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異世界で真実の愛を  作者: ぬっすぃ~
第一章 異世界転生する為に
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14.お風呂

浴場に向かいはじめた私は着替えを持っていないことに気がつきました。


「そういえばお風呂に行くのはいいけど、着替えはどうするの?」


『部屋に今着てるのと同じ衣装が無かった?私達はクリーンが使えるから衣装はたいして持って無いのよ』


そう言われれば、確かに部屋の壁際に衣装がかけてありました。


「ちょっと部屋まで行って取って来ます」


そう言うと慌てて部屋に戻り、着てるのと同じ衣装を掴んでストレージに放り込みます。


(ストレージってほんと便利ね・・・そう言えば戦乙女の装備は時空庫から出したよね?ストレージと時空庫ってどう違うんだろう?後でロカに聞こう)


「お待たせしました。では浴場に向いましょう」


私達はあらためて浴場に向いました。

浴場は食堂の隣りの建物なので、個人部屋の並びを抜けると割と近いです。

浴場に着いて中に入ると、浴場の中はいわゆる銭湯って感じだけど湯船は別れてないみたいです。


「浴場は銭湯っぽいけど湯船は別れてないのね?混浴なの?」


『いや、天界には天使と戦乙女しかいないから男湯が必要ないのよ』


浴場は混浴なのかと思ってたら男湯は必要がないそうです。

もしかして男性の天使っていないのでしょうか?


「えっ?戦乙女は分かるにしても天使に男性はいないの?地球の神話とかだと男性っぽい天使がいたと思うけど?」


『地球の神話は分からないけどこちらの天使に男性はいないよ。したがって天界には女性しかいない』


やっぱり男性の天使はいないらしく、天界には女性しかいないみたいです。


「へぇ~確かに天使って女性のイメージが強いですね」


『そんな事よりさっさと入るよ』


ロカはそう言うと衣装を脱ぎはじめましたが、脱衣場はガランとした空間でロッカーどころか棚らしき物もありません。


「これ、脱衣場はあるけど脱いだ衣装はどこに置いとくの?」


『ストレージか時空庫の中ね。衣装は時空庫の方が多いかな?換装を使えば一瞬で着れるし』


女神様の眷属はストレージや時空庫を使えるので物をどこかに置くという考えはないみたいです。


「なるほど、じゃあ私も時空庫に入れようかな?時空庫ってどうやって入れるの?」


『ストレージと同じ感じで時空庫って意識して入れる』


「ストレージと同じ感じなのね」


時空庫もストレージと同じ感じで使えるみたいなので脱いだ衣装を時空庫に入れました。

これで着る時は換装で着れます。


私達が湯船に向かうと多くの天使や戦乙女が湯船に浸かっていましたが、身体を洗ってる人はいません。


と言うか洗う場所がありません。


浴場の一部に立った状態でかかるシャワーがあるだけで、身体を洗うスペースや椅子や洗面器といった物も無いのです。


「ロカ、身体はどうやって洗うの?」


『基本的にクリーンで洗浄してから湯船に入るから身体は洗わないよ』


「あ~そうなんだ・・・」


なんだか魔法だけで済ますのはモヤっとしますが、身体をきれいにする方法がクリーンしかないのでしょうがないでしょう。


(じゃあ、クリーン・・・これでいいのかな?)


『リーネ、早く入ろう』


ロカにそう促されて湯船に浸かると、お湯の温度はちょうど良くポカポカしてきます。


『どう?リーネ』


「凄く気持ちいいです」


前世でもちゃんとお風呂には入ってたし、湯船に浸かるのは久しぶりってわけではないですが凄く気持ち良く感じました。


『身体には慣れた?特に胸とか?・・・ちょっと触っていいかな?』


身体が温まってリラックスしたからか、ロカは私の胸を見ながらそんなことを言ってきました。


「身体は自分の思ったとおりに動きますけど、まだ違和感というか自分の身体って思えないですね。胸はちょっと重さを感じるかな?っていうか、なんで胸を触りたいの?』


『いや、これだけ大きくて綺麗な胸って天使や戦乙女に殆どいないしちょっとだけ気になるのよ』


ロカはそう言うと私の胸を触ろうとしてきます。


「あっ、ちょっと、ロカってば」


『ちょっと触ってみるだけだから』


『ロカ、何をなさっているの?』


『「あっ!」』


声をかけられて驚いた私達の前にはエリザリーナさんが立っていました。


『エリザ・・・』


「エリザリーナさん・・・」


『で、どういう事ですの?』


エリザリーナさんはそう聞いてきますが気まずくてどうこたえていいかわかりません。


『いや、これは違うと言うか、そう!スキンシップってヤツよ!』


「・・・はい、そんな感じ・・・です」


ロカが慌ててそうこたえたので私もそれに同調しました。


『それでは私もそこに混ぜていただきますね』


すると私達の返答を聞いたエリザリーナさんから、そんな信じられない言葉が返ってきました。


『「えっ?」』


エリザリーナさんの思わぬ言葉にロカと驚きの声が被ります。


『私、いままでダークエルフのお方と面識がございませんでしたので少々興味がございますのよ』


エリザリーナさんはそう言いつつ私のそばに浸かります。


「あの、私、もともと人族で・・・」


『リーネの身体は素体だから・・・』


エリザリーナさんの思わぬ言葉と行動に戸惑って私とロカはまともな返答が出来ません。


『戦乙女になられるのですから身体が素体っていう事は理解してますわよ。純粋にダークエルフの体にエルフとして興味がございます。ダークエルフは身体的にエルフよりも優れているのに、何故迫害の対象になっているのか気になられませんか?』


