定といったスキルでしたらカルマポイントを精算する事で取得可能です』


(さっきから出てくるチートってなんなの?それとストレージかカルマポイントについても誰か聞いて欲しい)


先ほどから質問者がチートって言ってますが私にはチートの意味が分かりません。

チート以外にもテラ様が言われた言葉に意味が分からないものが含まれていて理解出来てません。

そんな事を思ってると、私と同じように思ったのか、次の質問者が聞いてくれました。


『カルマポイントとはなんでしょうか?』


『カルマポイントについては後ほど詳しく説明致しますので別の質問をどうぞ』


(あれ、まぁ後で分かるならいいか)


『では・・・転生特典のストレージとはなんでしょうか?』


『ストレージと言うのはスキルの1つです。このストレージは神界に個人の領域として倉庫のような物を持ち、現世にいながら物を出し入れする事が出来ます』


テラ様がストレージの説明をしてくださったけど、イマイチ理解出来なかったので倉庫を持ち運べると思っておく事にします。


『転生する世界は剣と魔法の世界との事ですが人以外の種族はいますか?』


『種族に関しては定番の人族、エルフ、ドワーフなどから獣人、魔族、ダークエルフ等、多種族に及びます。完全に種族どうし敵対している種族はありませんがある程度の迫害は存在します』


種族と聞いてネアンデルタール人が思い浮かんだけど、どうやら人の種族の事ではないみたいです。

なんとなくエルフって聞いた事があるような気がするけど、どんな種族かはまるで分かりません。


『魔法について簡単に説明をお願いします』


『例えば手から火や水を出したりと地球の科学では説明出来ない現象を起こす事が出来ます』


某魔法少女的な事が出来るなら少しは惹かれるけど、どうやら微妙に違うっぽいので魔法は不思議現象が起こせると思っておきます。


『転生時に記憶を引き継いで生まれると赤ちゃんの時などは大変じゃないですか?』


『幼少時に前世の記憶があるとなにかと問題が起きやすいので、5歳以降に記憶の統合をおこなうなど、ある程度皆さんの希望を反映する事になります』


どうやら記憶の引き継ぎはある程度自分で決められるみたいです。


(確かに今直ぐ赤ちゃんになったらいろいろと大変だもんね)


『転生時に王族に生まれたいなどの環境は選べますか?』


『具体的な環境は選べませんが貴族や裕福な庶民といったおおまかな環境は選べます。しかし選択した種族によっては環境が固定される事があります』


種族によって生活環境が違うみたいで、種族を選ぶ事も大事な要素になるみたいです。


(次は私の番だけど・・・)


私は地球の神様としてのテラ様に聞いてみたい事がありました。


「どんな質問でもいいのでしょうか?」


『はい、構いません』


テラ様の返答を聞いて、私は意を決して質問しました。


「祐也が今どうなってるのか教えてください」


地球の神様でもあるテラ様なら祐也の事を知っておられると思ったのです。

私がそう祐也の事を質問すると、テラ様は少し驚いたような表情をされましたが『・・・個人的な質問ですので後ほど個別にお答えします』と返答なさった。


(神隠しって言うぐらいだから思い切って聞いてみたけど、やっぱり祐也が消えたのは神様が関係してるんだ)


私はテラ様の返答を聞いてそう確信しました。


『これでご質問は終了です。この後具体的な転生準備に入っていただきます』


そして質問を終えた私達は具体的な転生準備に移る事になりました。

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