エリザリーナさんはそんなふうに言われますが、ダークエルフのことに関して詳しく聞いてないので返答に困ります。


「それは・・・あっ・・・気には・・・ちょっと、エリザリーナさん?胸を・・・揉まないで・・・もらえますか?」


なんとか返答しようとしたらエリザリーナさんがおもむろに私の胸を揉み出しました。


『これはスキンシップですわよ?』


(確かにスキンシップって言えばそうだけど・・・)


『エリザってそんな趣味があったんだ・・・』


そんなエリザリーナさんを見て、ロカがあきれたように言いました。


『ロカ、違いますわよ、純粋な興味ですわ。私達エルフの胸はどうしても大きくならないのに、同じような種族のダークエルフはどちらかと言えば大きな人ばかりとお聞きします。それを直に確認しているだけです』


エリザリーナさんは興味深そうにそう言われますが、それを私の胸で確認しないで欲しいです。

それにエリザリーナさんの手にだんだん力が入ってきます。


「エリザリーナさん・・・そんなに強く揉まれると・・・あの・・・感じちゃい・・・ます」


胸を揉まれる経験がないからだんだん変な気持ちになってきます。


『エリザ!いい加減にしろ!』


胸を揉まれて抵抗出来ない私に代わってロカがエリザリーナさんを怒ってくれました。


『あら、ロカ、怒ったの?』


『エリザ・・・』


『はいはい。じゃあ私は退散致しますけど、皆さんもクエフリーネさんには興味をお持ちですよ。天界でも初のダークエルフのお方ですからね』


そう言ってエリザリーナさんは私達から離れていきました。

そこで私が周りを見回すと天使達が視線を逸らしていきます。


(あ~なんか凄い恥ずかしいやら申し訳ないやらで感情がぐちゃぐちゃだ・・・)


『リーネ、もう出ようか?』


ロカは気を使ってそう言いますが、お湯に浸かってるほうが落ち着いてくると思うのでしばらく浸かってたいです。


「・・・もう少し、気持ちが落ち着くまで入ってていいですか?」


そう言うと私は気持ちを落ち着かせる為に少し深く湯船に浸かります。


『わかった・・・』


「・・・」


大きな湯船で身体を伸ばしてお湯に浸かってるとだんだん落ち着いてきました。

やっぱり大きなお風呂って気持ちがいいです。


『リーネ、ごめん。エリザがあんな積極的に来るなんて思ってなくて・・・』


私が落ち着いたと思ってロカはエリザリーナさんのことをあやまってきますが、最初に胸に興味を示して触ろうとしたのはロカです。


「いえ、エリザリーナさんも意外でしたけど、ロカもですよね?」


『えっ?』


「エリザリーナさんが来られる前に胸を触ろうとしていませんでしたっけ?」


『いや、それは・・・うん、ごめん』


そう言うとロカはバツが悪そうにあやまってくれました。

それにしてもお風呂で胸がどうとか言い合うなんて、高校の修学旅行以来でちょっとおかしかったです。


「ふふっ」


『リーネ?』


「いえ、びっくりしたし恥ずかしかったりしましたけど、女性どうしのやり取りって久々だなって。ありがとうございます、ロカ。だいぶ落ち着きましたしそろそろ上がります」


そう言うと私とロカはみんなに見られる中、湯船から上がってきました。


「ふぅ~久々にお風呂に入った気がする。あっ身体は何で拭いたらいいかな?」


そういえば身体を拭くタオルなんかは持ってません。


『リーネは生活魔法の乾燥は覚えてないんだっけ?ここでは乾燥がほとんどね』


生活魔法に乾燥があるみたいですがステータスの生活魔法には乾燥はありません。


「生活魔法の乾燥は覚えてないや。どうしたらいい?」


『今ここで覚える?クリーンと似た感じで身体に付いた水分を無くすイメージで乾燥よ』


そんな簡単に魔法が覚えられるとは思ってなかったですが、生活魔法だからでしょう。


(水分が蒸発してるイメージでいいかな?・・・乾燥)


そうイメージして魔法を発動させると濡れてた身体が一瞬で乾きました。

当然といえば当然ですが腰まである長い髪もちゃんと乾いてます。


「あっ出来ました。これは分かりやすかったです」


『ほんと、リーネの身体ってテラ様が一押しするだけはあるよね。普通だとこんな簡単に魔法は使えないよ』


魔法はロカの言うとおりに使ってるだけなのでそう言われても普通がわかりません。


「そうなんですか?」


『そうよ。ダークエルフなのが残念だけど』


「えぇ~格好可愛いじゃないですか?」


魔法に関しては簡単には使えないようですが、ダークエルフが残念なのは同意出来ません。

私のイメージではダークエルフは格好良さと可愛さを兼ね備えてると思います。


『見た目はアリよ。ただ環境的に厳しいって話。私はこの後テラ様に報告があるから今日はこれでおしまい』


しかし、ロカが残念と言ったのは環境のことみたいです。

そういえば先ほどエリザリーナさんも、ダークエルフは迫害を受けてるって言われてたけど、詳しく聞いてないからちゃんと聞いておいたほうが良さそうです。


それにしても、今日1日、ロカにお世話になったしちゃんとお礼を言っておきましょう。


「あっ、今日はありがとうございます」


ロカにお礼を言って部屋に戻った私は、ベットに横たわるとあっと言う間に眠ってしまいました。

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